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自動車保険の名義変更手続き「親子 夫婦 法人から個人」の場合


この10年くらいの間でしょうか、自動車保険の名義変更について質問されることが増えてきました。

推測の域を出ませんが、ダイレクト自動車保険の普及と一部代理店の新規加入者への説明不足やアドバイス漏れから、こうした質問が増えているのだと考えています。

幸い質問をいただくタイミングが早く名義変更が可能な場合は、等級割引の継承が可能になり損をすることもありません。

しかし、既に手続きができない状況では、残念ですが積み上げた等級割引をあきらめ、あらためて保険に入り直しが必要な場合もあります。

こうした自動車保険契約の名義変更にともなうトラブルを防ぐため、この記事では、それぞれの名義変更について、ケーススタディを参考に解説して参ります。

ご自身の状況に照らし参考にして下さい。

自動車保険の名義変更が可能な必須条件!

自動車保険の名義変更(保険譲渡)の必須条件は、次の通りです。

個人の場合

同居の親族(配偶者間、親子間、その他の親族)

法人の場合

法人化にともなう個人事業主の契約を法人契約に変更する場合(個人から法人への譲渡)
法人の解散にともなう法人契約から個人契約に変更する場合(法人から個人への譲渡)

必須条件の注意点

個人間の名義変更は、『同居中の親族(※1)』であることが大前提となっています。

名義変更においてよくある勘違いは、運転者範囲の家族限定における別居の未婚の子までの補償範囲を混同するケースです。子供の独立別居後でも名義変更できると思われている人もいるようですが、別居後はできなくなるので注意して下さい。

※1:親族とは?:自動車保険の名義変更(譲渡)が可能な親族は、配偶者、子、親の1親等から、6親等以内の血族、並びに3親等以内の姻族のすべてを含みます。

自動車保険契約を名義変更するメリット

自動車保険契約の名義変更によるメリットは、保険の譲渡とともにノンフリート等級割引の継承が可能になることです。

このルールをうまく使えば等級割引の進んだ保険契約を名義変更することで、新規契約者が無事故の実績を積まなくとも、最初から大きな等級割引を得ることも可能になっています。

デメリットの等級を引き継ぐ場合もある

名義変更による保険の譲渡ですが、マイナスになる割増などの等級(1~5等級)のデメリットを引き継ぐケースもあります。

例えば夫婦間で利用しているクルマが夫の度重なる事故により1等級となってしまった場合、クルマを妻の名義に変更し自動車保険を6等級新規で加入しようとしてもできないようになっています。

事務手続き上、加入時の受付は通るかもしれませんが、いずれ発覚して1等級の保険料差額を追徴されるか、告知義務の虚偽を理由に契約解除されることもあります。

これは、夫婦(家族)が利用しているクルマの場合、車両名義を変更して契約者を変え運転者を限定しても、前契約のデメリットも引き継ぐことになっているからです。

したがって増車するか、無保険で13か月以上経過した後でなければ、新規加入することはできません。このルールでは、割増だけに限らず、事故有係数についても同様に継承されます。

つまり、事故ありとデメリット(割増)については、家族間の場合は保険名義を変更しなくても、マイナスがついて回ります。

ケーススタディ1:親子間の名義変更

親子間の譲渡が発生する理由のひとつに、子供が運転免許を取得してクルマの購入をする際、子供の名前で自動車ローンが組めず、親の名前でクルマを購入、保険に加入するというケースが見られます。

例えばAさんは、子供Bさん(学生)の免許取得にともない子供のクルマを購入しました。

子供はまだ学生のため自動車ローンを組めないので、Aさんが自動車ローンを組む形でクルマを購入しセカンドカー割引を使って、新規7等級で自動車保険に加入しました。

その、5年後にBさん自らクルマを購入(車両入替)する際、自動車保険の契約もAさんからBさんに名義変更し譲渡するようにしました。

このケースでは、車両購入が親だったので保険も親の名前でセカンドカー割引を使い加入し5年後の代替の際、保険の名義変更をしたというケースです。

増車に限らず、親とクルマを共有し後にクルマと保険を一緒にもらい受け、名義変更するというケースもあるでしょう。いずれの場合も自動車保険は同居中に名義変更をすることが必須です。

なお、子供のクルマを増車する場合、クルマ購入時点で名義変更することも保健料を抑えることができるのでおすすめです。次の記事も参考にご覧下さい。

結婚などで別居する際、引っ越しをともなう自動車の名義変更や住所等の登録内容の変更は、通常住所移転後に行なうため、保険の名義変更も後回しにする人がいますがそれでは名義変更はできません。

結局変更できずに新規6等級で入り直すことなります。つまり今まで努めた無事故の実績が無駄になり、大変もったいないことになってしまうのです。

ケーススタディ2:夫婦間の名義変更

夫婦間の名義変更にも注意が必要です。

特に残念な例ですが、離婚にともなうクルマの譲渡と保険の名義変更では、離婚協議の進む中で忘れがちになるのが自動車保険契約の名義変更です。

離婚においては、住所の移転だけでなく氏名の変更もともなうことがあるので、資産分割協議の際にクルマと一緒に保険についても取り決め、契約名義が違う場合は、必ず氏名住所の変更を行なう前に自動車保険の名義変更を終わらせるようにしましょう。

たとえ住所の変更がなく同居が解消していなくとも、離婚届け提出後は夫婦でなくなるため親族として扱われず保険の名義変更ができなくなります。

仮に、離婚届け提出後に名義変更をして受理されても、後に重大な事故を起こし通知義務違反により、最悪の場合は保険金支払いを拒否されることもあります。

自動車保険業界もし烈な競争にある中で、各社とも保険金支払いルールの扱いに厳しくなってきています。名義変更は同居中の親族のみ可能であることを覚えておきましょう。

ケーススタディ3:個人から法人への名義変更

個人から法人への名義変更では、いくつかの注意点があります。

もっとも一般的なのが事業の法人化にともない、個人事業主の契約を法人契約とする場合です。

名義変更は、個人事業主名と法人の経営者名は、同一が基本前提となります。名義変更の時期は、個人間の名義変更と違い、個人から法人に変更されたら速やかに行なうことがベストです。

保険は契約上生きていますが、会社の運営面なども速やかな名義変更手続きをおすすめします。法人の税制上でも有利ですし、万一事故が発生した場合、保険金の支払い受取に際しても面倒がありません。

保険会社の選択

名義変更してすぐに対処を求められることはありませんが、業務使用の法人契約のクルマでは、ダイレクト自動車保険の場合、引き受けに制限を設けている場合があります。

また、個人の場合もそうですが10台に達するとフリート契約への変更も必然となり、契約者自らだけでは、保険の契約管理が難しくなってきます。

複数車両を業務で使用する法人や個人事業主の場合、自動車保険の管理も含め、法人の専業プロ代理店に契約を依頼する方が安心です。

自動車保険にとどまらず業務用の保険なども含め、様々な側面からリスクマネジメントの依頼ができるので、名義変更の際に乗り替えや相談してみることをおすすめします。

名義変更の手続きはどうする?

名義変更は特別に難しい手続きではありません。

先ず保険会社、代理店に連絡し、名義変更(保険の譲渡)手続きを依頼し、必要な申請書類(異動承認書)を作成してもらい、必要な所に記名捺印をします。

必要に応じて、免許証の写しや住民票、戸籍謄本などを請求されることもありますが、保険会社または代理店からの請求に応じて対応して下さい。

注意!住民票を移して同居すれば名義変更できる?

インターネット上の情報でも散見されるので、一応注意喚起のためにご案内します。

既に別居の事実があるのもかかわらず、自動車保険の名義変更を有効にするため住民票を移して同居をいつわり、保険契約を名義変更することをあたかも違法性がないようにアドバイスする記述がありますが、大変危険です。

別居している事実があれば住民票を移しての名義変更は、虚偽の通知となり保険が支払われなくなることもあり大変危険な行為です。

インターネット上には、代理店からのアドバイスで住民票を実家に移して、名義変更を行なえば問題ない、といった書き込みも見られますが、本当にそのような助言を代理店が行なうとは思えず大きな疑問です。

ただし、子供の独立や夫婦の離婚の前、同居中に名義変更しておくべきところ、適切に対応できなかった代理店が、そのような不適切なアドバイスをする可能性も否定できません。

いずれにしても、個人の保険契約は、自分でしっかり把握して管理しましょう。

まとめ:自動車保険の名義変更の手続きとその重要性

自動車保険の名義変更は、ノンフリート等級割引の継承のみならず、保険契約を有効に保つためにも適当な時期に手続きしましょう。

名義変更の手続きの重要なポイント

個人の場合、保険の名義変更は同居中の親族が前提となるので、引っ越しの後や離婚手続き後などでは、事実上、名義変更ができなくなる。

必要書類(戸籍謄本や住民票)などを用意して、時期をさかのぼって名義変更を特別に受け付けてもらえることも過去にはあったが、現在は、だんだん難しくなってきている。

子供の免許取得に際しクルマを増車する際は、保険の名義変更(譲渡)を先に行い、セカンドカー割引を親の車に適用する裏ワザを使えば、保険料を抑えると同時に後の名義変更忘れも防ぐことができる。


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