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相談・苦情が減らず年間3万2千件超!苦情対応の悪い自動車保険会社はどこだ?


損害保険協会に設置された「そんぽADRセンター」に寄せられる損害保険会社に対する相談・苦情は、年間3万2千件を超えており、過去3年間一向に減るきざしが見えません。

相談・苦情の内容は、「保険金」、「契約・募集」、「契約の管理」についてが多く、中でも「保険金支払い」にかかわる相談と苦情が大多数を占めています。

当サイトにおいてテーマとして掲げている「安い自動車保険」ですが、万一の事故で苦情や相談が目立つような保険会社では、イザというときに役立たない不安もあり、「安物買いの銭失い…」ということにもなりかねません。

そこで、今回の記事では、損害保険協会に寄せられた「相談・苦情」と、損保各社が実施している顧客相談窓口等に寄せられた「相談・苦情」の集計データを、各社のディスクロージャー誌(※1)からピックアップしてまとめます。

当サイトの独自視点で考察し「相談・苦情」の発生に対する対応姿勢についてを評価してみました。

また、損保各社が独自で実施している顧客満足度調査など、苦情や事故対応などの顧客サービスについて、各社発行のディスクロージャー誌から、各保険会社の姿勢を量ってみます。

保険料・サービス競争が激化する自動車保険選びにおいて、1つの目安としてお役に立てれば幸いです。

※1:ディスクロージャー誌とは、企業が経営内容を開示した冊子のことを指します。ディスクロージャー(Disclosure)という言葉には、「物事を明らかにして示す」という意味がありますが、ディスクロージャー誌では、企業の持つ財産や収支の状況など財務状況から、経営方針や組織、提供している商品やサービスなど、投資家から一般の人が企業活動を判断するために必要な情報が網羅されています。

年間3万2千件超!の相談・苦情とは?

2017年度中、損保協会に寄せられた3万2千件も及ぶ相談・苦情は、その多くが一度は保険会社の顧客相談窓口、損害調査部、営業部や各支店支社、そして代理店に持ち込まれた内容です。

損害保険会社に持ち込まれた相談・苦情の多くは、その担当部署にて対応、解決が図られていますが、いくつかの案件が解決されずに損保協会が運営する「そんぽADRセンター」に持ち込まれています。

そんぽADRセンターとは?

そんぽADRセンターは、損害保険協会が運営する「お客様対応窓口」で、専門の相談員が、交通事故から損害保険に関する相談を受け付けています。

損害保険会社とのトラブル(相談・苦情)が解決しない場合、保険業法に基づく指定紛争解決機関(金融ADR機関)として、契約者からの苦情受付、契約者と損害保険会社間の紛争解決の支援(和解案の提示等)が行われています。

特に契約者と保険会社間で発生している「苦情」に関しては、当該保険会社に苦情の内容を通知して対応を求め、交渉による問題の解決を促しています。

また苦情解決に向けた対応でも解決が見られない場合、契約者は「紛争解決手続き」の申し立てが可能です。紛争解決手続きでは、経験と知識を持った専門家(弁護士等)による和解案の提示等のより踏み込んだ解決支援が行われます。

自動車保険の相談・苦情の割合

2017年、そんぽADRセンターに持ち込まれた相談・苦情の総数は約3万2千件ですが、その中で自動車保険に関わるものは6割超の約2万1千件でした。

中でも「苦情」として持ち込まれたものは、7,881件ですが、他の保険種目(火災・傷害・賠償責任等)と比べてその割合は、82.5%を占めており、苦情の8割以上が自動車保険によるものとデータが公表されています。

全自動車保険契約から見て、約2万1千件の相談・苦情件数は少ないと見る向きもありますが、そんぽADRセンターに持ち込まれる案件は、最終的に行き着いたものがほとんどであり、「契約者の思い違いや誤解」といった内容のものではありません。

したがって案件は、1件ごと慎重に精査され対応がなされています。

損害保険会社の良し悪しを判断するには?

残念ながら、そんぽADRセンターに持ち込まれた相談・苦情の件数だけを見て保険会社の良し悪しは判断できません。

その理由は、保険会社ごとに取り扱い保険種目、保有する契約者数に大きな差があり、単純に件数比較をすれば簡単に契約者数の多いメガ損保がワーストになってしまうからです。

次にもう少し考察を進めるために、損保各社が発行するディスクロージャー誌を見てみましょう。

損保各社に集まる相談・苦情の総数は、年間で約26万件以上!

損保会社で独自に集計している「お客様からの相談・苦情」に関しては、各社発行のディスクロージャー誌にて毎年公表されています。

各社公表による「相談・苦情」の総数は、2017年度中だけで約26万件を超えており、そんぽADRセンターに寄せられた数の約80倍以上もおよんでいます。

しかし、見方を変えれば契約者からの相談・苦情の多くは、ほとんどが保険会社によって解決が図られていると見ることもできます。

つまり、そんぽADRセンターにまで持ち込まれている相談・苦情は、発生総数の約12%程度となっており、保険会社や代理店による顧客とのトラブル解決の姿勢を見ることができます。

初期対応により相談・苦情が解決すれば、そんぽADRセンターに案件は持ち込まれない

さて、ここで見えてきた相談・苦情の発生総数に対し、そんぽADRセンターに持ち込まれた案件数の対比を、損保各社それぞれ見ていけば、該当損保の問題解決姿勢をおおよそですがはかることができます。

なお損保各社で集計された相談・苦情の実数については、前述のとおり、取り扱い種目や契約者数、代理店による契約の有無、ダイレクト型の契約ルートによっても差が生じます。

したがって最低でも、代理店型とダイレクト型とは分けて比較する必要があります。また、近年合併したAIG損保や撤退したアメリカンホーム、ゼネラリなどの損保もあり各社個別に考察する必要もあるでしょう。

なお、今回取り上げた2017年度中のデータでは、代理店型のAIG損保は旧富士火災の数字のみが使われており、AIU保険のデータは含まれていません。また、外資系ダイレクトのチューリッヒについては、損保協会に所属していない保険会社でありそんぽADRセンターから内訳が公表されていないので、比較対象から除外しております。

損保会社公表の相談・苦情の数は信用できる?

損保各社がディスクロージャー誌にて公表している、契約者からのアンケート結果や相談・苦情などの数値について、疑う旨の記述があるブログやサイト記事を散見しますが、筆者は「概ね信じて差し支えない数値である」と捉えています。

ディスクロージャーにウソの記載はできない!

その理由は、ディスクロージャー誌は、投資家や株主、就活や取材活動による企業調査を行う人などのために公表された、その企業の実態について書かれたものだからです。

反対に見れば、ディスクロージャー誌にて意図的に偽りのデータや実態の伴わない数値を載せなければ、粉飾や詐欺とも疑われかねないことにつながるからです。

ディスクロージャー誌に偽った内容が記載されれば、それを投資判断の基本材料とする株主や投資家の判断を誤らせることになり、詐欺行為としてとらえられかねません。

多くが上場を果たしており、金融庁の管轄下に置かれた損害保険会社においては、銀行同様に社会から厳しい視線を向けられており、おおよそディスクロージャーにおいて偽った数字を記載するは考えにくいからです。

したがって、損保各社発行のディスクロージャー誌に記載された「お客様相談窓口への相談・苦情の件数」「契約者アンケートによる顧客満足度調査の結果」、「営業拠点と損害調査部への顧客や事故当事者の苦情数」については、「相談・苦情などの数値に偽りなし」と考えて差し支えありません。

各社のディスクロージャー誌を集めて比較することも可能ですが、保険選びの順としては「自動車保険一括見積もり比較」などを利用して、契約候補をいくつか絞り込んでから該当損保のディスクロージャー誌をご覧いただく方が現実的です。

各社ともPDFファイルにてダウンロードが可能になっており、お手持ちのパソコン、スマートフォン、タブレットにていつでも参照可能です。

損保各社のディスクロージャー誌紹介ページ(順不同)

代理店型損保

東京海上日動

損保ジャパン日本興亜

三井住友海上

あいおいニッセイ同和

AIG損保(旧AIU保険、旧富士火災)

日新火災

共栄火災

楽天損保(2017年月、旧朝日火災より社名変更)

ダイレクト型損保

ソニー損保

三井ダイレクト

チューリッヒ

アクサダイレクト

イーデザイン損保

セゾン自動車火災(2019年7月 そんぽ24と合併予定)

SBI損保

セコム損保

そんぽ24(2019年7月 セゾン自動車火災と合併予定)

【注意】相談・苦情の数は代理店型とダイレクト型で比較できない?

ここまで相談・苦情の数を基に保険会社のクレーム対応などについて考察してきましたが、実のところこの数値だけで保険会社同士を単純比較することはできません。その理由は次のとおりです。

相談・苦情の数だけで保険会社を比較できない理由

①代理店型損保の保険では、契約に代理店が介在するため代理店に対する相談・苦情が考慮される。

②ダイレクト型保険の契約はインターネットが主流のため、加入時の告知や入力の間違いにより相談・苦情が発生する。

③代理店型損保には、個人から法人需要もカバーする多くの種目があるため、ダイレクトよりも相談・苦情が多岐にわたる。

④大型代理店型損保1社の契約者数は、ダイレクト損保各社の総数よりもはるかに多く、単純な数量や売上比率を掛け合わせた比較は、ほとんどあてにならない。

⑤ダイレクト損保は取り扱い種目が少なく、場合によっては自動車保険だけに特化した保険会社もあり、全種目取り扱いの代理店型損保と比べるのには無理がある。

では、損害保険会社の相談・苦情件数から「顧客対応力」を推し量る方法は無いのか、検討してみたところ次項のような方法で、おおよそですが保険会社の顧客対応力や姿勢を推察することができます。

保険会社の対応姿勢は、相談・苦情の発生数より減少率に注目!

本来、事故相談や保険会社への苦情などは、保険会社に持ち込まれて対処されることがほとんどです。

契約者が、事故相談や保険会社への苦情について当該保険会社を飛び越えて、弁護士やそんぽADRセンターなどに申し入れることは極めてまれなケースです。

したがって、そんぽADRセンターに入ってきた相談・苦情の大多数が、一度は該当保険会社に申し入れしたものとして考えられます。

つまり、保険会社に相談・苦情を入れたが、らちがあかないので「そんぽADRセンターに相談・苦情を持ち込む」といった流れがあると考えることができます。

顧客対応の姿勢は、相談・苦情の発生数より減少率に注目!

相談・苦情の発生数に大きな開きがあるということは、そんぽADRセンターに持ち込まれる案件にも同様の差が生じると考えられます。

もし持ち込まれる案件の割合が少なくなっているとすれば、該当保険会社の顧客対応の努力により「問題が適切に解決されている」と見ることができます。

そこで次の項では、保険会社に入った相談・苦情と、そんぽADRセンターにまで持ち込まれた相談・苦情の割合を算出し「減少率」として、各社の結果を比較してみます。

代理店型・ダイレクト型別に相談・苦情の減少率で比較する!

今回行った、「そんぽADRセンターに持ち込まれた損段・苦情/保険会社に持ち込まれた相談・苦情」の比率の元データは、2017年度第4四半期の数値を基に算出しています。

代理店型損害保険会社の相談・苦情の減少率

代理店型損保の減少率を見るときに注意すべき点は、契約数の少ない中堅以下の損保と大手損保を同じ土俵で比較することには、いささか抵抗がありますが今回はご了承下さい。

気になる点では、事故対応で定評のある「東京海上日動火災保険」と同グループの「日新火災」の数字があまり良くなかったことです。特に「日新火災」の12.50%は、損保各社の総合でもワースト2位の結果となっているので契約先の選択では注意すべきポイントになるでしょう。

ちなみに日新火災のサンプル数は、代理店型損保中7位となっており、ダイレクト型損保のイーデザイン損保とほぼ同数でした。

また、損保最大手の損保ジャパン日本興亜と、大手のあいおいニッセイ同和損保の結果は、事故対応力での評価は特別に高いものではないのですが、「相談・苦情には真摯に対応」する姿勢があるようです。

ダイレクト型損害保険会社の相談・苦情の減少率

ダイレクト型損保の減少率を見るときに注意すべき点は、上位3社の減少率が優れている点です。また、ダイレクト型損保最大手のソニー損保が、最高の減少率で総合第1位になっていることも注目のポイントです。

ソニー損保は、当サイトにおいて調査実施した、総合比較ランキングでも堂々の第1位を獲得しており、インターネット上において公表されている顧客満足度調査においても、軒並みトップクラスの評価を集めております。

現在、もっともバランスの取れたサービスを提供する、保険会社として契約を選ぶ際には、比較検討に加えて欲しい損保です。

また、並べて、第2位のイーデザイン損保は、相談・苦情への真摯な姿勢と事故対応力、低価格保険料など、注目するに値するダイレクト自動車保険です。

残念だったのは、「おとなの自動車保険」でおなじみの「セゾン自動車火災保険」とダイレクト型の老舗「三井ダイレクト」です。

2社は、8%代の割合となっており、該当保険会社に相談・苦情を入れた顧客の約1割近くがそんぽADRセンターに、改めて相談・苦情を申し入れる結果となっています。

同規模のダイレクトが奮闘する中で5%以上の差が開いたのは、明らかに顧客からの相談・苦情に対し真摯に向き合う姿勢に欠如したところがあるようです。

最悪の結果を残したのが総合でもワースト1位になってしまった「セコム損保」です。保険商品、サービス、価格には優位性もあるので、もう少し努力を進めてもらいところです。

自動車保険は「保険料」+「顧客対応力」で選ぶ!

前項の減少率比較では、最終的に保険会社の「顧客対応力」が見えてきます。

相談・苦情を真摯に受け止め顧客対応に努める損害保険会社は、今後顧客対応や事故対応で顧客満足度を上げてくる可能性を持っているとも考えられます。

また契約者の多くは、保険会社を選ぶ際に重視するポイントに「保険料」を挙げていますが、今後は「保険料」+「顧客対応力」を選択基準に加えて検討することをおすすめします。

なお、今回の「減少率」についての考え方は、筆者の経験から概ねの企業姿勢を量るものです。一定の判断材料にはなりますが決定打にはなりませんので、顧客満足度や事故対応力なども考慮して総合的な判断が必要です。

損害保険会社の項目別総合比較ランキングについて、詳しくリサーチした記事も併せてご覧下さい。

自動車保険18社のおすすめ比較ランキング|安い保険料と事故対応が良い損保を徹底調査


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