新型日産ノートe-Power を親子で使う場合、使用条件別の自動車保険料
2017年も暮れようとする11月、日産ノートのハイブリッドカー「ノートe-Power」が発売されました。
新型といっても、車両ベースに変化のないマイナーチェンジのノートに「今になって、なぜハイブリッド?」という感じは否めません。
「えっ、いまさら?」と感じた人も多かったのではないでしょうか?
しかし、そんな評判とイメージをくつがえし「これはイイ!」と、自動車評論家のみならず、試乗した一般ドライバーの多くが評価し脚光を浴びています。
この記事では、レンジエクステンダー式のハイブリッドカー(以下:HV)、ノートe-Power の特徴と自動車保険に加入する際の注意点、使用条件別の自動車保険料を試算し検討してみました。
目次
ありそうでなかったHV「ノートe-Power」を選ぶポイントは?
電気自動車(以下:EV)の技術に長けた日産がハイブリッドを作ると、実に魅力的なレンジエクステンダー式HVになるものだと、本当に感心してしまいました。
日産のホームページによると「電気自動車のまったく新しいカタチ」と表現されていますから、日産はノートe-Power をHVではなく、EVとして位置付けしたいのかもしれません。
ノートe-Power のライバル他社を圧倒する長所
多くのメディアで既に紹介されているとおり、ノートe-Power の優れた特徴の1つには、エンジンを発電のための動力と割り切り、走行のための駆動力をリーフで培ったモーターに任せている点です。
ノートe-Power搭載の駆動用モーターは、EVのリーフと同じものです。
モーター駆動だけで走るEVは静粛性に長けており、走りはリーフ同様、その気になればコンパクトカーらしからぬ鋭い発進加速も可能です。
搭載されているモーターの性能は、高性能な2,500ccクラス同等の分厚い最大トルクを0発進時からほぼ瞬間的に得られるので、驚くほどスムーズな走行感を実現できています。
エンジンは発電用にチューニングされ、もっとも効率の良い2500rpmほどの回転数をうまく使いながら、ドライバーが違和感のないように作動しています。
レンジエクステンダー式と呼ばれるノートe-Power のHVの運転感覚は、リーフのもつEVそのものといっても良い素晴らしい完成度です。
走行距離制限なしのEV
以前と比べれば目にするようになったEVステーションですが、ガソリンスタンドの数とは比べ物になりません。
EVリーフの購入をちゅうちょする理由のひとつは、航続距離への不安といわれていました。
実際にリーフを利用している人の声を日産自動車のWEBページにて確認したところ、現行モデルでは、通常の走行で約150~180kmといったコメントが多く見られました。
用途によっては、かなり不安を感じますし長距離の旅行では、余裕を残しながら充電をくり返す必要が出てくるので、かなり面倒です。
しかし、ノートe-Power ならば、ガソリン車のノート同様41Lの燃料タンクをもっており、ガソリンスタンドで給油しながら走ればロングドライブの航続距離も心配ありません。
燃費を、エアコンや基本的な安全システムなどを装備した「ノートe-Power X」で試算してみました。
日産自動車による燃費の公称値は、34.0km/Lとなっているので実走行の数値として2割を減じて27km/Lを実燃費として試算すると、満タンからの走行距離はゆうに1100kmを超えると考えられます。
航続距離に心配がなくなれば「欲しい!」と考える人も増えるのではないでしょうか?
ノートe-Power 超お買い得なEV
ノートe-Powerは、従来のEVリーフと比べて安くなっている販売価格にも注目が集まっています。
仕様が異なるので単純比較はできませんが、ライバル他社のHVも合わせて比較検討してみました。
日産リーフX(30kwh):約365万円
トヨタアクアXアーバン:約210万円
ホンダフィットHV Sパッケージ:約206万円
リーフを除くHVは概ね200万円前後の価格設定になっています。
リーフ同様の走りと十分な装備を持ったノートe-Powerの中間グレードX、200万円を切る販売価格はバーゲンプライスといっても良いでしょう。
ノートe-Powerの安全装備は?
現在の新車選びでは、クルマの安全装備についてしっかり検討する必要があります。最新のノートe-Power の安全装備について確認してみましょう。
まず、ノートe-Powerには3つのグレードがあり、安全装置を含めた装備が充実しているのは、e-Power Xとメダリストの2車種に絞られます。
しかし、サイドカーテンエアバッグ、踏み間違い衝突防止アシスト、フロント&バックソナーは、オプション設定となっている点がとても残念です。
こうした安全装置については「標準装備が当たり前」といっても過言ではありません。
また、日産が鳴り物入りで投入したセレナの「プロパイロット」について設定されていないのは、とてもがっかりしました。
多くの人がプロパイロット装備のノートe-Powerの登場を望んでいることでしょう。
日産自動車にはさらなる努力を期待しましょう。
グレードe-Power Sは燃費公称値の対策車
価格がもっとも安く優れた燃費公称値37.2km/Lを掲げた、廉価版のグレードe-Power Sは、残念ながら装備があまりにも陳腐であり、ほとんどの人が購入検討しないと思われるグレードです。
このグレードでは、エアコンやエマージェンシーブレーキ装置などを省いてあり、燃費公称値でライバルを超えています。
恐らくライバルとなるアクアやフィットHVの燃費公称値を上回る目的に設定されたグレードと思われます。
確かに北海道の一部地域などでは、エアコンレスを求めるユーザーも少なからずいると思いますが、一般的に考えて購入検討する人は少なく、現実的なチョイスではないと考えられます。
ノートe-Power 保険加入時のアドバイス
お値段は、ライバル他社のHV並に抑えながら、リーフ同様にEVとしての走行感が期待できるノートe-Powerですが、購入時には、必ず任意保険の加入、車両入替も忘れないようにしましょう。
加入の際の注意点ですが、ノートe-Powerに限らずEVやHVのクルマは、事故を起こすとその車格以上に修理費用がかさむので、車両保険の加入を必ず検討してほしいと思います。
その理由は高価な専用部品がフロント部分に集約されており、エンジンルーム内に収められているからです。
つまり、事故でフロント部分にダメージを負った場合、通常のガソリン車と比べて修理費用がかかるということです。
事故の衝突は、様々な方向からあると考えられますが、その多くがフロント部分に集中しているのも事実です。
また、HVのクルマは人気も高いため「車両盗難」のリスクも高まります。専用部品も多く使われておりそれぞれが高価なことから盗まれることもあります。
近年の自然災害でも水災による水没リスクは、EVとHVにとってぜったいに避けたい危険です。
しかし、災害による被害は、どうしようもなく避けられないこともあり、身の危険からクルマを置いて避難しなければならないこともあるでしょう。
事故による修理代のリスク、盗難リスク、自然災害のリスクを勘案し、万一の際でも補償される車両保険への加入を検討して下さい。
21歳以上の子を含む親子で使う場合の保険料(日常生活、家族限定)
日常生活の使用条件において、親子でノートe-Powerをフル活用する場合、事故が発生するリスクは相応に高まるので、十分な補償に事故対応の優れた保険会社を選びたいものです。
おとなの自動車保険を選ぶ理由
今回は、セゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」で試算しました。選んだのは次の理由からです。
新車時から3年間は5割以上の半損で新車に買替できる新価特約が付けられる。
40代、50代の人が21歳以上の子供と共有する場合、保険料が他社より安い。
ALSOKとの提携による事故現場急行サービスが無料で受けられる。
「おとなの自動車保険」では、主な使用者が40代の人の場合、補償を充実させても保険料を抑えられます。
以下の試算結果は、ノンフリート等級が14等級でちょうど割引率が50%になっています。
車両保険を付けた場合、基本補償よりも高くなりますが断然安心感が違ってきます。
自損事故や当て逃げによる損害を考慮しなければ、エコノミータイプと同等の補償内容を選べば、一般車両同等の補償内容と比べて保険料は2万円も安くなります。
車両 エコノミー同等 51,240円
車両 一般同等 71,170円
(※ネット査定は、ネット割引が適用されて、お店よりも安くなるのでオススメです)
こちらの試算では、セゾン自動車火災保険で見積もりを行いましたが、他の保険会社も条件や補償内容により保険料が変わってきます。
ちなみに今回の自動車保険のポイントは、オーダーメイド、新価特約、親子で補償、現場急行サービスです。その点を押さえて他社と比較してみて下さい。
通勤通学や業務使用で使うノートe-Powerの使用条件別の保険料
実はノートe-Power、想像以上に実用燃費にも優れたHVです。
時速60km/hまでの速度域で常用するなら、アクアやフィットHVなどライバル他車の燃費面で圧倒するとまでいわれています。
加えて静かで強力なモーター駆動ならではの爽快な走りも期待できるので、通勤で利用する人に持って来いのクルマといえるでしょう。
さて、通勤で使った場合の保険料はどのくらいになるでしょうか?
ノートe-Powerを通勤通学で使うときの保険料
おとなの自動車保険の場合、通勤利用でも40代、50代の人の保険料はかなり安く、今回のように年間走行距離が10,000km~15,000kmの場合でも保険料は以下のとおりです。
車両 エコノミー同等 42,520円
車両 一般同等 57,340円
(※ネット査定は、ネット割引が適用されて、お店よりも安くなるのでオススメです)
ノンフリート割引などは、前述の親子で利用する場合と同じで試算しました。
通勤の場合は、リスクが下がるという意見と距離相応に上がるといった意見もありますが、実際は、わずかに上がるようです。
通勤利用の場合、特に事故が多発しているのは帰宅時の自宅に着く直前です。
これは、通勤に限らないのですが、通勤時の利用では、特に帰宅直前の油断に注意しましょう。
仕事で疲れて帰宅する際は、地元や家の近くに達することで気が緩みます。
実際、筆者のユーザーや身の回りでも帰宅時の事故は多く、運転者が死亡するという痛ましい事故もありました。
勝手知ったるいつもの道だからこそ、気を引き締めて運転して下さい。
業務で使うと「おとなの自動車保険」は保険料が高くなる
保険会社の条件設定が大きく異なる「業務使用」を条件とした保険では、セゾン自動車火災保険では、運転者限定を解除するので大幅に保険料がアップします。
実質的に全年齢の人が、指定した年間走行距離を利用する場合よりも事故発生のリスクが高いと考えられるので、以下のとおり当然に高い保険料となります。
車両 エコノミー同等 129,260円
車両 一般同等 185,810円
(※ネット査定は、ネット割引が適用されて、お店よりも安くなるのでオススメです)
業務で使う人でも個人事業主で主な使用者だけしか運転しない人が多くいると思います。
そのような場合、業務使用で運転者の限定ができない「おとなの自動車保険」は、保険料が高くなりおすすめできません。
業務使用でも安い自動車保険はないのでしょうか?
SBI損保は業務使用の自動車保険が安い!
そこで、保険料が安いと評判のSBI損保で業務使用、主な使用者(45歳)のみに運転者を限定して保険料を試算してみました。年間走行距離は15,000km超の設定でまったく同じです。
車両 エコノミー同等 40,340円
車両 一般同等 57,970円
(※ネット査定は、ネット割引が適用されて、お店よりも安くなるのでオススメです)
運転者の限定と保険会社が変わるだけで驚くほど保険料が安くなりました。
SBI損保では、新価特約の設定はありません。しかし、これほど保険料が違ってくると補償の中身以上の価値があると思います。
通勤や業務使用なら代車費用特約も検討しよう
ちなみに、通勤や業務使用でクルマを利用している人は、万一の事故で車を修理に預ける際、代わりの車が必要になってきます。
さすがに同じノートe-Powerを代車として用意されることはありませんが、代車費用特約を追加しておけば、同等クラスのレンタカーを用意することが可能です。
ちなみにほとんどの保険会社では、車両保険に代車費用特約が付帯可能になります。
代車として、車両損害に関するレンタカー費用補償特約を付帯した場合は、以下の保険料になります。(車両損害時のレンタカー費用:支払限度日額5,000円)
一般車両保険同等の補償 63,730円
各損害保険会社は契約内容の規定が異なる
保険会社によってリスクと顧客のとらえ方が異なり、リスクの高い契約の条件を厳しくして保険料を高くすることで、契約そのものを排除する傾向があります。
例えがよくありませんが、「捨てる神あれば拾う神あり」、会社の都合でリスクを避ける損保があれば、逆に積極的に契約を取ろうとする保険会社もあります。
どちらが良いとはいえません。しかし、保険契約者は正確な情報をつかんでより安くて良い内容の自動車保険に加入できるように、契約前に見積もりを集めるなどして比較検討しましょう。
被保険者とクルマの保険加入設定
今回の試算では、燃費の優れたノートe-Powerを親子でフルに使うことを前提にした内容と、40代の人が通勤や業務にてフル活用することを前提にした2とおりの試算を行っているので、2つの被保険者設定としています。
見積もりした保険会社:
セゾン自動車火災保険「おとなの自動車保険」(日常生活、通勤、業務)、SBI損保(業務使用のみ)
主な記名被保険者の年齢条件等:
親子が日常生活で使う場合:主な使用者45歳、配偶者あり、子供22歳
記名被保険者の性別:男性
被保険車両:日産ノートe-Power X(HE12)/2016年11月登録
運転者年齢条件:主な使用者の年齢45歳
運転免許証カラー:ゴールド免許
使用目的:日常・レジャー(親子利用)、通勤通学(本人のみ)、業務使用(限定なし)
年間走行距離区分:
5,000km超~10,000km以下(日常生活)、
10,000km超~15,000km以下(通勤通学)、
15,000km超(業務使用)
運転者限定:
夫婦限定+同居の子供(日常生活)、
本人限定(通勤通学)
運転者限定なし(業務使用)
利用地域:東京
ノンフリート等級:14等級
補償設定
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
人身傷害:3000万円(搭乗中のみ)
車両保険:230万円(免責1回目5万円-2回目以降10万円)
車両新価特約:230万円(セゾンのみ)
対物超過修理費用補償特約:50万円
弁護士費用補償特約:300万円
適用割引(セゾン):インターネット割引(10,000円)、早期契約割引(400円)、証券不発行割引(600円)、電気&ハイブリッド車割引(1,200円)
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