時速60kmなら生存率3%!運転中のポケモンGOとスマホ操作の危険性
8月23日「運転中にポケモンGOをプレイして死傷事故!」39歳男を危険運転致死傷容疑で逮捕!という、ニュース報道がありました。
運転者のあまりに愚かな行為に驚き、また、とても残念に思いました。
恐らくは、運転しながらのスマホ操作が日頃から常態化しており、安全への意識を欠いた運転が増長したドライバーなのではないかと思います。
亡くなられた被害者のご冥福をお祈りいたします。
ところで走行中に2秒間でも目を閉じて運転できる人がいるでしょうか? 恐らく殆どに人が無理で危険と回答されるでしょう。
ところが、運転しながらスマホ操作をする人は、約2秒ほど前方の注視をしていないことの怖さを忘れています。
スマホの画面注視は、走行中に前方を見ないで走行することと同じです。ほんのちょっとだけのつもりでも、多くが約2秒程度画面を注視しています。
つまり運転中のスマホ操作は、2秒間目を閉じて運転するような行為なのです!
普通に考えればたった2秒でも目を閉じるのは怖いと思いますが、現実に運転しながらスマホの画面を2秒程度注視している人がかなりいます。
この記事では、運転しながらスマホを操作することの危険を、具体的なデータなどを参考に検証して参ります。
ポケモンGOが死傷事故の原因?
8月23日に徳島で発生した死傷事故を起こしたドライバーは、事故後に「ポケモンGO」をプレイしながら運転、事故時に「前を見ていなかった」と自供しています。
事故は、散歩をしていた二人の女性を当該車両が時速約50kmではねたと見られています。
一人が首の骨を折るなどして死亡、もう一人が肋骨骨折や全身打撲などによる重傷を負いました。
事故車両は前面部の左側が大きく潰れており、フロントガラスの破損も二人をはねた衝撃の凄まじさを物語っています。
ニュース報道では、あたかも「ポケモンGO」が事故の原因のように伝えられていますが、それは少し違います。
事故の原因は、道路交通法により禁止されている、運転中のスマホ操作のための画面注視によるものです。
「ポケモンGO」でなくとも運転中のスマホ操作により、誰にでも起こりえる事故と言えます。ポケモンGOアプリ固有の操作が事故原因になったとはいえません。
歩行中や自転車運転中の「ながらスマホ」の危険性が指摘されている昨今ですが、車の運転中に携帯電話機のように扱われ、操作している人が絶えない「車を運転しながらのスマホ」は、歩行者や他の車だけでなく自身にも被害をもたらす危険な行為です。
運転しながらスマホを操作する危険
さて、運転しながらスマホは、どれほど危険なのでしょうか?
「運転しながらスマホ」でヒヤッとする映像
YouTubeなどの動画サイトでは、様々な事故映像などの動画がアップロードされていますが、アメリカの「AAA Foundation for Traffic Safety」の提供している動画の中に、運転中のスマホ操作がいかに危険であるかがわかるものがありました。
わき見運転や漫然運転などの例も入っていますが、運転者の様子と前方の道路状況を同時に写しているドラレコの映像なので、数秒の画面注視で道路外に逸脱していく様子などがよくわかります。
スマホ操作に夢中の女性
前方を撮っている映像では、道路を左に逸脱していく様子が…(YouTube動画より「Distractions and Teen Driver Crashes」から)
2秒間目を閉じて運転できる?
紹介の動画を見てもわかるとおり、わき見やスマホ操作などで前方の注意をそらしている時間はわずか2秒程度です。
前を見ていないので道路のカーブに気づかずに路外に逸脱したり、他の車両に衝突したりします。
運転中は、周りの景色も含めて常に状況が変化しており、歩行者や他車の動きも含めて見る動体視力、それぞれの距離感を見る深視力、見える範囲の視野など、様々な見る能力を要求されます。
例えば、時速50kmで走行中、手元のスマホに視点を落として2秒後にまた前方を注視するのは、実は大変なことです。
距離の違いにより大きく異なる焦点を瞬時に切り替える必要があるからです。
筆者を例にすると、40代半ばにして老眼が進んでいるため、瞬間的に手元のスマホを見るなど到底不可能です。
すべてのケースに当てはまりませんが、スマホを見ながら運転をするのは、30代より若い人に多いというのもわかる気がします。(老眼が進んだらできません!)
ところで、時速50kmだと2秒間でどのくらい車は進むのでしょうか? わずか2秒で進む距離とその後停止するまで、どのくらいかかるのか次の項で考察してみましょう。
2秒間で車が進む距離は?
時速50kmで走行中の車は、2秒間で27.8mも進みます。
その時目の前に歩行者や停車する前走車を確認しブレーキを掛けた場合、さらに約28m進んで止まります。
スマホを見ていなければ防げる事故もある
道路の前方36m先に子供の飛び出しがあった場合、しっかり前を見て運転していれば、空走距離を含めても28mで止まるので事故を防ぐことはできます。
しかし、わずか2秒ほどスマホ操作をしていて子供の発見に遅れた場合、子供までの距離は、10mも残されていません。
そこからブレーキをかけても1秒の空送時間があるため、13.9mノーブレーキで車は進むため間に合いません。
つまり、減速無しの50kmで子供を車ではねることになります。50kmで人をはねた場合の生存率は、約20%となっています。
「スマホ操作さえしていなければ事故にならなかったのに…」と、後で悔やんでも遅いのです。
39歳にもなって運転中にまでプレイするほどポケモンGOにハマるとは、かなり呆れてしまいますが、それ以上に無責任な運転に対して怒りを覚えます。
人の生死にかかわる車の運転中にスマホでゲームをするなど言語道断です!
100km/h:55.6mm
90km/h: 50.0m
80km/h: 44.4m
70km/h: 38.8m
60km/h: 33.4m
50km/h: 27.8m
40km/h: 22.2m
30km/h: 16.6m
20km/h: 11.2m
10km/h: 5.6m
50km/h:約28m
60km/h:約36m
70km/h:約46m
80km/h:約57m
時速30km以内:生存率90%以上
時速40km以内:生存率60%以上
時速50km以内:生存率20%以下
時速60km以内:生存率3%以下
衝突までに時速30km以下にまで落とせば、9割以上の被害者の命が助かります。万一の際にブレーキがしっかり掛けられるよう、スマホ操作などゼッタイ行なわないようにして下さい。
運転中のスマホ操作は自殺行為!
今回の徳島の死傷事故では、歩行者が犠牲になりましたが事故で犠牲になるのは、歩行者に限ったことではありません。
ポケモンGOやメール操作など運転中のスマホ操作から、ほんのわずかなわき見運転による事故で、運転者や同乗者も危険にさらされることもあります。
運転中のポケモンGO禁止!スマホ操作はしない!
ガラケーを含む携帯電話の通話に関して、イヤホンマイクを使っても違法として取り締まりの対象となる地域もあり、現在は、運転中のスマホやケータイの操作は、全て行わないことが安全に繋がると考えられるようになりました。
当サイトでも交通安全のために運転中のスマホ操作禁止を強く訴えます。
自動車の運転中は、スマホの操作をしない!よって、ポケモンGOも絶対プレイしない!と決めて、安全運転に努めましょう。
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