ポケモンGOプレーヤー注意!ながらスマホ中の視界はこんなに狭い!
2016年夏、世界中多くの人を夢中にした「ポケモンGO!」ですが、残念ながら予想通りゲームプレイ中の事故が多数報告されています。
子供たちの夏休みも終わり、ゲームプレイ中の事故も多少減るとは思われますが、以前から注意喚起されている「ながらスマホ」が、ポケモンGOの人気拡大で増えてしまったのはとても残念でした。
この記事では、ポケモンGOのプレイやメール操作など、歩行者や自転車運転者が「ながらスマホ」の危険を知りながらもやめられない人が多い中で、私たちドライバーが「どのように気を付けて運転すれば良いか?」を考察して参ります。
目次
ポケモンGO以前から危険な「ながらスマホ」
警視庁の集計によると、ポケモンGOの配信が始まった7月22日から8月21日までの1か月の間に、全国で79件の交通事故があったそうです。
この数字は、車や自転車の運転中に限られており、内22件が人身事故でした。
人身事故では、歩行中や自転車運転中のポケモンGOプレイによる、いわゆる「ながらスマホ」が含まれています。
増える!ながらスマホ
自動車やバイクの運転中のスマホ操作は、道路交通法による取り締まりの対象ですが、歩行者や自転車運転中の場合、警察官による注意や交通安全指導にとどまり、本人の安全意識を注意喚起する程度が現実です。
ポケモンGOなどのゲームプレイに限らず、メール確認や入力、その他のスマホ操作など「ながらスマホ」と呼ばれる、歩行中や自転車運転中のスマホ操作について、NTTドコモなどの通信キャリアなど注意喚起を促していますが一向に減る気配がありません。
ポケモンGOでさらに「ながらスマホ」が増加?
配信前の注意喚起や、異例ともいえる政府機関からのお知らせなども効果があり、事故は意外に少ないと感じられる人もいるでしょう。
しかし、この数字は、ポケモンGOのプレイ中に限った「ながらスマホ」を要因とする事故の集計です。
ながらスマホ全体を見れば、歩行者同士の衝突や転倒転落事故など、様々な状況で事故が起きています。
ことポケモンGOに関しては、ゲームプレイ中のポケモンやポケスポットの出現により、プレーヤーが、画面注視と共にゲームに気を取られてしまうことが、事故に繋がっています。
そうした点では、従来のながらスマホよりもポケモンGOについては、よりプレーヤーの注意意識と、自動車やバイクのドライバーが事故防止に努める必要があります。
「ながらスマホが危険!」と言われる本当の理由
歩行者や自転車運転者について、ながらスマホが危険と言われる理由ですが、注意意識をスマホに奪われることばかりではありません。
本質的な理由は、スマホ画面の注視により視野が狭くなっていることで、迫る危険に気が付かないことが大きな要因になっています。
本来、歩行中や自転車運転中であれば、進行方向にある障害物や近づいてくるその他の歩行者、車や自転車など広い視野で注意しながら進みます。
しかし「ながらスマホをしている人」は、画面を注視しているので視野が狭くなっており、進行方向や周辺の状況変化に注意することができません。
結果として近づく危険に対応することが遅れてしまい避けられずにぶつかってしまいます。
ながらスマホの危険をJAFが再現実験!
JAFでは、歩行者と自転車運転者の「ながらスマホ」による視野の低下など、実際に実験を行い検証しています。
実験では複数のモニター被験者のながらスマホ中の視点や視界を実際に見ながら、視野と注意力の低下が確認されています。
実験を通して「ながらスマホ」がとても危険な行為であることがわかります。
動画キャプチャのように赤信号を見落しや近づく車に気がつかないなど、事故になる可能性は高く人命にかかわる事態になるかもしれません。
自転車運転中のスマホ操作実験
Youtube:jafchannelより
【自転車編】「ながらスマホ」の危険【JAFユーザーテスト】
自転車運転中にスマホ操作をしている人をたまに見かけますが、動画での実験結果の通り視野が狭く前をよく見ていないことがわかります。
身近なところでも自転車運転中のスマホ操作でヒヤッとした経験のある人がいるのではないかと思います。
実験は、つくばの教習所内で行なわれていたので横から車にはねられることはありませんが、実際の道路だったらと思うとゾッとします。
自転車運転中にポケモンGOをプレイしている人は、動画を見てよく考えてみて下さい。
また、自動車運転中の人は、スマホ操作をしながら自転車に乗る人を見たら、いつも以上に配慮して下さい。
歩行中のスマホ操作実験
Youtube:jafchannelより
歩行者の歩きヘッドホン・歩きスマホ編
歩行中のスマホ操作は、ほとんど下を見ながらの状態で歩くことになります。
画面を注視しているときは、足元から前方1~2m程度しか見えてない状況なので、実験のように目の前まで車が近づかないと気付かないこともあります。
これを車の運転者が見た場合、ポケモンGOなどゲームに没頭している人は、いきなり方向転換するなど、予期しない動きをすることもあり、より注意する必要があるでしょう。
【歩行者編】「ながらスマホ(歩きスマホ)」の危険【JAFユーザーテスト】
街中の交差点にて行なわれた実験では、実際に人と接触したりぶつかったりするなどしています。
実際、ながらスマホの有無による視点や視野の違いや、注意している範囲の違いなども見られるので注目です。
車の運転手が気を付けていて、車を停止してもぶつかる歩行者もあると聞きますが、そのような状況も踏まえると、ながらスマホの歩行者に近づくときは、道路の状況により徐行速度で通過する必要もあるでしょう。
ポケモンGOプレイ中の人は注意力が低下する!
ゲームプレイ中の歩行者の多くは、視野が狭くなっており近づく車に気付くのが遅れ事故に遭っているようです。
ポケモンGOのプレーヤーに限ってではなく、ゲームに夢中な状況だとわずかな隙が生まれます。
他の歩行者や車のドライバーからすれば迷惑ですが、ぶつかってから文句を言っても始まりません。
特に車でぶつかった場合、間違いなく歩行者側がケガをしてしまいます。
これからも「ながらスマホの歩行者」への注意喚起は、社会全体で行なわれていきますが、現状では、車の側でしっかり注意して行く必要があるでしょう。
ながらスマホ歩行者との事故!運転者の過失責任は?
ポケモンGOに限らず、ながらスマホ中の歩行者や自転車運転者の過失による事故でも、ぶつかってしまえば多くの状況でドライバーの過失責任が問われます。
少し理不尽に感じる状況もあるでしょうが、日本の交通社会では、ごく当たり前に歩行者や自転車など交通弱者の保護が優先されるため仕方ありません。
仮に歩行者や自転車運転者に「ながらスマホ」による著しい過失が認められたとしても、自動車運転者が無過失であることを証明できなければ、過失責任が生じます。
状況によって車の所有者や運行供用者(会社など)に責任が及ぶこともあるので注意が必要です。
運転中にながらスマホの人を見たら?
ながらスマホの相手でも衝突すれば、車側の過失責任が重く、刑事責任をも問われることがあります。
前述の通り、民事上も過失による賠償責任が生じるので、運転者は「ながらスマホ」の人を見つけたら、横を通り抜ける際も注意が必要です。
「飛び出してきたから相手が悪い」という反論は、避けられないほど突発的な状況でない限り通用しません。
ながらスマホの相手は、クルマの接近に気が付かずぶつかる程度なので多くの場合、車の側が止まるなど措置を講じ、安全運転義務を果たす必要があります。
ポケモンGOプレイ中など、ながらスマホをしている人を見かけたら、速度を落として注意しましょう。
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