日本も危ない!米国でスマホ運転が死亡事故9%急増の原因に!
海の向こうの米国では、死亡事故が急増しており2015年7.2%増、2016年1月~6月の半年間は、前年同時期に対し約9%も増加していると報告されています。
日本も2015年は死亡者数がわずかながら増加に転じ、4,117人の死亡者数が報告されていますが、米国では、約35,200人乗死亡者数が米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)から報告されています。
国土の広さや人口の違いもあってか、死亡者数も桁違いです。その米国も2014年までは順調に交通事故死亡者数が低減されてきていました。
なぜ、突然に死亡事故が増えてしまったのか?
米国と日本の死亡事故増加の原因から、今後の事故リスクを予想し交通事故防止策への手がかりを探ります。
目次
米国で急増中の死亡事故はスマホが原因?
自動車の安全への要求が厳しい米国において事故が急増したことは、米国の道路交通機関や自動車保険関連機関、並びに自動車メーカーなど、一応にショックを受けています。
先日8月29日には、先のNHTSAより詳細な交通事故のデータセットが公開され、そのデータ分析調査に外部機関の参加を促し、改善策を模索しています。
実際、こうした問題提起の具体的な質問事項を設定し、最悪の異常事態改善への手がかりを見つけようと真剣な試みが見られます。
スマホの急増が引き金に
日本においても、スマホのながら運転(以下:スマホ運転)いわゆる運転中のスマホ操作によって、いくつかの事故を誘引し実際に死亡事故も起きています。
米国においては、スマホ運転をする若者の増加などが著しく、事故防止啓発のために少々グロテスクなTVCMが流されるなど、大変な社会問題として研究が行なわれています。
当サイトの別の記事でもスマホ運転の危険性について分析解説を行い、運転中の携帯電話、スマホ使用を禁止するよう啓発に努めております。
しかし、スマホ運転をする人は、事故が起こるまでその危険の大きさを認識しないようで、気が付いた時には、手遅れという事態が後を絶ちません。
スマホ運転以外の要因は?
死亡事故急増の要因は、スマホ運転だけでは無く、以下のように様々な原因から引き起こされています。
そして原因は、その特徴を踏まえ次のように3つのグループに分けて見ることができます。
事故の原因と3つのグループ
グループA
「景気回復による外出の増加」
「失業率改善と自動車利用者数の回復」
「天候の影響」
グループAに属する要因は、いずれも自動車運転によるものではなく、自動車の利用機会が増えたこと、利用時の運転環境の変化などが要因ということになります。
つまり、自動車の利用者数が著しく増加したこと、天候が良ければレジャードライブが増え、悪天候でも利用者の増加により交通事故が増えるというのが主だった理由になります。
グループB
「事故抑止システムの理解度不足」
グループBに属する要因は、自動車そのものの機能に関わるところです。
しかし、クルマ側に欠陥や問題が生じているわけではなく、それを使う人側の知識不足から、過度な期待や機能の誤解によって事故が生じるという、運転の補助が裏目に出た結果です。
具体的には、自動運転システムへの過信やシステムをあてにし過ぎることでまれに生じるエラーに対応できず事故になってしまうケースです。
先のテスラモデルSの自動運転中の事故が一例として挙げられます。
また、一般に自動ブレーキ(Automatic Braking Systems:以下ABS)と呼ばれるようになってしまった「衝突被害軽減ブレーキ」には、大別して2つのタイプが有ります。
ABSには現在、人も含めて前方障害物を検知し、多くの場合ギリギリで衝突を回避するシステムと、人や自転車などの検知が難しく、前方車両との追突も速度を落とすだけで結果としてぶつかるシステムがあります。
いずれも一般的にABS「自動ブレーキ」と解釈され、緊急時に自動的に止まってくれると思っている人が少なくありません。
グループC
「飲酒運転や危険ドラッグの使用」
「スマホ運転中の画面注視によるわき見運転」
3番目に上げるグループCに属する要因は、現代の自動車社会が抱え続けている問題であり、ドライバーへのモラルにかかわるところです。
ドライバーのほとんどすべてが、本質的に上記に挙げる運転モラルの低下から引き起こされる悲惨な事故を知っていながら、現実にはなくならないという矛盾を抱えています。
かくいう筆者も保険代理店業務を通じ契約者の事故対応に努めて参りましたが、いくつかのケースでドライバーのモラルの低さが原因となった事故を見てきました。
例を上げればきりがないのですが他にも、スピード違反やシートベルト非装着もこのグループに属しており、景気が良くなると人の心が増長するのか、こうした事故が増える傾向にあるようです。
筆者の主観になりますが、自動車の安全面のテクノロジーは、この20年ほどの間に飛躍的な進歩を遂げました。しかし使う人の心の成長が足りないかな?と感じるような事故が無くならないのが残念です。
日本も2015年死亡者が増加!2016年は大丈夫?
日本もわずかながら死者数が増加に転じた2015年、これを危機と捉えるか、現時点の事故防止策の限界点と見るかによって、今後の展開に大きく影響します。
筆者の見当では、事故防止策の限界と捉えてしまった場合、もっとも死者数の多い65歳以上の高齢者層の増加に伴い、死者数が増加に繋がると考えられます。
しかし、現在を努力の限界と捉えず、さらに事故防止のための啓発活動を社会全体で続けていくことで、進化するテクノロジーや社会的な安全システムの向上によって、死者数はわずかずつでも減少に転じるものと期待できます。
特に自動ブレーキの止まるか止まらないかは、死傷事故になるかならないかの違いに繋がるので、当サイトとしても譲れない重要なポイントです。
今後販売される新車の全数が「人を検知して止まれるブレーキ」を備えて欲しいと、本気で望み期待しています。
2016年の死者数は、関係機関の努力も有って2016年9月の時点では、昨年度の数字を下回っています。当サイトに訪れていただいた皆さんが事故に遭わないように祈るばかりです。
死亡事故を減らす完全なABS(衝突回避ブレーキ)と完全自動運転への期待!
米国と日本社会が抱える死亡事故の大きなリスクには、高齢者の増加が著しく、交通事故の死亡率が高まることの懸念材料になっています。
しかも、交通機関のない地方において、独立して過ごす高齢者の多くが自分で運転して事故に遭ったり、起こしたりするケースが毎日のように報告されています。
このような高齢者の事故を防ぐ有効な手だてとして、ABS(衝突回避ブレーキ)や完全自動運転のクルマが期待されています。
完全自動運転車が走りだせば、地域コミュニティーへの公的なサービスとして、無人の完全自動運転車の配車などにより、高齢者自身が運転リスクを負うこと無く移動が可能になると期待できます。
バスや電車といった交通機関よりも便利で安全な交通手段の実現に期待できます。
こうした夢の車は、今日明日のうちには出てきませんが、5年10年といった直近の未来には走りだすと期待されています。
2016年、米国の死者数は、前年を上回る勢いが続いていますが、日本では、昨年よりも死亡事故が減ることに期待し、安全運転に努めましょう。
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