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自動車保険「新規 継続 事故あり」7等級の違いと保険料


自動車保険は、ノンフリート等級制度により事故歴に応じた保険料の割引・割増が適用されるようになっています。

この等級の中で7等級は、純新規加入の1年目、または2年目にほとんどの人が達し、通過する等級ですが、もっとも複雑な等級でもあるので、今回特別に7等級だけに的を絞り解説して参ります。

新規契約7等級に付くアルファベットの意味など、割引がそれぞれに異なる理由を1つずつ見てみましょう。

また、7等級でも「新規 継続 事故あり」などの違いによる、保険料も具体的に試算して比較しますので、参考にご覧下さい。

「新規 継続 事故あり」7等級の違い

7等級の違いは、主な運転者となる被保険者のリスク条件に合わせて、予め設定されています。

先ず、通常の純新規契約が6等級から始まるのに対し、7等級新規は「セカンドカー割引」が適用になる2台目の純新規契約の車が適用対象です。一般に純新規7等級と呼びA B C D E G Sいずれかのアルファベットによる年齢の分類があります。(*1)

また、継続契約には、前年6等級から無事故で割引率が進む7等級の契約を7F等級(過去3年以内の事故なし)

また逆に、過去3年以内に3等級ダウンの事故を起こした人、過去1年以内に1等級ダウンの事故を起こした人で、7等級かそれ以下の等級にダウンした人は、7F等級(事故あり)と呼び、事故あり係数の割引料率が適用になります。

7等級の区分けは、新規契約か、継続契約か? また、継続契約の場合、過去3年以内の事故の有無を分け、おおむね、3つに区分されています。

*1:新規契約時のノンフリート等級制度について、以下の記事にて詳しく紹介しております。

最初の等級が高い自動車保険!6等級の加入時と事故時3つの注意点

純新規契約の7等級 アルファベットの違い

セカンドカー割引(*2)が適用になる2台目の純新規契約の7等級では、加入時の年齢の違いによる割引区分について、アルファベットを付けて分けています。

年齢条件ごとのアルファベットの違いは以下のとおりです。(カッコ内は割増引の係数)

7A:運転者年齢条件なし(+11%)
7B:運転者21歳以上を補償(-11%)
7C:運転者26歳以上を補償(-40%)7E:運転者30歳以上を補償(-40%)
7G:運転者35歳以上を補償(-40%)
7D:年齢条件適用なし(-39%)7S:記名被保険者の年齢を基準に補償(上記の年齢条件区分に準じた割引を適用)

少し補足説明をすると、7A、7B、7C、7E、7Gは、それぞれ年齢条件区分ごとに分けられており、7Dについては、一般個人には馴染みの少ないトラック・バンなどの商用、貨物自動車の年齢区分を設けていない車に適用されます。

7Sと表記する保険会社は、年齢ごとのアルファベット区分を廃し、すべての年齢で2台目の純新規契約を7Sと表記します。しかしノンフリート等級制度には準じているので、記名被保険者の年齢に対応する年齢区分の割引が適用されます。

*2:2台目の車が安くなるセカンドカー割引について、詳しくは以下の記事をご覧下さい。

新規購入する2台目の車に安い自動車保険をかける方法!

6等級から継続契約の7F等級

前年6等級から無事故(過去3年以内)で7等級に進む契約は、7F等級(事故無し)の係数により、-30%割引が適用になります。

事故無しの7Fに達する人は、前年純新規6等級の人、前年6F等級で今年の契約で事故あり係数が消える人などが対象です。

同じ7F等級でも「事故あり」の人は、次の等級ダウン「事故あり」の係数が採用されます。

等級ダウン「事故あり」の7F等級

前年に等級ダウン事故を起こした人、または、過去3年の事故あり係数の適用期間の人は、7F等級でも事故あり係数が適用になり、-20%割引が適用になります。

無事故の人と比べて割引に10%の違いがあり、保険料が割高になっています。

現在の自動車保険のノンフリート等級制度では、3等級ダウン事故、1等級ダウン事故、ノーカウント事故の3つがあり、前年に等級ダウン事故があると、前述のように割引率が悪化します。

3等級ダウン事故では、3等級ダウンで3年間も事故あり係数が適用になるため、1事故による保険料の割増は、等級ランクのダウンにプラスして3年間ペナルティを課せられることになります。

ちなみに7等級にダウンしてくる元の等級は、1事故の場合でも10等級からダウンするので、元の10等級(-45%割引)と比べて、大幅なマイナスになります。

事故あり係数のペナルティは大きい!

10等級から7等級に3等級ダウンした場合、3年間は事故あり係数期間が適用されるため、保険料負担はより大きくなります。

ちなみに無事故割引は、7等級-30%、8等級-40%、9等級-43%となりますが、3等級ダウン事故により、事故あり係数が適用になると、7等級-20%、8等級-21%、9等級-22%となり、3年の間ほとんど割引が進みません。

しかも現実には、10等級からの3等級ダウンですから、事故を起こさなければ11等級-47%、12等級-48%、13等級-49%と、割引が徐々に進んでいたはずです。

どの等級からでもほぼ同様に2割程度の割増が3年間続くので、軽い車両の単独事故などの場合は、保険の利用についてよく検討してから請求するようにしましょう。

なお、事故の際は、とりあえず保険会社に連絡を入れて、その後の対応について保険の利用の有無を含めて相談しましょう。保険の利用は、保険金請求が前提となるので連絡手続きだけでは等級ダウンにならないので、先ずは連絡をいれましょう。

7等級で事故!等級ダウンすると?

では、過去3年以内に事故がない、現在7等級の人が3等級ダウン事故を起こした場合、4等級までダウンします。

5等級以下、4、3、2、1等級では、事故あり係数が設定されていないので、4等級は-2%割引の係数が適用になります。

7等級から1事故で増える保険料負担は?

保険料の負担額は、車や被保険者の条件などにより異なり、契約内容は千差万別です。

そこで、1事故3等級ダウンで事故有係数適用期間となる、3年間の割増引率の違いを無事故の場合と比較してみます。

先ず7等級から無事故で順調に割引が進むと次のように割引が進みます。
8等級-40%、9等級-43%、10等級-45%

そして、7等級から3等級ダウンした場合は次のような割引率になります。
4等級-2%、5等級-13%、6F等級-19%

毎年の割引率の差は次の通りです。
1年目-38%、2年目-30%、3年目-26%

基本保険料(割増引0%)が10万円の契約として考えた場合、上記の割引差を計算すると、3年間で94%もの差が生じるので、単純計算で9.4万円の違いになります。

ノンフリート割引は、基本保険料率から算出するので、現契約の割引が7等級以上に進んでいる人は、思った以上に割増が大きくなることもあります。

大きな事故や人身事故では、相手への事故対応も含めて自動車保険を使用することにためらう必要はありませんが、少損害の単独事故などでは、翌年以降の保険料負担についても検討してから保険金請求手続きをしましょう。

引受が厳しくなる!7等級からの3等級ダウン事故!

ちなみに4等級ですが、わずかに割引があるとはいえ、多くの保険会社、共済組合が原則5等級以下の他社切替の新規契約を受付けない姿勢を示しています。

つまり、4等級は保険引受基準を下回る等級になるので、保険会社の自由な選択が少なくなり他社への移行が難しくなります。

したがって継続契約では、現契約の保険会社を主に検討し、他社からの見積もりは、引受の可否を確認して依頼することになります。

等級ダウンの原因となった事故の内容次第では、より安い保険料のダイレクト自動車保険への移行ができる場合もあるので、一括見積もりサービスを利用して引受してもらえる保険会社を探すのも一考です。

3つの7等級を保険料で比較!

純新規契約の7等級、無事故継続の7等級、事故により等級ダウンした7等級など、様々な7等級がありますが、ここで26歳の記名被保険者を例に、それぞれの条件の7等級を見積もりしてみましょう。

保険料試算は、2017年に追加発売され人気上昇中のトヨタ ヴィッツ ハイブリッドに乗る、26歳の女性で見積もりしました。その他の補償条件は、第7項の「被保険者と補償の基本設定」にてご確認下さい。

7C(-40%割引:純新規)
一般車両保険付の年間保険料:47,370円

7F(-30%割引:前年事故無し/事故あり係数0年)
一般車両保険付の年間保険料:53,549円

7F(-20%割引:前年事故あり)
一般車両保険付の年間保険料:59,730円

見積もりは、純新規、事故なし、事故ありの順で記載しています。純新規でも2台目のセカンドカー割引の適用だと、前年事故無しの継続契約よりも安い、という結果になりました。

割引率は、それぞれ10%の違いとなっており、事故があった場合の事故あり係数適用の7Fがもっとも高くなります。

同じ7等級でも「事故で保険を使った人」には、厳しい料率設定となっており、自動車保険料の自由化により各社保険料の低価格化が進んだ近年においては、事故がなければさらに安く、事故があった人は、より高い保険料が課せられるような仕組みになりました。

くれぐれも事故の無いように気を付けましょう。

被保険者と補償の基本設定

見積もり試算日:2017年6月4日

被保険車両(型式):トヨタ ヴィッツ(NHP130)
グレード:1500ハイブリッド ジュエラ
料率クラス:対人:4 対物:4 傷害:4 車両:3
初度登録年月:平成29年3月

生年月日(年齢):1991年2月26日(26歳)
居住地(登録地):東京都
性別:女性

適用ノンフリート等級:7S等級
7C(純新規)、7F(無事故)、7F(事故あり)

年齢条件:26歳以上を補償
運転者限定:被保険者本人のみ
運転免許証カラー:ゴールド
使用目的:日常生活・レジャー
年間走行距離区分:~5,000km

対人賠償(基本補償):無制限
対物賠償(基本補償):無制限
人身傷害(基本補償):3000万円(自動車事故補償)

一般車両保険:220万円
(免責:1回目5万円-2回目以降10万円)

他車運転危険補償特約
示談代行サービス
ロードサービス

割引:インターネット、新車、証券不発行割引、ゴールド免許

保険料試算に際し、設定条件や補償内容の諸条件を可能な限り同じにしておりますが、保険会社によって補償や限定範囲の違いなどがあります。若干の差異については予めご了承下さい。


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