事故をおこすとペナルティになる?等級ダウンの違い
事故で保険を使うと等級が下がる
事故を起こして「保険を使うと等級が下がる」というのは、自動車保険に入っているほとんどの人が知っていることだと思います。
しかし、最近になって2013年10月からのノンフリート等級制度の改定があり、従来「等級ダウンのすえおき事故」とされていたものが、1等級ダウン事故としてカウントされるようになりました。
また、制度の改定によって事故による等級ダウンの場合は、無事故で進む等級の係数とは異なる、事故あり等級の適用があるので、保険の使い方も以前にもましてよく考える必要があります。
以下にそれぞれの等級ダウンの事例をご案内しますので、参考にしてみてください。
それぞれの等級ダウン事例
「3等級ダウンの事故」は、以下の理由による保険金支払いがあった場合、適用になります。
・他人にケガを負わせてしまった対人事故の支払い
・他人のクルマやモノなどの財物をこわした対物事故の支払い
・他のクルマやガードレール、建物などにぶつかったときの車両保険支払い
「1等級ダウンの事故」は、以下の理由により車両保険を使ったときに適用になります。なお、従来の「等級すえおき事故」が1等級ダウン事故に相当します。
・車両が盗まれて車両保険金の支払いを受けたとき
・台風・洪水・高潮が原因で水没などの被害により車両保険金の支払いを受けたとき
・いたずら、らくがき、ウインドーガラスの破損などで車両保険金の支払いを受けたとき
「ノーカウントの事故」は、以下の理由による事故のとき、適用になります。事故有として数えないので翌年の更新契約は、「無事故扱い」で等級は上がり保険料が安くなります。
・搭乗者に関わる人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険のみの支払いの場合
・弁護士費用特約を利用した支払いのみの場合
・ファミリーバイク特約を利用した、125cc以下のバイクでの保険金支払いの場合
なお、等級ダウン事故は、年間契約の中で1度の事故に対してそれぞれ3等級、1等級ダウンすることになるので、年間に2度事故を起こし保険金請求をすれば、それぞれカウントすることになります。
つまり、3等級ダウン事故を2回起こせば、3+3=6等級ダウンとなるので注意してください。
ペナルティ 事故あり等級
以前は、事故により等級ダウンをした場合、3等級ダウンだけでしたが、現在の等級制度では、「事故アリ等級」と呼ばれる、ペナルティとも考えられる、割高な係数が課せられることになります。
以前の制度では、例えば、14等級から無事故でアップした人と、18等級から1度事故を起こして、3等級ダウンした人について同じ15等級となるため、翌年の保険料は同じでした。
しかし、保険料については、すべての契約者が「公平負担が原則」という観点から制度の改定が行われました。
より実態に合わせてリスクの増大した事故を起こした人は、3等級ダウンと共に事故アリ等級という通常とは異なる、割高な係数が3年間続くことになります。
なお、1等級ダウンも同様に1年間事故アリ係数が適用になります。したがって、等級ダウンによって保険料が上がるだけでなく、事故アリ等級によってもさらに保険料負担が増大するので、保険金請求にも一定の注意が必要です。
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