搭乗者傷害と人身傷害はどちらに加入する方が良いの?
目次
搭乗者を補償する保険は何があるの?
長いあいだ、クルマに搭乗者にかける補償といえば「搭乗者傷害保険」が一般的な選択でした。
しかし、この10年で「人身傷害保険」に切り替える人が増えています。
共に「傷害保険」と名がついていますが、何が違うのかよくわからないところもあります。
そこでクルマに乗っている人には、どんな保険が使えるか整理してみましょう。(カッコ)内は、運転者から見た人間関係です。
同乗者(家族):搭乗者傷害、人身傷害
同乗者(運行供用者):搭乗者傷害、人身傷害、(対人賠償保険)
同乗者(他人):搭乗者傷害、人身傷害、自賠責保険、対人賠償保険
ざっと見渡してみると、搭乗者傷害と人身傷害が万能だということが分かりました。
また、運転者の友人や知人など、いわゆる他人には、自賠責保険や対人賠償保険も利用できます。
しっかり保険をつけておけば、他人に対しても万全な内容になりますね。
では、搭乗者傷害と人身傷害の保険の違いは何なのでしょうか?
次の項で2つの違いを明らかにしましょう。
搭乗者傷害と人身傷害の補償の違いは?
搭乗者傷害保険は、500万円~3000万円程度までの死亡保障と自動車搭乗中に負傷して、通院または入院したときに、傷害を部位症状別に補償するというものです。
保険金は、死亡保障とケガの補償を傷害の事実をもとに定額で支払います。
従来の搭乗者傷害保険では、通院日数、入院日数に対して定額の保険金が支払われましたが、現在は部位症状別支払いが中心になっています。
人身傷害保険は、治療費用や休業損害、慰謝料に相当する保険金などで手厚くカバーされます。入通院いずれの場合でも、治療費等をカバーするので、どのような事故でも安心です。
死亡保険金の金額は、補償する人の収入などの状況で違いが生じるので定額払いの要素はありません。
実損をカバーする人身傷害保険
人身傷害保険は、実損害を確実にカバーできる万能の搭乗者用の保険です。
特に運転者から見た家族の場合は、賠償保険の対象にならないため、自損事故などの発生時には、最悪の場合受け取れる保険がわずかとなり、補償が不足する可能性もあります。
死亡保障も最大で無制限まで補償を付けることができるので、万一の事故で家族への生活保障の責任が生じる、「家族を持つ働き盛りのお父さんと家族」にオススメの補償です。
なお、この保険では記名被保険者の家族に対し、搭乗中のみならず、クルマを降りている時でも、自転車に乗っていてクルマにぶつけられてケガをしたような場合でも、補償を受けることができます。
しかし、死亡保障は、死亡した被害者の収入の状態や年齢から算出されるため、高齢者が搭乗中の事故でケガをして死亡した場合、逸失利益の算定が少なくなり思うより保険金が少なくなる可能性があります。
定額払いで安心の搭乗者傷害保険
人身傷害保険があまりにも万能なので、出番がないのかと思われる「搭乗者傷害保険」ですが、今後増えてゆく高齢者ドライバーには、必須の保険です。
交通事故の死亡者の6割以上が、65歳を超える高齢者に集中していることをご存知でしょうか?
特に、高齢者の場合、搭乗中でもケガを負った場合治りにくく、救命率が若い人よりも低いために、死亡保障やケガに対する補償を大きくしておくことをおすすめします。
骨折などの可能性も高く、部位症状別支払いも効果的に働くので、付けておくと安心です。
搭乗者傷害と人身傷害は用途でえらび加入すると良い!
先の説明によって結論は出ていると思いますが、整理すると学校に通うお子さんがいる、ご家庭では、万一クルマの事故によるマイナスは、家族のどなたが負傷しても大きく影響します。
特に世帯主の死亡ともなれば、生活保障も含めて一大事となるので、人身傷害保険を「無制限」まで視野に入れて検討してみては如何でしょうか?
また、併せて車内車外どちらでも補償を担保するようにしておけばさらに安心です。
又、家族内に高齢者がいらっしゃる場合は、搭乗者傷害保険で死亡補償をプラスしておくと安心です。
いずれの保険も組み合わせが自由となっているので、家族構成と用途に合わせて付保するようにして下さい。
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