逆走事故への備えは大丈夫?増える高齢者ドライバーと逆走
高齢者の増加とともに増える逆走
逆走運転がこの数年間で顕著な増加傾向を示しています。
特に歩行者がいない自動車専用の一方通行路として、安心して走行している高速道路上でこの逆走による事故が増えており、衝突時の速度が高いことからほとんどが死傷事故になっています。
Nexco東日本、中日本、西日本、首都高速などを含む、主要高速道路6社の調べによると、通報件数で、2012年1291件、2013年1176件と概ね1200件前後となり、毎日3件前後の通報が有ることが示されています。
全国的に通報されていないものなどを考慮すれば、その数はさらに増加するものと思われます。
逆走はなぜ発生するのか?
逆走を起こす人が高齢者ドライバーに多いということが統計から分かっています。
Nexcoの調べでは、逆走した人の約7割相当が65歳を超える高齢者だったということからも事態が深刻であることがうかがい知れます。
高齢者は、事故発生時に命を落とす犠牲者となることも多く、対策が急ピッチで進められています。
しかし、それ以外の年齢層も3割ほどいますし、2015年に入ってからも高速道路上で、多重衝突事故を20代のドライバーもいます。
20代の若者の事故では、高速道路上でスピンをして衝突し方向感覚がわからなくなり焦ってクルマを走らせたところ逆走してしまったというものも有るようです。
若い人でも、逆走してしまう可能性が有るので慎重な運転はどなたにでも必要です。
聞き取り調査などの結果、高齢者の逆走がなぜ発生したのか分かってきました。
・インターチェンジ出口から間違って侵入し逆走。
・サービスエリアからの本線流入路を間違えて逆走。
・出口を行き過ぎてしまい本線上をUターンして逆走。
高速道路の出口付近には、「進入禁止」の標識が出ています。
また、サービスエリア内には、誘導用の矢印や「本線→」のような案内板も多く設置されております。
高速道路で出口を超えてしまい、Uターンをするという発想そのものも驚きです。
どうして、一般的に考えられないような行動により、逆走してしまうのか?
もう少し掘り下げて調べてみました。
高齢者特有の症状が逆走に繋がる
高齢者の病気の1つに認知症というものがあります。
実は、この認知症が逆走の引き金になっていることが分かってきています。
この認知症の中で「アルツハイマー型」の場合、空間を認識する能力が極端に劣ってしまうことが有るのだそうです。
そう、認知症の症状でよく知られる「迷子」などもその1つです。
それは有るとき突然に起こるため、サービスエリアから本線に戻る際、入り口と出口そして標識や案内板を認識できなくなってしまうのです。
コレでは、「進入禁止」の標識や「本線→」の案内も役に立ちません。
また、認知症でもピック病と呼ばれる大脳の萎縮がおこる病気では、自分の欲求を抑えることができなくなるなどの特徴があり、出口を見誤り通りすぎてしまった場合に、周りのクルマへの危険などかえりみず、交通ルールや規制を無視してしまい、逆走することがあります。
一概に言えないのですがこの病気では、好きな食べ物やオモチャなどを取り上げる、見ているテレビを消すなどすると、火がついたように怒り時には暴力をふるうなどの症状が見られる傾向があるそうです。
発病は40代から50代からも有るので、高齢者だけに限らず注意する必要があります。
逆走車との事故に備える保険
逆走車との事故では、相手も大きく損害が生じていることがあり、事故当初から相手からの補償やケアを期待することができないこともあります。
いずれ相手の保険会社などから連絡も来ると考えられますが、最悪相手が亡くなってしまったような場合、相手方からの対応は後回しにされてしまうことも考えられるのです。
このような「最悪のもらい事故」を想定し、家族と自分を守るために自動車保険の加入に際して、しっかりと補償内容を見なおして検討してみてください。
搭乗中に生じた傷害事故に関しては「人身傷害補償」、クルマの損害は「車両保険」によって補償することができます。
相手からの対応が遅れる、最悪補償が得られない、と言うような場合でも機能するので、ぜひ付けておきたい補償です。
車両保険については、保険料がかさむことが懸念されますが、エコノミータイプの車両保険でもこうした事故のカバーはできるので、付けておくことがオススメします。
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