無免許の運転で発生した事故に保険は使えますか?
無免許運転の事故で保険は使える?
無免許の運転者による事故による被害者は、賠償責任によって対人・対物ともに保険金により賠償を受けることが可能です。
しかし、無免許で運転した本人のケガや自車の車両損害について保険金の支払いは受けられません
また無免許を知っていて同乗した運転免許証を保持する人も状況によっては、賠償を受けられなくなります。
現在、無免許による運転に関しては、罰則規定も強化され道路交通法においては、3年以下の懲役または、50万円以下の罰金に処されます。
無免許の若者が暴走する、事故の低年齢化
一年の間に何度か目にするニュースが、高校生などの無免許による運転で複数人数の乗り合わせた子どもたちが死傷する事故です。
最近でも東京葛飾区で16歳の高校生が運転する事故で6人の高校生が死傷する事故が起きています。
確かに無免許でバイクに乗る若者が昔からいましたが、現在はクルマでしかも複数人数が乗っての暴走です。
どうして誰も乗車をやめようと言う人がいないのか不思議です。
毎年数件は起きているこの手の痛ましい事故の防止策を早急に検討してもらいたいものです。
高齢者の免許証の所持不適格者が見えない
話が少しずれますが、免許証は持っているが認知症などを患っていて、実は安全な運転ができない、という人が潜在的に増えています。
「お年寄りだから、若者のような暴走事故など無い」と、甘く見ている場合ではありません。
実のところ、60歳を超える人の逆走が以上に増加しており、重大な高速道路上の事故が増えています。
統計では、逆走をする人の年齢層のピークは、20~35歳 45~55歳、60歳以上の3つのゾーンに分かれていますが、60歳以上は、年々増加し免許証の返納が進む80歳を迎えるまで減ることはありません。
今後、この年代の免許保有者は、さらに増加するため、高速道路の逆走事故が増えると懸念されています。
現在の運転免許制度では、認知症の疑いがある75歳以上の運転免許証所有者に医師の診断を義務付けていますが、早い人は60代以前から認知症が進行する人もいます。
認知症のチェックを法制度の強化で対応
2015年6月に通過した「認知症のチェック体制を強化した改正道交法」は、遅くとも2017年6月までに施行されます。
今回の改正によって、75歳以上で認知症と疑われる違反や事故を起こした人は、臨時の認知機能検査を受けることが義務付けられ、3年毎の検査に追加して診断を強化する体制が作られることになりました。
これにより、一定の逆走事故低減の効果を見出すことができそうです。
しかし、高齢者の逆走事故は、60歳代から上昇に転じており、今後はもっと増加すると言われています。
検査体制などの不足もあるのかもしれませんが、せめて65歳位からはじめてもらえる体制を作ってもらえることを期待します。
ちなみに、このような高齢者の認知症が引き起こした事故も保険金支払いには影響を及ぼさず、被害者は賠償を受けることが可能です。
ただし、保険そのものは、こうした事故が増えることで保険料の増大が懸念されることになり、高齢者の無保険車や、無免許による運転の拡大も懸念されています。
逆走事故に見られるように、認知症高齢者は、自分中心の行動が顕著です。
無免許で走行する可能性も否定できません。
免許証返納のメリット
こうした高齢者の事故を受けて、高齢者に対し運転免許証の自主返納を都道府県の警察自治体を中心に呼びかけています。
自主返納するお年寄りに対し、地方自治体ではさまざまな特典を用意し、返納によるメリットを提供しています。
以下は、免許証返納者への特典の代表的な例です。
バスの乗車運賃半額
福祉タクシー券の配布
タクシーの乗車運賃1割引
美術館の入園料を割引
温泉施設の割引
銀行預金利息の割り増し
引越し料金の割引
補聴器等の割引
それぞれ地域ごとに異なり、特典は更に増える様子です。
なお、運転免許証を身分証明としている人も多いと思いますが、そうした使用方法を補うため、返納者に対し、「運転経歴証明書」と言う身分証を発行してもらえます。
地方では、高齢者によるクルマの移動も必要な状況ですが、都市部では交通の利便性も高いので、必要に迫られることもないと思われます。
いつの日か免許証所持不適格の烙印を他人に命ぜられるより、自身の選択で勇気を持って自主返納に臨むことを自分で決断したいものです。
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