今さら聞けない!横滑り防止装置ってなに?どんな横滑りを防ぐの
欧州生まれの安全基準、横滑り防止装置とは?
横滑り防止装置は、ヨーロッパ車では以前より装着が義務付けられ、衝突安全試験 Euro NCAPでも厳しいテストが行われています。
この安全装置は、ドライバーの不用意なハンドル操作やペダル操作によって、クルマがスピンアウトしそうになったときに、クルマの姿勢制御を行ってくれる安全システムです。
ABSでは運転者のブレーキ操作に対して作動しますが、横滑り防止装置は、クルマがスタビリティを失い横滑りしそうになると、自動的に作動します。
Euro NCAPの試験動画を見てみると、横滑りの試験では、急ハンドルを左右にそれぞれ1度ずつ連続して行い通常であればスピンアウトする状況を人為的に作り出します。
その作動時は目を見張るばかりで、見事にクルマを姿勢制御に成功しています。
試験結果は、その姿勢制御についてビデオ映像から検討し、試験を元にクルマを評価しています。
日本も標準装着義務化
遅ればせながら日本でも装備が標準化されました。
今後販売される新車には、標準で装着されています。
日本のJNCAPでは、今のところ試験は行われていませんが、欧州で販売されている同一車種があれば、 Euro NCAPの試験結果とビデオを参考にすると良いでしょう。
クルマを買うときには、思い出して参考にすることをオススメします。
どんな横滑りを防ぐの?
横滑りは、その路面状況と速度によってさまざまな状況から発生します。
降雨時の低ミューの路面では、比較的低速で作動しますが、スタビリティの高いクルマでドライ路面だと、容易に横滑りは発生しません。
無謀にも15年ほど前にBMWのE46のDSC(ダイナミックスタビリティコントロールシステム)を強引に作動させた時は、かなり高速でコーナリングを行い恐ろしい思いをしました。
しかし、クルマは姿勢制御され、難なくコーナーをBMWらしく駆け抜けました。
そうした経験から筆者の横滑り防止装置への信頼は絶大なものとなっています。
未装着のクルマには乗れません。
横滑り防止のシステムはABSと連動
横滑り装置は、ABS装置のシステムをアクティブに作動させた安全装置です。
具体的には、各車輪に備えられたセンサーの差からクルマの横滑りを感知して、4輪それぞれへのブレーキ操作とスロットルのコントロールで横滑りを回避します。
ステアリング装置には、働きかけません。
応用されたトラクションコントロールでますます安全に!
このシステムは、発進時のトラクションコントロールにも発揮されます。
関東地方の雪道でも、オールウェザーのタイヤを装着したFRのBMW E46を見事にコントロールして、走らせることが可能でした。
こうしたシステムが「素晴らしい」と実感した出来事でした。
筆者がはじめて経験したのは、2000年の冬です。
現代のクルマは更に進化を遂げています。
多くのクルマが抜群のスタビリティを提供してくれます。
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