高速道路や雪道での安全確保に必要な注意点
停止表示板や緊急信号灯など
車外に安全に出ることができたら、高速道路など自動車専用道路で駐停車が必要な場合、停止表示板や非常停車表示灯を後方約50mに設置して、後方から近づく車両に対し注意をうながす必要があります。
しかし、安全確保のための作業も道路の種類や状況、そして天候などによって、注意すべき点がいくつかあります。
また、停車や非常時を示す緊急時表示灯も様々なものがありますが、次の点を考慮して準備しておくと安心です。
緊急表示灯はLEDを利用し長時間強力な光を点滅できる、発煙筒とは別に非常用のツールとして、ダッシュボードやドアポケットに用意しておくと安心です。
この種の信号灯を選ぶ際のポイントは、車外に出ないで後方車両などに注意喚起できる使い方ができるものがベストチョイスになります。
例えば窓だけを開けて、クルマの屋根に強力マグネットで装着できるものならば、信号灯の高さも確保できるのでとても便利です。
なお、緊急時に電池切れなどで使えなくては、意味がありませんので、定期的に点検と電池の交換は必須です。
高速道路や幹線道路の注意点
高速道路上で時速100km/hで走るクルマは、1秒間で約28m進みます。
また、運転席のドアを開けてクルマから降車して前方後方に移動するには、最低でも10秒程度は必要となり、人によっては15秒ほど要する場合もあるでしょう。
では、後方から近づくクルマの運転手が、100m前方に停車中のクルマのドアが開き危険と判断して急制動を行った場合、停止までは、空走距離28mと制動距離84mで合わせて112mと言うデータが有ります。
見てのとおり全く間に合いません。
クルマのドアミラーなどで100m後方のクルマは、かなり小さく写ります。
また、普段走行中は相対的に同一方向に動いているので、100mは安全な車間距離と言う先入観が有るのです。
ちなみに幹線道路の時速60km/hでも、停止まで44mも進みますので、発煙筒、ハザードランプと停止表示灯など、十分な注意が必要です。
しかし現実には、100mを4秒足らずで到達するため、クルマの外に出た人はドアを閉める間もなく、後続車と接触する危険があります。
後方から近づく車の種類によっては、もう少し短い距離で止まれるクルマもあります。
しかし、天候や時間帯によっては、それ以上に制動距離が伸びることもあります。
高速道路において後方から接近するクルマは、4秒かからずに到達するので、ドアを閉める余裕もないことをしっかり覚えておきましょう。
普通の生活の中では、100mはかなり遠くバックミラーで見た時もはるか後方に見えます。
しかし、高速道路や幹線道路では、ドアを開けた瞬間すぐ目の前まで迫って来ています。
現実的なスピードを理解し、走行するクルマが有る側のドアは開けない、そして車外では走行車線に出ないことが重要であり、もっとも注意すべき点です。
交差点内の注意点
交差点内の事故では、安全確保のため先ずは事故車両など通行の妨げにならない場所に移動し、交差点内の障害を取り除くようにします。
但し、歩行者や自転車などとの衝突により、けが人が自身で立ち上がることができない、強い衝撃による負傷があるなど、状況によっては不用意に動かしてはいけません。
その際は、発煙筒や車両、停止表示灯などを駆使して、交差点に侵入してくるクルマに対し非常時であることをうながし、注意喚起を行うようにします。
同時に119番通報を行い緊急車両の出動要請を行いましょう。
夜間の事故での注意点
夜間の事故では、他のクルマに対してより早く非常時であることを知らせるために、すばやい行動が必要です。
自車が走行不能でもハザードランプなどの点灯が可能な限り使用し、併せて発煙筒を使い、速やかに後続車へ危険を知らせましょう。
負傷者が有るときは、先に救急車の出動要請をすれば警察への連絡も同時にすませることができます。
豪雨や雪の時の注意点
豪雨や雪の事故では、車外がもっとも危険な状態です。
それは、豪雨時や雪道において後続車が事故の現場の発見遅れから、多重衝突の事故に繋がることがあるので、車外で巻き込まれることがとても危険だからです。
そのために、事故発生時には迅速な対応が必要です。
しかし、安全確保が確信できない限り、車外に出ることをしてはいけません。
先ずは昼夜を問わず速やかに、クルマの燈火類をヘッドランプなど含めて点灯し、ハザードランプを点滅させましょう。
次に高速道路や夜間の幹線道路では、すぐに発煙筒を利用しましょう。
雨天や雪中でも発煙筒は機能します。
十分に機能させるため、着火後の確実な発火を確認して車両の後方に設置します。
車外に出ることに危険を感じる場合は、路側帯側のドアを開けて着火し点火を確認後クルマの後方に向かって投げて下さい。
なお、雪道においては、窓を開けて耳を澄まし、近づくクルマに対して状況を勘案して、クラクションを併用利用した注意喚起も行いましょう。
十分な安全確認後、車外に出るようにして下さい。
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