対物賠償の損害の範囲は何が含まれるの?
交通事故の相手は選べない
どのような事故でもぶつかる寸前にクルマをコントロールして相手を選ぶようなことは、レーシングドライバーでもない限りできません。
そもそも、スムーズな安全運転ができていれば、交通事故を起こすことが限りなくすくなくなります。
多くの事故で「しまった!」と思うのは、コントロールができていない、ぶつかる寸前、ぶつかった後です。
それでも、ぶつかった相手がガードレールなどの構造物なら、一般的にも損害金額は小さく「不幸中の幸い」とかんがえることができるでしょう。
しかし、ぶつかった相手が乗客を乗せて走るバスやタクシー、荷物満載のトラック、そして営業中の店舗や住宅建物などの場合、損害賠償はかんたんに済まなくなってきます。
バスやトラックなど事業用のクルマは、本体の修理費に加え、修理期間中の休車損害を支払う必要が出てきます。
又、店舗の場合は、修理期間中に臨時休業や部分営業を余儀なくされれば、当然にお店の休業補償をする必要があるでしょう。
住宅などの場合では、修理作業中に一時的な宿泊先を用意するなど、被害者の不便に対して便宜を図る必要があります。
このように相手のクルマ以外の被害も想定され、大きな賠償に発展することもある物損事故ですが、保険で支払いが可能な範囲を明確に知っている加入者は少ないようです。
保険金の支払範囲を把握しておけば、いざというときにも何に対物保険を使えるかを知っているので慌てずに対処できるようになります。
また、保険金請求の漏れなどを防ぐこともできます。
対物賠償保険を有効に活用できるように賠償可能な範囲をしっかりと把握しておきましょう。
対物賠償の範囲について
物損事故における「対物賠償保険」は、相手の自動車やさまざまな構造物など、他人が所有する物を損壊した場合に、保険契約者が負う賠償責任に基づいて支払われます。
契約のクルマを運転中の交通事故によって、他人の自動車や財物を壊した場合、法律上の損害賠償責任が発生します。
その際、対物賠償保険で、1回の事故につき保険金額を上限として保険金が支払われます。
対物賠償保険では、示談や訴訟・裁判によって行われる、和解・調停・仲裁に要した文書料や弁護士費用などまで支払い対象になります。
しかし、現在の対物賠償保険は、無制限まで補償することができますが、自動車や他人の所有物に対して、果たしてそこまで補償が必要になるでしょうか?
「何をどこまで対象とするのか」あまり詳細に、説明を受けることがない対物賠償保険ですが、実は、交通事故においてもっとも支払いが多い保険になっているのが現実です。
対物賠償は年間で約6800億円
2013年に支払われた対物賠償保険金は、約274万件を超え6800億円に達しています。
実は、損害保険会社が取り扱う損害保険商品の種目で見たとき、車両保険とならび多くの保険金が支払われているのが、この「対物賠償保険」です。
対物賠償保険では、前項の話の中でふれたように事業者の利益損害、相手の車両修理期間中の代車提供など、被害者の不便に対して便宜をはかるための補償も行います。
つまり、対物賠償保険では、交通事故により直接破壊された他人の財物への補償だけではありません。
壊れた物の修理や交換をする際に必要な期間中の代わりになる物や利益損失の補填費用など、さまざまな2次損害までカバーするように配慮されています。
飼い犬や飼猫などペットの補償
飼い主にとってとても大切にしている、ペットも対物賠償によって補償されます。
残念ながら、対人賠償のような高額な費用補償はできませんが、財物としての損害賠償は可能です。
非常に現実的な話で恐縮ですが、例えば犬の場合「犬種」によって損害金額に差が生じるようです。
概ねで約10万円未満がほとんどですから、飼い犬と散歩をする人は、ペット用の保険に加入しておく備えも検討するとよいでしょう。
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