対物賠償保険の加入方法と内容を考える
対物賠償保険の補償額
対物賠償保険は、自動車の運行中に運転を誤って他人のクルマや家などの財物を損壊させた時に支払う保険です。
対物という言葉から、モノに対しての賠償イメージですが、財産物には、店舗などの営業損害なども含まれて考慮されます。
対物賠償保険では、この修理損害だけでなく、お店の営業損害(利益損害)や破損商品だけでなく、必要な範囲で損害と認められる、陳列商品の入替えなどの費用まで対応することができます。
相手がクルマと考える場合でもバスや大型トラックなどの輸送機関の休車損害、利益損害も対応できます。
また、多くの総合型自動車保険では、対人のみならず、対物賠償にも示談交渉サービスを付加できるので、そうした部分も補償の見直しで確認をしましょう。
対物賠償補償額においても、「無制限」という商品が出ています。
すでに、加入済みの人もいると思いますが、年々増加する対物賠償額には、「対物無制限」にて、加入しておくことがベストな選択と言えます。
また、対物賠償事故の支払い金額は、対人事故の約5倍以上となっておりますから、用心に越したことはありません。
単独の対物賠償保険
任意の対物賠償保険は、単独商品も作られていて、一部の損害保険会社では代理店を通じて販売されています。
もっとも、単独の対物賠償保険の利用者は、多くの場合法人の車両を多く保有する運送事業者などが利用しています。
個人での利用の場合、連続の事故などにより、保険会社から継続契約を拒否されてしまった場合の切り札として、対人対物賠償保険のみを加入するという手段に用いられることがあります。
しかし、今回の等級制度改定の背景には、悪化する自動車保険の損害率が大きな理由になっていますから、事故が多い人は、損害保険代理店を始めとして業界全体が保険引受をしない方向になってきています。
保険はかけていても、安全運転に努めて複数回事故を起こすことがないように努めてください。
対物賠償保険の保険料の抑えから
対物賠償の内容を削るのではれば、少額損害を事故負担で支払う対物免責を設定することで、保険料をかなり抑えることが可能です。
つまり、小さい金額の賠償事故は、自腹で支払うという内容での契約です。
しかし、5万円、10万円から20万円程度の免責設定は、実際の事故では、過失相殺により全額負担となることは少なくなります。保険金支払いを行えば、金額の大小にかかわらず、大きく保険料がアップしてしまう現在では、少額を自己負担することで保険の利用を減らすことも有効な対策の1つです。
昨今は、保険利用による等級ダウンも事故あり係数の導入により、小さな事故では保険の利用が難しくなってきました。
毎年の契約更新時などに対物賠償額の見直しと、免責の設定を検討して、保険料を見なおしてみてはいかがでしょうか?
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