英語対応できる自動車保険は?|外国人との事故対応で外国語が可能な損保を18社で比較!
日本各地で急増中の訪日外国人旅行者と在留外国人、外国人の人口比率が増えるにしたがい、事故の相手が外国人のケースも急増しています。
公益財団法人「交通事故総合分析センター」発行の交通事故統計年報(平成28年度版)」によると、外国人が第1当事者、第2当事者になった交通事故は「563件」となっており、約50万件近くにも上る事故総数から比べれば、取るに足らない数字と見る方もおられることでしょう。
しかし、年々減少傾向にある事故件数に対し、急上昇中の外国人絡みの交通事故は、今後も増え続けると予想されます。
現在、自動車保険各社では、いよいよ間近に迫ったオリンピックイヤーに向けて、増加中の訪日外国人の自動車利用による事故を想定し英語対応・その他の外国語対応ができる事故対応の体制づくりを進めています。
当サイトによる2018年11月の調査では、残念ながらすべての損害保険会社で準備が整っておらず、意外にも外資系損保の対応の遅れも目につきました。
既に外国人を目にすることなど当たり前になった今日では、外国語の事故対応が可能な自動車保険こそが、スタンダードな自動車保険と呼ぶことができるでしょう。
外国人との事故が心配な人はもちろん、そうでない人もご一読いただき、今後の自動車保険選びの際に考慮してみてはいかがでしょうか?
目次
外国人が相手の交通事故が急増中!英語対応できる自動車保険会社は?
一般的な任意保険加入の日本人や在留外国人の人が相手の事故なら、相手が加入している保険と自分の保険で示談交渉など対応してもらえるので、それほどの心配はありません。
しかし、外国人旅行者の場合、言葉の壁も高くなり示談交渉などが期待通りに運ばないケースも多々あります。
しかも相手は旅行者ですから、早ければ数日で出国してしまい事故対応や賠償請求どころか、交渉相手がいなくなってしまうこともあります。
事故の当事者が、加害者・被害者のいずれの場合でも過失割合が付くことがほとんどで、特に車同士の場合、多くの事故で過失割合が生じています。
外国人旅行者が事故の相手となった場合の賠償請求等、民事賠償に関わり事案では、それが理由だけで事故当事者の出国を止める手立てはありません。
したがって、事故発生時点より相手と可及的速やかに示談交渉を進める必要があります。その際には、相手の言語で交渉内容を確実に把握し要求を伝えることが必要です。
英語・その他の外国語による事故対応が可能な自動車保険18社比較!
英語、またはその他の外国語で事故対応や保険相談には、代理店型自動車保険を中心に8社が対応しています。
特に大手代理店型損保の「損保ジャパン日本興亜」と「三井住友海上」、「あいおいニッセイ同和」では、英語の他に13か国語に対応しており、東京海上日動でも英語対応が可能になっています。
これは、より多くの自動車保険顧客と契約車両を持つメガ損保が、既に外国人旅行者や在留者の保険契約から事故対応まで多くの経験が生じ、必要なサービスとして認識したものと考えられます。
実際、契約者数が多ければ、その分だけ外国人が当事者になる事故が発生する確率は高くなります。また、通販型自動車保険には少ない、多くの法人顧客との兼ね合いもあるはずです。
こうした背景からも大手代理店型損保の自動車保険は、英語対応可能な事故対応が可能になっています。
また、大手と同様の英語+14か国語による事故対応サービスを提供しているのが「共栄火災」、そして、自社で英語による、保険問い合わせや相談、証券やしおり、パンフレットの英語対応を進めているのが「チャブ保険」です。
チャブ保険が提供するサービスや商品の独自性は、英語対応だけに限らず「クラシックカー保険」や「満額補償の車両地震特約」など、注目すべき点が多くあります。
また、2018年になってから通販型自動車保険の「三井ダイレクト」と「イーデザイン損保」が、大手同様の3者間通話による多言語対応サービスの導入に踏み切りました。
特に英語+多言語対応のサービスは、専門的な第三者へのアウトソーシングにより実現しており、今後は、現時点で未導入の保険会社も追従してサービスが開始されるものと予想されます。
特に通販型のダイレクト自動車保険各社は、速やかに対応してくると考えられるので、契約前にしっかり確認して加入しましょう。
在留外国人は250万人以上!その多くはアジア圏の人、どこの国の人が多い?
法務省発表の政府統計の総合窓口「e-Stat」の2017年12月の調査にて、総在留外国人数は「3,179,313人」となり300万人を突破しました。
この数値は、法務省にて把握している総在留外国人数だけです。
在留者数が1番多いのはどこの国の人?(2017年末時点)
在留者の多くがアジア圏の人といわれていますが、実際に10か国中8か国がアジア圏の国籍の人でした。(背景:黄色)
第1位、2位、3位は、予想通りの結果でしたが、第4位のベトナムの急上昇には驚きました。なんでも留学生が増えているそうです。
この10か国中、米国はもちろんですが、その他のアジア各国でも英語教育は進んでいます。しかし、事故時にまで微妙なニュアンス等を含めて使いこなせている国は、米国人とフィリピン人を除いて他にないようです。
アジア圏の国の場合、英語を第2公用語としている「フィリピン」以外は、英語が必ず通じると期待しない方が無難です。
したがって、多言語対応で中国語、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語、タイ語、インドネシア語、ネパール語など、多言語を使える保険会社の方が事故対応もスムーズに行われる期待が高くなります。
外国語は、英語対応だけの自動車保険よりも多言語対応の保険会社の方が「イザっ」というときに役立つでしょう。
急増中の訪日外国人は年間3000万人突破へ!
急増中の訪日外国人は、2017年に2471万人を超え、2018年は3000万人を超すであろうと予想されています。
実際、近畿圏を襲った台風や北海道の地震災害などの影響がなければ、11月中に達するであろうとの見通しもありました。少し遅れますが12月中には達する見込みです。
さて、観光業関連の方には、ありがたい訪日外国人旅行者ですが、中には、レンタカーなどを借りて事故を起こしながら、早々に帰国してしまう少し困った人もいます。
訪日外国人旅行者の運転技術レベルを期待してはイケナイ!
訪日外国人旅行者がレンタカーを借りて運転をする際、日本国内を走るには国際免許証などの運転資格が必要です。しかし、この国際免許証の運転技術レベルが、日本の運転免許証取得と同様と考えるのは大きな誤りです。
まず、アジア諸国の中でも日本の運転免許取得は、厳格であり、かつ、2輪車を含む車の種類により運転免許証の技術レベル取得など、他国のどこよりもシビアに作られています。
運転の練習も自分の車持ち込み2日程度で終わり、2トントラックサイズの車はもちろん、タクシーやマイクロバスなどの旅客車両の運転も可能です。
こうした国からきてレンタカーを借りて運転する人もいますから、私たち日本のドライバーは、その点をしっかり認識しておくべきでしょう。
なお、アジア圏からの訪日旅行者の母国では、右側通行の左ハンドルがほとんどです。しかもそうした国々の中には、対面の信号機が赤でも、通行を妨げなければ右折可能という交差点がかなり存在します。
そういう国から来た旅行者は、左側通行の日本においては交差点で「赤信号でも左折可」と考えている人も少なくありません。
外国人旅行者が運転するレンタカーの事故の補償
レンタカーの場合、自賠責保険はもちろん任意保険にも必ず入っているので、運転していた外国人旅行者が当事者の事故において、加害者が負う賠償義務は、保険から支払われることになります。
逆に外国人旅行者であっても、ケガをしたりした場合、被害者として補償を受けられるのですが、その補償内容の説明が確実に伝わらず、補償も中途半端な状態で帰国してしまう人もいるようです。
このように被害者としての補償を受けられずに帰国してしまう外国人旅行者もあり、多言語対応の自動車保険は、契約者が加害者、被害者のどちらでも相手の外国人に対し速やかな対応が期待できます。
来たる、オリンピックイヤーに向けて増加に拍車がかかる訪日外国人旅行者の数は、増えこそすれ減ることはありません。
保険料負担の少ない通販型の自動車保険も加わり、選択肢が増えましたので、次回更新時には、必ず比較に加えて検討してみましょう。
東京は在留外国人が4人に1人の高比率!在留外国人の多い地域ベスト10
2019年は、2020年のオリンピックイヤーに向けて訪日外国人旅行者に限らず、在留外国人も急増すると予想されています。
特に日本屈指の観光地である「東京」は、オリンピックの開催地にもなることから、オリンピック関連企業や観光業者も含めた、外国人労働者も数多く来日します。
こうした労働者は、数年滞在する人もいますが、多くは、数か月から1年程度の滞在が多いようです。しかし、仕事で滞在する人の多くは、自動車の利用機会も増え、特に東京とその周辺の神奈川、千葉、埼玉では、外国人が当事者となる事故の発生割合も増えると考えられます。
外国人が多く住んでいる地域は?
政府統計の総合窓口「e-Stat」の2017年12月の調査では、もっとも外国人が多く住む地域が「東京」と発表されており、総数は約54万人近くなり今後も急増が予想されます。
では、都道府県別のベスト10を見てみましょう。
東京の約54万人にも驚きですが、隣接する4つの神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県の合計で約58万人となり、関東圏で100万人を超える在留外国人が住んでいます。
関東圏は、東京を中心とした首都圏であり、当然に人口総数や自動車の登録数も日本一となっており、100万人以上の外国人もそれほど目立つことなく地域に溶け込んでいます。
現在、日本国内に在留する外国人の多くは、日本人の配偶者や家族を持つ人が多く、自動車の運転や会話も含め日本に深くなじんでおり、自動車保険もほとんどの人が契約しているものと考えられます。
加入はもちろん、事故時の対応でもほとんど日本語の使用にも支障ない人がほとんどでしょう。もちろん、家族のバックアップも期待でき、任意保険の加入・使用に問題が生じる人は少ないと思われます。
英語対応・外国語対応の自動車保険が必要な人は?
訪日外国人旅行者と在留外国人が急増しており、比例して外国人が相手の事故も増えるであろうと予想されます。
したがって次の地域に住む人、特定の観光地で外国人旅行者が増えている地域に住む人は、英語・外国語の事故対応が可能な自動車保険を選ぶよう検討することをおすすめします。
都市部や観光地に住んでいるなら「外国語事故対応」の自動車保険を選ぼう!
「在留外国人が多く住んでいる都市部」
(東京都とその隣接県・愛知県とその隣接県・大阪府とその隣接県・福岡県)
「外国人が局所的に多く住んでいる特定の地域にお住いの人」
日本に長く住んでいる在留外国人の人は、日本の道路事情や運転の常識、任意保険の加入など、日本人以上に気をつけている人は、かなりいらっしゃいます。
しかし、訪日旅行者に関していえば、すべてとは言いませんが運転技術や常識感について、日本人のそれとはかけ離れた感覚を持って運転している人も多く、注意が必要です。
運転中に危うい運転をする外国人を見かけたら「君子危うきに近寄らず…」、減速してやり過ごすぐらいが安全です。くれぐれも強引に抜き去るなど、わざわざ危険に近づくようなことをしないように気をつけて下さい。
英語以外に14言語対応の3者間通話による同時通訳システムが主流に!
近年急速に導入が進んでいる「多言語通訳による事故対応」は、保険会社がアウトソーシングで3者間通話による同時通訳を、外部業者に委託していることにより広まっています。
3者間通話による多言語対応とは?
保険会社の事故受付担当者から、事故の相手方となった外国人との対話を仲立ちするのが「通訳オペレーター」です。 3者間通話サービス提供のイメージは、次のとおりです。
【出典元:イーデザイン損保】
取り扱いのある言語(最大15か国語)
英語・中国語(北京語)・韓国語
タイ語・ベトナム語・インドネシア語
タガログ語・ネパール語・ポルトガル語
スペイン語・フランス語・ドイツ語
イタリア語・ロシア語・マレー語
従来からあるロードサービスや現場急行サービスなどと同様、外部業者へのアウトソーシングにより、質の高い専門的なサービスが安価で提供できるようになります。
筆者の勝手な憶測ですが、オリンピックイヤーも近くなり、政府の後押しによる「訪日外国人旅行者」へのキャンペーンも順調なことから、現在、外国語対応を実施していない保険会社も3者間通話方式の導入を進めるに違いありません。
各損害保険会社の英語外国語による事故対応サービスの拡大に期待しましょう。
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