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アメリカンホームダイレクトが新規募集終了!加入者は今後どうすれば良い?


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日本で初めてのダイレクト自動車保険販売を1997年9月に開始して以来、ダイレクト損保の草分けとしてなじみ深い「アメリカンホーム保険」が2016年3月末を持って、自動車保険の新規募集を終了しました。

アメリカンホームダイレクト以外で1番安い自動車保険を探している方へ

2015年10月にこのニュースがリリースされたとき、自動車保険ユーザーと共に、医療保険やがん保険に加入する多くのご年配の方が驚かれたと思います。

既存契約者の更改契約や今後の事故対応等については、現状と変わらずサービス対応していくとのことで、顧客に当面の心配はありません。

また、新規加入の希望者も同じAIGグループに属するAIU損害保険、富士火災で対応してもらえるので、まったく問題はないと考えられます。

この記事では、なじみ深いダイレクト損保が陥った業績不振、自動車保険など新規販売中止に伴う今後について考察してみます。

2015年のランキングからアメリカンホームのサービスをチェック

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2015年のアメリカンホームの顧客満足度について、結論から言えばお世辞にも良いとはいえず、各社のランキングもほとんどランク外となっていました。

筆者は、ランキングサイトの結論が損保会社の品質などを正確に表しているとは言いませんが、ネット上の有名ランキングサイトで名前の表示がなければネットを利用するユーザーからは縁遠いものとなってしまいます。

かろうじて事故対応、顧客対応の部分に限り「株式会社ジェイ・ディー・パワー アジア・パシフィック」(以下:J.D.パワー)のランキングにて一定の評価がなされていました。

・J.D.パワー顧客満足度調査
自動車保険「事故対応総合」総合:第6位(ダイレクト部門:第2位)
自動車保険「顧客対応」ダイレクト部門:第2位

・オリコン日本CSの顧客満足度ランキング
総合、各項目別、年代別のすべてのランキングにアメリカンホーム保険の名前はありませんでした。

まるで、広告費を払っていないから? と思わせるような結果です。

確かにダイレクト9社中最下位と業績も沈んでいますから、こうした結果もうなずけます。

しかし、それなりの顧客数がありながらどの項目にも顔を出さないのは、新規募集を取り止めるので、アメリカンホーム保険が意図してランキングから除外するよう働きかけているのかもしれません。

・価格.com CSの顧客満足度ランキング
価格.com CSのランキングサイトでは、総合で8位、保険料で7位、補償内容で9位となっていました。

残念ながら価格.com CSのランキングでも、目を見張るような結果はありませんでした。

参考: 価格コムの自動車保険ランキングは信じてはいけない!?

総評

ランキングを見ると明らかに2015年初頭から、既に新規営業の積極的な姿勢が薄れていたことが伺えます。

今後の継続契約や事故対応などは、以前と変わらずサービスを続ける方針と発表されていますが、こうした評判を目にすると少なからず不安を覚えます。

アメリカンホームがなぜ売れなくなった?

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ダイレクト自動車保険は、皆さん知っての通り電話やWEBサイトから直接保険会社と契約ができます。

アメリカンホームは、ダイレクト型自動車保険の販売開始より以前から傷害保険の通販などを手がけており、現在は、がん保険や医療保険などの医療分野の通信販売に長けたダイレクト損保のトップ企業として知られています。

日本で初めてダイレクト型自動車保険を発売

アメリカンホーム保険は、ダイレクト型の自動車保険のパイオニアとして1997年の通販型自動車保険の販売解禁と同時に電話募集を開始しました。

「アメリカンホーム」は、従来横並びだった自動車保険(代理店型)の保険料よりも圧倒的に安く、「チン・チロ・リンッ!」の音と、親指と小指を立てて手を握り電話を模したTVコマーシャルの印象も手伝って、走り出しは順調でした。

ライバル社に追いつかれ抜かれる!

先に走りだした分、当初2年ほどは業績もトップでしたが2000年以降、チューリッヒ保険、ソニー損保などの後塵を拝すようになります。

2000年代なかばには、同様に外資のアクサ損保、三井ダイレクトにも抜かれ、その後も顧客の流出を防ぐことができませんでした。

アメリカンホームの業績悪化要因については、様々な意見が取りざたされていますが、筆者の個人的な印象と意見では、アメリカンホームだけが自動車保険のインターネット販売に乗り遅れたことが大きな要因だと思っています。

プロ代理店の立場で、1997年のダイレクト型自動車保険の販売開始から見てきましたが、スタートが良かった自動車保険に限って言えば2000年代に入ってから現在に至るまで、他社に押されっぱなしだったと思います。

自動車保険は、ダイレクト損保はもちろん既存の代理店型損保も、2000年代に入って顧客へのサービスが強化され、新規顧客の獲得を目指しながら、その一方で他社への流出を防ぐため、様々な工夫と努力を重ねてきました。

ダイレクト型損保では、テレビコマーシャルやラジオ、インターネットなどメディアを中心とした広告が不可欠ですが、それ以上にインターネットの普及に即した顧客への提案と販売の強化が急務だったと言えるでしょう。

電話通販から脱却できない体質

アメリカンホームだけが何もしなかったというわけではありませんが、得意の傷害医療分野も含め、電話による通信販売にこだわりすぎたのではないでしょうか?

2013年のテレビインタビューでもコールセンターを利用した専任制の傷害医療保険の販売を強調していましたので、ちょっとずれている印象は否めませんでした。

確かに、売ってしまえば事故が圧倒的に少ない傷害医療分野を強化するのもわかりますが、専任制をうたい電話口のコンサルだけで販売を進め、3年程度で新規販売の停止とは、あまりにも身勝手な感じがします。

既に定着してきている、ファイナンシャルプランナーやライフコンサルタントによる生命保険のコンサルティングサービスの役割を担うつもりだったとすれば、あまりにもおこがましいいわざるを得ません。

電話通販による自動車保険販売が激減!

最近では自動車保険のダイレクト販売は、初期の電話による通販だった時代が終わり、かつてのCMのインパクトは薄らいでいました。

結局、長年培った電話通販のノウハウによる「傷害医療保険」の販売方法にこだわったせいか、自動車保険の業績は医療傷害分野の業績に反比例する形で衰退してしまいました。

アメリカンホームダイレクト以外で1番安い自動車保険を探している方へ

外資系はすぐ撤退!アメリカンホームを傘下に持つAIGの本性は?

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アメリカを本拠にする巨大な保険グループ「AIG」、自動車保険に限って言えば、戦後まもなくGHQの走らせる自動車の保険を担うために上陸したAIU損害保険から始まっています。

生命保険では、かつてのアリコジャパン(現在はメットライフ生命)が1973年に営業を開始しています。

アメリカンホームは、AIGグループの2番目の損保会社として1960年には損保の事業免許を取得し、1982年より通販型傷害保険の販売を開始しています。

AIGのゴリ押しで保険自由化が進んだ!

保険業界にとって嵐が吹き荒れた「保険の販売自由化」では、老舗生命保険会社の破綻や損害保険会社の合併や経営統合など、様々な影響が出ました。

特に生命保険会社の破綻により、契約保険商品の利率変更によって将来のインカムに影響を受けた人も少なくありません。

実のところ、こうした背景にAIGグループが間接的に関与しています。

1995年から急速に金融再編が現実味を帯び、「金融ビッグバン」と称し、準備も早々に生損保の販売自由化、自動車保険料の自由化、自動車保険通販の自由化など、金融機関の急先鋒として改革を迫られました。

こうした日本の市場への介入を半ば強引に推し進めたのが、当時のアメリカ大統領ビル・クリントン氏であることを知る人は少なくありません。

しかし、このクリントン氏にスーパー301条と呼ぶ理不尽極まりない通商法を復活させ、日本の喉元に突きつけ日本の保険市場の開放を強く迫ったのが、AIGグループだったことを知る人は少ないことだと思います。

AIG、破綻した生保を安く買収、手に余れば売却!

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AIGグループの半ばゴリ押しにより、保険業界の自由化が進み、結果として「千代田生命」「東邦生命」2つの生命保険会社が急速な変化に対応できず経営破綻しました。

破綻した生命保険会社は、契約商品(多くが年金商品)の予定利率の引き下げを行い引受会社が現れるのを待ちます。

つまり、ここで契約者は将来の年金受取額引き下げを余儀なくされています。

そこに引受会社として登場したのがAIGでした。

千代田生命は「AIGスター生命」に変わり、東邦生命は、アメリカのGEキャピタルの引受により「GEエジソン生命」に変わります。

後に「GEエジソン生命」は、AIGに売却され「AIGエジソン生命」として、先の「AIGスター生命」と2009年1月の合併を目指します。

ところが、皆さん知るところの2008年9月に起きた「リーマン・ショック」により、AIGは2つの生命保険会社の併合を撤回し、同グループのアリコ・ジャパンと共に、売却の方針に転じました。

結果、AIGスター生命、AIGエジソン生命は、プルデンシャルファイナンスグループに売却され、ジブラルタ生命保険に、アリコ・ジャパンがメットライフ生命に買収されています。

元を正せば、リーマン・ショックの原因もサブプライムローン問題とAIGグループへの公的資金の投入です。

一時AIGは、経営破綻まで懸念されましたが公的資金の投入で危機を回避しました。しかし、その後経営陣への多額のボーナス支給が明るみになり、世界中の世論から大バッシングを受けたことは、多くに人の記憶に残るところでしょう。

AIGは典型的な外資企業

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少し非難めいてしまいますが、AIGがいかに自己都合で社会はおろか、人々の生活を脅かす事象を起こしてきたかということ。

そして、あれほど日本に市場開放を迫り販売開始した「ダイレクト自動車保険」の販売を数年でおざなりにして、とうとう販売を中止するということ。

この20年の間に日本国内でもAIGグループに随分翻弄された人がいるのではないかと思うと、心中余り穏やかとは言えません。

現在、自動車保険はダイレクト商品により安くなった人もいますが、若い人の保険料は途方も無く高額となり、若者の自動車離れにも結びついています。

また、無保険車両による事故の社会問題も少なからず、発生しています。

そして今後、ドライバーの平均年齢が上がるに連れ、自動車保険のリスクは拡大すると言う懸念もささやかれています。

アメリカンホームが悪いとは言いませんが、安売りを煽ったあげく損をしそうだからといって新規販売を停止してしまうとは、いかがなものでしょうか?

親元のAIGが将来の利益率の低下を懸念?

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アメリカンホームの自動車保険販売の業績は、正味収入保険料ベースで見てみると、2015年第3四半期の累計で全体比率の約5%弱を占めるに過ぎません。

つまり、イメージ以上に傷害医療保険分野の販売構成比が高く、自動車保険はごくわずかに過ぎません。

極端に損害率の悪化が懸念されたとしても新規販売を停止する必要もないのでは?という印象です。

しかし、AIGグループの保険会社の多くが損害率の高い分野、ビジネスリスクの増大を懸念して直ぐに路線変更する傾向があります。

アメリカンホームの自動車保険では、以前より20歳以下の補償についてWEBサイトにて見積り計算ができず、実質的な加入制限となっていました。

アメリカンホームのソルベンシーマージンは、800%を超えており、十分な支払い能力を備えており、保険会社としての健全性は保たれています。

損保会社各社は、売上の確保に自動車保険の獲得合戦の真最中です。

アメリカンホームは、ダイレクト損保のパイオニアとしての役割を終え、損害率が上昇し利益率の悪化が予想される自動車保険、そして医療分野の販売も合わせて店じまいするとのことです。

今回の新規募集終了に伴い、今後の新規契約の希望者などは、同じAIGグループのAIUと富士火災などが受け付けるようになります。

既にAIGの日本法人では、将来の見通しを損保会社、生保会社をそれぞれ1社に統合し、業務を集約していく方針を発表しているので、その第一ステップということになるでしょう。

アメリカンホームは自動車保険の顧客を守る気があるのか?

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今回、自動車保険のみならず、メイン商品の傷害医療保険の商品も販売中止としています。

発表では、自動車保険、傷害医療保険、個人賠償保険の更改契約(継続契約)は、受け付けるとしていますが、いずれ代理店型損保や生命保険会社と商品を統合されることが予想されます。

将来高齢化が進むにつれ、自動車保険、傷害医療保険は共に、保険金支払いの機会が増え、損害率の低下は余儀なくされます。

さて、そういった時にアメリカンホームとAIGは、また業務の縮小、売却、撤退などを検討するのでしょうか?

今までの運営から、つまらない懸念までしてしまいます。

既存契約者は、ノンフリート等級の引き継ぎができる自動車保険の場合に限り、更改契約時に、他社との保険料比較も含めて契約を再検討する良い機会だと考えられます。

アメリカンホームの加入者は今後どうなる?

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親元のAIGグループでは、2015年10月14日のプレスリリースにて、以下のように発表をしています。

「将来的には、AIG グループとして、日本のお客様に対し、損害保険 1 社、生命保険 1 社で保険商品の開発および販売を行うことを目指します」

それ以前にもAIU損保と富士火災の統合についても表明していることから、AIGグループとしての本気がうかがえる内容でした。

自動車保険顧客への対応

既存顧客へのサービスがいきなり低下したりすることは無いので、心配には及びません。

従って、更改契約の手続き、事故対応、顧客対応などコールセンターの電話対応は、問題ありません。

アメリカンホームでは、メインのコールセンターを沖縄においていますが、新規契約にかかわるところの人員として、240名をAIGグループ内で配置転換を行う予定で進めています。

残念ながら、営業スキルを身につけた137名ほどの人が離職を余儀なくされるとのことで、大変残念な限りです。

将来はどうなる?

この予測は、筆者個人が業界の状況や保険商品の種類などを考慮して予想したものです。

AIU損保と富士火災は、共に代理店損保なので保険商品、営業体制、事故サービスセンターなど、それぞれの部署で摺り合わせも難しくありません。

自動車保険商品でも問題なく統合がなされると考えられます。

しかし、ダイレクト損保のアメリカンホームについては、様子が違ってくると考えられます。

商品についても価格差が大きく、代理店型に合わせる必要があるかも知れません。

業界では、代理店型とダイレクト型の2つの自動車保険を併売している「セコム損保」があるので、それに習いコールセンターを活用して、継続加入時の契約と事故対応を行うこともできるでしょう。

しかし、いずれも残される僅かな自動車保険契約のためだけにコールセンターの人員を残すとは考えにくく、AIU損保と富士火災の統合された損保に統合されることは間違いありません。

そうなるとどうでしょうか? 先のセコム損保とは、状況が異なってきます。

ざっくばらんに言ってしまうと、現状の自動車保険ユーザーは希望者だけ、代理店型の2つが統合された損保に移行し、後は流出を容認すると考えられます。

2016年4月以降の契約流出で将来が検討されると思いますが、今までも流出を抑止する手立てが甘く、今回コールセンターの営業担当者の半数の離職を容認していることからも、流出を抑止するつもりはないと考えられます。

予想が当たらずに、AIGグループが最高の顧客対応を見せてくれることを願います。

まとめ:アメリカンホームの自動車保険契約者はどうすれば良い?

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2016年4月以降、直ぐに統合などが進む予定はなく、現実にも難しいと考えられます。

しかし、3年前には、そうした懸念すら見せていなかった、AIGやアメリカンホームが急速に変化を進めていることは間違いありません。

アメリカの本体AIGグループと、日本法人のAIGは別の会社ですが、この3年の間で急速に変化した為替により、日本側の利益がアメリカに効率よく流れない現状を見直すのは、AIGらしいと言えます。

おそらくは、日本社会の高齢化が進む前に事業体制を再構築したいと考えている、と思われることから早めに次の手を打ってくることでしょう。

そこで、現状のユーザーへのアドバイスは次のとおりです。

・他社と商品、価格の比較をして保険会社を乗り換える!

新規契約を取らなくなることから、サービスの体制もメイン商品の傷害医療保険のサポート体制が中心となり、自動車保険の業務体制は劣化が進むものと思われます。

失礼ながら、沈む船からは早く脱出するに限ります。余裕を持って、乗り換え先を選ぶようにしましょう。


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