セゾンおとなの自動車保険の評判|40代からの保険料は本当に安い?
セゾン自動車火災保険(以下:セゾン自動車火災)が、2017年度、J.D.パワー アジア・パシフィック・ジャパン(以下:J.D.パワー)の新規加入者満足度調査第1位、顧客満足度調査では第2位を獲得しました。
俳優、香川照之が出演する「おとなの自動車保険」のCMでおなじみのセゾン自動車火災では、40代50代の保険料が安くなる自動車保険を販売しています。
セゾンおとなの自動車保険は、不要な補償部分を削り必要補償だけの組み合わせができる、他社にない特徴を持ちあわせており、無駄のない保険設計が可能です。
しかし保険料や商品力により顧客の満足度評価の高いセゾン自動車火災ですが、事故対応に若干不満を抱えるユーザーもあるようです。
また、40代50代の保険料を抑えユーザーにアピールしているのですが、オリコン日本CSの調査では、年代別のランキングでは「若い人に不人気」という、少し残念な結果も出ています。
セゾン自動車火災の少し他社に劣っているとされる、事故対応への巻き返しの切り札と目される「ALSOKの事故現場急行サービス」の導入後より1年、どの程度顧客満足度が向上したのか考察してみます。
また、「40代50代の保険料が安い!」と、うたい文句のセゾンおとなの自動車保険を、業界トップクラスの安さを誇るSBI損保と見積もり比較してみました。
目次
ランキングでわかるセゾン自動車火災の強みと弱み
まずは、2017年の顧客満足度調査から、CSランキング各社の発表を見てみましょう。
J.D. パワー アジア・パシフィック(以下:J.D.パワー)の顧客満足度調査(2017)
事故対応満足度「ダイレクト部門」:4位 (総合7位)
新規加入者満足度「ダイレクト部門」:1位
企業のCS向上の指針となる調査内容を評価提供するJ.D.パワーのCS調査では、事故対応のみ評価対象損保の総合順位が発表され、契約者満足度と新規加入者満足度については、ダイレクト損保9社中の順位となっています。
つまり、ダイレクト損保9社中の順位となる、「新規加入満足度調査」の1位は、申込のしやすさ、価格やコールセンターの対応などのレベルが高いと評価されており、事故対応や既契約者の総合的な満足度アップなど今後に期待が持てそうです。
気になる「事故対応満足度」ですが、今回666ポイントで総合7位(ダイレクト部門4位)に位置しており、あまり良いとはいえません。業界平均が670ポイントと発表されており、セゾン自動車火災(666)の事故対応満足度は平均より低く、比較されやすいイーデザイン損保に劣る結果となりとても残念でした。
業界全体の事故対応も低下傾向にあり、セゾン自動車火災の奮起を期待したいところです。
しかし、総合的な顧客満足度がうかがえる「契約者満足度調査」では、ダイレクト部門でソニー損保に次ぐ第2位の評価を集めており、ソニー損保650ポイントに対し、セゾン自動車火災646ポイントとなっており、わずか4ポイントのきん差でした。
オリコン日本CS顧客満足度調査(2016)(以下:オリコンCS)
「総合」、第2位
項目別「加入/更新手続き」、第1位
項目別「商品内容の充実度」、第1位
項目別「保険料」、第2位
項目別「事故対応」、第8位
項目別「調査/認定結果」、ランク圏外
項目別「受取額・支払いスピード」、ランク圏外
項目別「サポートサービス」、第7位
再利用意向の意識調査、第3位(85.55%)
年代別「20代~30代」、ランク圏外
年代別「30代」、ランク圏外
年代別「40代」、第5位
年代別「50代」、第2位
オリコン日本CSの調査結果では、J.D.パワーの結果とほぼ同じようにセゾン自動車火災の評価が高くなっています。総合第2位と共に注目すべきは、契約に関連する2項目(※)の1位と保険料の1位です。今後も低価格保険料と顧客サービスの維持に努めて欲しいと願います。
(※:加入/更新手続き、商品内容の充実度、の2項目)
年代別の調査では、50代の評価が高く、その逆に20代30代からあまり良い評価が得られませんでした。
しかし実際は、オーダーメイドに近い形で保険に入れるので、若い人も必要補償をしっかり見極めれば、安く保険加入できる場合もあるので、見積もり比較などを利用して他社と比べて見ましょう。
「再利用意向の意識調査」では、上位ランキングがほとんどダイレクト損保になっていますが、セゾン自動車火災は、安い保険料だけではなく、加入/更新手続き、商品内容の充実度が高く評価されており、ネットをフル活用した加入のしやすさなどが評価につながっているようです。
セゾン自動車火災では、2016年より警備会社ALSOKによる現場急行サービスもはじまり、ダイレクト自動車保険が提供する新サービスにも他社に先んじて対応しています。
しかしそれにもかかわらず事故対応に関わる3項目「事故対応」第8位、「調査/認定結果」ランク圏外、「受取額・支払いスピード」ランク圏外と、とても低い評価となっており、総合第2位という評価内容は、いまひとつバランスが取れていないようです。
ネットを活用したアンケート調査では、結果に偏りが生じます。「オリコン日本CS顧客満足度調査」の評価結果は、損保選びの参考程度として見るようにしましょう。
価格.com 自動車保険満足度 2017
項目別「保険料」、第2位
項目別「補償内容」、第1位
項目別「顧客対応」、第9位
項目別「事故対応」、ランク圏外
セゾン自動車火災に関しては総合1位となっておりますが、気になる事故対応がベスト10にもランクインせず、評価結果がいまひとつチグハグです。
しかし価格.com CSの評価は、当サイトでも以前から指摘しているように偏りが大きく、外部機関依頼による調査も今ひとつ信ぴょう性に乏しい結果です。
事故対応では毎年高い評価を集めている代理店損保のAIU保険ですが、特約など豊富に取りそろえ、代理店からの提案も含め充実した補償が得られるにもかかわらず、補償内容のランキングでは「AIU保険第9位」となっており、東京海上日動の第8位と共に、不審さを感じます。
このようなことから当サイトでは、「価格.com CS」の偏向した調査の結果と評価を疑問視しており、「参考程度として下さい」とご案内しております。
顧客満足度調査結果の総評
CS調査の権威、J.D.パワーの満足度調査で、新規契約者満足度で第1位を獲得したセゾン自動車火災は、詳細な項目別、年代別ランキングのあるオリコン日本のCS調査においても、項目別で高い評価を得ています。
しかし、各CS機関の調査からも示されているとおり、事故対応に疑問を感じる結果となっており、筆者としては総合的にはいまひとつな気がします。
商品のわかりやすさ、補償の充実、低価格などが要因になり、好調な売上につながっているようです。
事故対応に対しての低い評価は、以前よりダイレクト自動車保険のウイークポイントとして、指摘されてきましたが、ソニー損保やチューリッヒ保険など、そうした悪評をふっしょくする結果を残しており、ダイレクトだから事故対応力に乏しいのは、もはや言い訳にはなりません。
総合的な高評価から顧客を裏切ることのないよう、事故対応の評価アップを目指して欲しいと思います。
近年、セゾン自動車火災を選ぶ契約者は増えており、ミドル層の保険料の安さも相まって、多くの契約者に認められていることがわかるランキング結果でした。
弱点の事故対応!損保ジャパン日本興亜グループの弱み露呈?
ここまでセゾン自動車火災が、事故対応評価で後れを取るとは、思っても見ませんでした。
いったいどうしたのでしょうか? セゾン自動車火災といえば、元はオールステート自動車火災保険という会社をルーツとする、自動車保険に通じた保険会社です。元は代理店型の外資系損保であり、AIUと並ぶ事故対応の良さで評判を集めていた保険会社でした。
1998年の損保通販の自由化を機に、セゾン自動車火災に名前を変えて、リスク細分型自動車保険の販売に乗り出すなどチャレンジングな保険会社としても注目されています。
ダイレクト系となってからも顧客の評判は高く、事故対応も独自のネットワークを通じしっかり対応されていたはずです。
しかし、現在は、損保ジャパン日本興亜グループにあり、事故対応も同グループの影響を受けるようになっているようです。正直、損保ジャパン日本興亜の事故対応ネットワークが、お世辞でも東京海上グループの事故対応やAIGグループより優れているとはいえません。
2009年の金融業界の情勢をみれば、大型損保グループの傘下に入ることもやむを得なかったのかもしれませんが、それと引き換えにセゾン自動車火災は、自動車保険の本分である「事故対応」の大切さを失ってしまったのかもしれません。
事故対応の切り札!ALSOKの事故現場急行サービスとは?
セゾン自動車火災では、おとなの自動車保険加入者に対し、ALSOK(警備)を使った事故現場急行サービスを提供しています。
特約などによる補償ではないので、全契約者に提供されるサービスです。
サービスのおおまかなポイントは、事故発生時に顧客の要請に応じて、ALSOKの隊員が現場に急行し、道路上の安全確保や救急車の手配などを行います。
なお、2016年6月より事故現場の状況確認と現場写真撮影なども行われています。
さて、「通販型自動車保険業界初」というこのサービスですが、モデルはセコム損保の緊急対処員急行サービスとなっているのは明らかで、セコム損保では、もう何年も前から実施されています。
確かにセコム損保は代理店型損保ですが、WEBページから申込可能な商品は通販型自動車保険となっており、価格もダイレクト自動車保険並です。ちなみにセコム損保では、GPS追跡機を設置した車両の盗難にもセコムの緊急対処員が急行します。
なお、2017年10月現在、セコム、ALSOKなどの警備会社を活用した現場急行サービスは、セコム損保、セゾン自動車火災の他、ソニー損保、イーデザイン損保でも同様のサービスが開始されています。
セゾン自動車火災保険の過去3年間の業績は?
セゾン自動車火災保険は、顧客満足度のアップに比例して売上も上昇しており、顧客への積極的な販売姿勢が業績にも表れています。
まずは、過去3年間の業績について、自動車保険売上を表す「正味収入保険料」と保険金支払いの割合を示す「損害率」のデータを見てみましょう。
2014年度:17,225百万円/63.5%
2015年度:22,562百万円/64.4%
2016年度:28,377百万円/67.0%
ここ数年の業績が横ばいというライバル他社もある中で、セゾン自動車火災保険は驚異的な右肩上がりの売上アップとなっており、こうした傾向はさらに続くと考えられます。
損害率は、業界平均より1割近く悪化しています。 おとなの自動車保険の名称からも加入者の多くがミドル層のため今後シニア層にシフトしていくことで、さらに事故が増える可能性も否定できず、今後の損害率も気になるところです。
ちなみに損害率が悪いと保険金支払いも厳しくなる傾向があり、事故対応についても関係するところなので注目のポイントになります。
2016年度は、自動車販売に活気が戻り、総合的な顧客満足度も安定的な継続契約につながっていると思われます。 事業撤退したアメリカンホーム契約者からの新規継続契約があったことも好結果に繋がったと考えられます。
セゾン自動車火災保険は、今後の事故対応力の向上がさらなる顧客獲得につながるでしょう。
補償の組み合わせ自由自在、無駄なく入るならセゾン自動車火災
セゾン自動車火災の「おとなの自動車保険」は、補償内容をオーダーメイド商品のように組み立てていくことができます。
例えば車両保険は、盗難補償や自宅車庫の水没を補償しないなど、かなり多くの組み合わせが可能です。
ロードサービスの補償を外すことも可能で、その分保険料を安くすることが可能です。
私のユーザーでも20年来、一度もロードサービスはおろか、事故のひとつもない方もいらっしゃいます。
そうした人にとって、ロードサービスは必要ないのかもしれません。
また、数少ない車両新価特約を付けることができるのも、セゾン自動車火災ならではの特徴です。
他社では、ソニー損保とイーデザイン損保でしか付けられない、新車には欠かせない特約です。
つまり、半損以上なら新車に買い替えができるということ。
新車を買ったら、必ず付けたい特約です。ダイレクト系損保では、セゾン自動車火災と先の2社のみで対応しています。
また、車両無過失事故に関する特約も自動付帯で、もらい事故への対応も万全です。
最後になりますが、40代50代の人で子供と共有する、子供のクルマを新しく増車する場合、他社よりも効果的な割引制度があり、間違いなく安くなります。
特に共有する場合の保険料にはかなりの違いがあるので、必ず他社と比較してみましょう。
見積もり比較:40代は「セゾンおとなの自動車保険」がSBI損保より安い?
CS調査各機関にて、保険料が安いと支持を集めているセゾン自動車火災の自動車保険見積もりを、50歳の被保険者で試算します。
保険料は本当に安い?
まず、保険料比較するダイレクト損保には、近年の顧客満足度調査にて保険料の安さで評判の良い、SBI損保と見積もりと比較検討をしてみましょう。
被保険者とクルマの諸条件は以下のとおりです。
初度登録:平成29年10月
フォルクスワーゲン ゴルフGTE(AUCUK)
適用等級:20等級
30歳以上(SBI:26歳)以上を補償
日常・レジャー(3,000km~5,000km)
被保険者本人に限定
被保険者年齢 50歳
居住地 東京
※インターネット割引 早割 e証券 新車 可能な割引は全て算入
対人賠償 無制限
対物賠償 無制限
人身傷害 3000万円
一般車両保険 495万円(免責1回目5万円(車対車免0) 2回目以降10万円)
弁護士費用特約 300万円
対物超過修理費用補償特約 50万円
見積もり比較の結果は?
一般車両付き:43,510円
エコノミー車両付き:27,750円
車両保険無し:14,530円
一般車両付き:45,990円
エコノミー車両付き:27,920円
車両保険無し:12,950円
ダイレクト自動車保険の中では「安い!」と評判のセゾン自動車火災「おとなの自動車保険」ですが、業界トップの安さを誇るSBI損保と比べて勝るとも劣りません。
保険料に差がなければ、車両保険に新価特約があり、もらい事故のときに心強い「車両無過失事故に関する特約」が自動付帯される「おとなの自動車保険」の方が安心です。
新価特約は、新車ユーザーには特に欲しい特約なので、補償内容をよく検討して契約しましょう。
このように見積もり額の単純比較ではわからない側面もあるので、安いダイレクト自動車保険でも複数社を比較して検討することが賢い選び方です。
保険料の見積もり比較は、当サイトのトップページの「自動車保険14社の一括見積もり比較」も参考にご覧下さい。
まとめ:セゾン自動車火災「おとなの自動車保険」の3つのメリット
おとなの自動車保険を選ぶ、他社よりも優れたメリットを3つご案内します。
・組み合わせ自由!無駄な補償を省くことができる
・新車につけておきたい車両保険の新価特約がある
セゾン自動車保険は、保険商品に関して文句無しで良い商品を提供しています。
また、親子で利用するクルマの保険料をダイレクト他社に比べて大きく抑えるなど、若者のクルマ離れや無保険車を抑えることにも少なからず貢献しています。
少しだけ事故対応に弱みも持っていますが、現場急行サービスなども含めて事故対応でも顧客満足度が向上することを期待しましょう。
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