事故発生時に緊急搬送された時の実況見分
負傷して緊急搬送されたら
交通事故では、あなた自身がケガをして緊急搬送されることもあります。
そうした場合、実況見分などに立ち会えないため、相手の主張だけで作られた事故報告が作られることになります。
明らかな追突事故などで被害を受けた場合でも、後で確認したら、ぶつけられた側の急制動により追突したなど、あたかもぶつけられた側に落ち度があるような内容になっていたりすることもあります。
こうした不誠実な実況見分は、ごく当たり前のように発生しています。
そのようなことを防ぐためには、どうしたら良いのか考察してみます。
負傷し搬送された例から
実際に筆者が負傷して緊急搬送された事故では、以下の流れで後日実況見分が行われました。
事故は、大型トレーラーと小型乗用車の正面衝突だったので、ケガをした私は、失神した状態のまま緊急搬送されて、外傷の手術を受け精密検査が行われました。
幸い、検査の結果では、外傷のみで頭部や内臓への損傷が無かったため、5日ほどで退院できました。
警察から、10日以内に出頭できれば実況見分を行うので、可能な限り出頭してくださいと連絡を受けました。
退院しているとはいえ、医者からは1カ月の自宅療養と言われている状態なので、まともに動かないからだを引きずるようにして、事故現場の管轄警察に出頭しました。
目撃者のない夜間の事故
目撃者のない夜間の事故でしたから、相手のトレーラートラックのドライバーの印象だけで実況見分が行われていたため、飲酒の可能性まで示唆されていました。
当時、深夜の配送をする輸送業に勤務していたため、勤務明けの帰宅途中の事故だったのですが、未明の4時前に発生した事故で、交差点を不自然なかたちで対向車線に突っ込んでいたため、飲酒等による居眠りの可能性が示唆されていたことに驚きました。
後日の実況見分
警察では正式な実況見分報告書作成前なら、供述の裏付けがしっかりしていれば、訂正などが可能です。
私の場合は、警察署の管内に勤務先があり、会社側からの乗務日誌やタイムレコーダーと同僚の証言などを経て、実況見分に追加して供述書を作成しました。
追加の検証作業で自分の乗っていた事故車両の左側面についた塗膜により、当て逃げ車両の存在が確認できたことなど多くの再検証が必要でした。
それにより、飲酒運転や居眠り運転ではなく、並走するトラックの当て逃げによる被害者だったことを証明することができました。
相手トレーラーの自賠責保険を請求
この事故では、ぶつかった相手のトレーラートラックに落ち度はなく、保険金請求などはできませんでしたが、自賠責保険の被害者請求は可能でしたので、それと自身の搭乗者傷害保険で治療費のカバーをしました。
また、この事故は通勤途中の合理性も認められたため、労災の認定も受けることができたのが不幸中の幸いでした。
実況見分は後日でもできる
容易ではありませんが、事故の発生から日が経っていないことや合理的な理由があれば、実況見分や再検証は可能です。
状況によっては、弁護士の力を借りて手続きする必要もありますが、不可能なことではありません。
なお、事故当日や翌日のレベルなら、一般的に受け付けてもらえます。
頭部に大きな衝撃を受けているなどでなければ、実況見分を済ませてから、医療機関に向かうほうが良い場合もあるので、ケガの状態を考慮して判断するようにしましょう。
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