台風多発中!すぐに追加できる洪水災害に有効なエコノミー車両保険
毎年日本各地で大きな被害をもたらす台風、2016年の台風は7月に入ってから1号が発生と大変遅かったこともあり、「今年の台風被害は少ないのでは?」と思っていたのですが、8月に相次いで来襲、多くの犠牲者を出す最悪の事態となりました。
近年は、接近する台風の大型化が目立つようになっており、2015年の関東東北地方を襲った18号台風では鬼怒川決壊など甚大な被害をもたらしました。
また、2016年8月には台風7号9号11号10号が連続して上陸、特に太平洋を迷走し大型化した台風10号は、台風被害の経験が少ない東北、北海道地方に大きな被害を与えました。
台風接近に伴う豪雨による被害は甚大で、台風上陸が多い九州や四国地方、太平洋岸に限ったことではありません。特に瞬間的な大雨により被害に遭う危険は、日本中のどこでもあるでしょう。
避けようのない台風の大雨による大規模な洪水災害から、局所地域の一時的な道路冠水などにより、自動車が水没するなどの被害が生じたときにも有効なのが「エコノミー車両保険」です。
この記事では、台風や洪水、高潮などの水災に対して、「安くても有効なエコノミー車両保険」にターゲットを絞り、比較見積もりと併せて現時点での追加加入についても検討して参ります。
目次
エコノミー車両保険の「車対車+限定A」とは?
格安の車両保険として知られる「エコノミータイプの車両保険」は、事故の相手が特定できるクルマ対クルマの衝突事故と共に、限定Aとして特定の自然災害や爆発など外来要因の事故から生じた車両被害を補償しています。
限定Aとは?
限定Aの「A」は、アクシデント(Accident)の頭文字を取ったもので、次のような災害による車の損害を補償します。
具体的な限定されたアクシデントとは、台風/洪水/高潮、飛来落下物との衝突、火災/爆発、盗難、落書き、いたずらにより生じた車両への損害が補償の対象です。
中でも台風による損害は、広範囲に及ぶので詳細に確認してみましょう。
台風によって生じるクルマの被害
台風災害で自動車に生じるクルマへの被害を具体的に挙げると、次のようなケースがあります。
道路冠水や駐車場や低い土地や道路での水没、大雨による土砂災害、強風により巻き上げられた飛来落下物との衝突などがあります。
稀なケースですが、超大型台風が近づく際の海岸線では、台風津波と呼ばれる大規模な高潮被害が生じることがあります。
中でも台風によるクルマへの被害で大きな損害となるのは主に水没です。
飛来落下物も大きなモノや複数ぶつかれば、車体への被害は大きくなりますが、概ね修理ができることがほとんどです。
しかし、水没の場合は、車内へ浸水した汚濁水による汚れや臭いは、徹底した清掃と内装と部品の交換が必要になります。
また、各種センサーや電子制御ユニット(ECU)などの交換、エンジンやモーターなどほとんどの主要パーツ交換が必要になってきます。
水没車の損害は?
多くの場合、多大な費用をかけても被害前の現状に復旧することは事実上不可能なため、多くのケースで具体的な交換修理の見積もりを待たずに「水没全損!」となります。
つまり、台風に限ったことではなく、集中豪雨による洪水や一部地域の道路冠水でも、水没すれば全損になることがほとんどです。
逆に言えば、水没車は一般に中古車としての市場価値を大きく失うということになります。
車両保険を付けていなければ保険は一切効かないので、すべて自費で主要パーツを交換することになり、復旧しても「価値を損なった水没車」に乗りつづけるか、クルマを代替交換することになり、大きな費用がかかることになるでしょう。
では次に、エコノミー車両保険の保険料比較を話題のプリウスで検討してみましょう。
人気のプリウスで比較!基本補償のみとエコノミー車両付き
今回、台風被害対策として、エコノミー車両保険をネットで加入できるオススメの損保5社(SBI損保、アクサダイレクト、イーデザイン損保、セゾン自動車火災保険、セコム損保)に絞って試算しました。
なお、加入するプリウスのグレードと型式、被保険者の年齢やノンフリート等級などの詳細は、次の項にてご確認下さい。
新型プリウス(ZVW50)のエコノミー車両保険 ダイレクト5社比較
ダイレクト5社の補償内容を一律にして保険料を比較してみました。
14等級50%割引の被保険者で試算を行なっていますが、ダイレクト損保同士でも年間10,000円以上の差が生じているので、代理店型損保と比較した場合は、それ以上の差額が発生することでしょう。
今回の見積もりでは、台風災害などの補償を得るための付保が目的なので、あえて免責10万円で設定しています。
一般的なクルマ対クルマの衝突事故や限定Aに該当する一部損の被害事故では、自己負担額が生じます。
小さな損害については、自費でまかない、水没等の全損や大きな損害のときだけ使う保険として設計しています。
免責0特約やその他の免責金額、一般車両保険などを希望する場合は別途試算して検討してみて下さい。
(※ネット査定は、ネット割引が適用されて、お店よりも安くなるのでオススメです)
保険料差額は月あたり610円!
それぞれ、基本補償との差額も記載していますが、もっとも小さな差となったイーデザイン損保では7,320円となっており、月あたり610円ほどでエコノミー車両保険を付けることができます。
この差を台風などの水災被害を補償できるならば、加入しない手はないでしょう。特にプリウスは水没してしまった場合、ハイブリッド車であるがゆえに電装品への影響も考慮して修理などを検討する必要があります。
ハイブリッド車やEV車の場合、万一の損害が大きく及ぶこともあるので、車両保険は必須ですね。
イーデザイン損保
今回試算した5社中1番安いエコノミー車両保険になった「イーデザイン損保」は、弁護士費用補償特約、車両無過失事故に関する特約の自動付帯、代理店損保並みの補償が可能になる新価特約の追加など、ダイレクト損保でも質の高い補償が提供されています。
SBI損保
2位のSBI損保については、年齢条件が26歳以上という年齢設定にもかかわらず、30歳以上、35歳以上の他社よりも保険料が安くなりました。
しかし、今まで距離制限がなかったSBI損保の自動車保険ですが、2016年10月から一部改定となり、前年の走行距離の申告による保険料になりました。保険料の安さ以外にも大きなメリットだっただけに少し残念です。
三井ダイレクト
3位の三井ダイレクトについては、国内ダイレクトの老舗として、ほど良い保険料設定となっています。
三井ダイレクトは、他の保険会社が避けたがる若年層の保険料が比較的安くなっているので、26歳以下の若い人にもオススメの自動車保険です。
セゾン自動車火災保険
4番目のセゾン自動車火災保険は、「おとなの自動車保険」で人気の損保です。特徴は、警備保証会社「ALSOK」との提携により、事故現場急行サービスが全契約者に自動付帯となっています。
また、車両無過失事故に関する特約の自動付帯など、補償面でも充実しています。
補償内容の要不要を細かく選んで見積もりできるので、自身の希望にあった補償を作ることができます。
注意したいのは、車両保険の見積もりで「限定A」や「自宅車庫内の水災」をそれぞれ選ぶ必要があるので、契約手続き時の見積もりに注意が必要です。
アクサダイレクト
アクサダイレクトの保険料は、少し高めと言った印象ですが、21歳以上など若い人の保険料で比較したときは、上位損保よりも保険料が安くなることがあります。
三井ダイレクトと同じで若い人の保険料が安いので、1番安い自動車保険をご案内する筆者の立場から「がんばっている損保」として、推している保険会社です。
事故対応の顧客対応も比較的良いレベルとなっており、チームで事故対応を行なうなど、他社以上に事故対応に力を入れています。
被保険者と補償条件の基本設定
被保険者とクルマの設定
主な記名被保険者の年齢:35歳
被保険車両:トヨタ プリウス(ZVW50)/2016年8月登録
運転者年齢条件: 26歳以上、または30歳以上補償
運転免許証カラー:ゴールド
使用目的:日常・レジャー
契約距離: 5,000km以下
運転者限定:夫婦限定
利用地域:東京
ノンフリート等級:14等級(50%割引)
基本補償設定
対物賠償:無制限
人身傷害:5000万円(搭乗中のみ)
車両保険:300万円/エコノミー(免責10万円)
任意選択の特約設定
対物超過修理費用補償特約:50万円
地震等車両全損特約:50万円(全損時一時金)
インターネット割引、証券不発行割引
(※ネット査定は、ネット割引が適用されて、お店よりも安くなるのでオススメです)
保険期間中に車両保険を追加する方法
現在車両保険を付けていない人でも、今すぐ追加で加入ができます。
保険期間の中途で車両保険を追加するには2つの方法があります。
解約中途更改
1つは、今加入している契約を解約中途更改して解約日と同日で再加入する方法です。この場合、現契約の等級を引き継ぎはできますが、割引は再契約の1年後まで進みません。
なお、保険会社を変更したい場合、解約日と同日で中途更改するには、事前に解約する保険会社への解約手続きを行い、新たな契約も確実に手続きしておく必要があります。保険会社を変えない場合は、一つの会社窓口に一度に手続きできます。
解約中途更改は、クルマを新たに買い替えたときなど、補償を一新したいときに利用すると便利です。新車購入時に車両保険の新価特約を付けるときにも有効な方法です。
異動承認請求
現在の契約に車両保険を保険の残存期間分だけ補償を追加する方法で、間違いも少なく一般的にこの方法がオススメです。
保険期間の中途で補償を追加したり、年齢条件や担保範を変更したりする際もこの手続で、残存保険期間分の保険料追徴や返還が行われます。
今回のようにエコノミー車両保険を追加する場合は、残存期間に相当する保険料短期率を年間保険料の差額と掛けあわせることで追徴保険料が算出されます。
追徴保険料は、保険会社窓口、または、代理店に依頼するとすぐに対応してもらえます。
備えあれば憂いなし
今後も台風や集中豪雨などの災害が、いつあなたの身に降りかかってくるかわかりません。
今回の記事を見て「必要かな?」と感じたら、今すぐにでも保険会社のカスタマーサービス、担当の代理店に相談してみてください。
今現在、代理店にて加入していて「保険料が高い!」と感じていて車両保険の検討を保留していた人は、この機会にダイレクト損保への問い合わせをしてみるのも良い方法です。
色々手続きをするのが面倒な人は、一括見積もりサイトから問い合わせてみても良いでしょう。
一括見積もりサイトを提供する法人代理店では、複数の損保会社が乗り合いしているので、自身が加入している保険会社の手続きも含めて相談ができることもあります。
自動車保険契約の解約中途更改や異動承認手続きの短期率については、次の記事でも詳しく解説しているので、そちらも参考にお読み下さい。
「自動車保険の中途更改は大損する?解約して他社乗り換え3つの注意点!」
まとめ:台風洪水災害に有効なエコノミー車両保険
毎年、日本各地で報告されている台風や豪雨による自動車本体の被害を補償できるのは、車両保険だけです。
「車両保険は高い」というイメージを持った人もいると思いますが、クルマは水没や土砂災害による損害を受けた場合、致命的なダメージを負いほとんどのケースで全損になります。
先の項では触れませんでしたが、走行中に冠水した道路で突然のエンストと共に水没したようなときは、エンジンが破損するなど致命的なダメージを負うことも報告されております。
台風や豪雨による水没などの災害に備えるなら、わずかな保険料で加入できるエコノミー車両保険を検討してみると良いでしょう。
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