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三井ダイレクトの自動車保険は安くて事故対応が良い?


MS&ADホールディングスの三井ダイレクト損保は、2000年に三井海上保険が作った国内ダイレクト損保の草分けです。

2016年度のダイレクト自動車保険シェアは、1位ソニー損保、2位アクサダイレクト、3位三井ダイレクトとなり、一時足踏み状態が続いた売上(正味収入保険料)も、この2年は右肩上がりに回復しました。

2016年度は、アメリカンホームの自動車保険販売撤退により流出したユーザーを獲得するなど、上手く集客できたものと推察できます。

近年、外資ダイレクト2強(チューリッヒ、アクサダイレクト)との販売競争に押され気味だった三井ダイレクトは、業績アップが著しいセゾン自動車火災保険、イーデザイン損保など国内大手損保系列のダイレクト自動車保険の猛追も受けています。

いよいよ本気になった近年の三井ダイレクト、顧客の事故対応やサービスの拡充など、どのような変化が起きているのでしょうか?各CS調査機関による2017年最新の顧客満足度と保険料を参考に探って参ります。

顧客満足度から見た三井ダイレクトの事故対応

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先ずは、2017年の顧客満足度調査から、CSランキング各社の発表を見てみましょう。

J.D. パワー アジア・パシフィック(以下:J.D.パワー)の2017年CSランキング

契約者満足度「ダイレクト部門」:3位
事故対応「ダイレクト部門」:6位 (総合10位)
新規加入者「ダイレクト部門」:5位

企業のCS向上の指針となる調査内容を評価提供するJ.D.パワーのCS調査では、ダイレクト部門と代理店部門に分かれています。評価結果が出ているのは、ダイレクト損保9社です。

つまり、9社中の順位ということですから、総合の3位は努力の結果が出ています。それぞれの部門で評価が上がり、当サイトにて以前確認した2015年度評価のすべてを上回る評価になりました。

気になる事故対応ですが、今回1位になったチューリッヒが701ポイント獲得しており、業界平均が670ポイントと発表されています。平均点より高いダイレクト損保は、1位のチューリッヒ、3位ソニー損保(684)、5位イーデザイン損保(675)でした。(各順位は対象損保の総合評価)

それら上位評価の損保会社と比べ三井ダイレクトは644ポイント総合10位となり、以前と比べれば良くなりましたが、ライバル損保と比べて物足りなさを感じました。

全体的には、顧客満足度のアップに比例して売上も上昇しており、顧客への誠実な姿勢が評価されていると考えられます。

他社の業績が上向く中でアメリカンホームや三井ダイレクトの売上が横ばいとなっていた頃、一時はどうなるのかと懸念もしましたが、どうやら要らぬ心配で安心しました。

2016年度は、顧客サービスの好評価もあってか顧客の流出も減少し他社からの流入が大きく上回ったようです。今後はさらに事故対応や新規契約者からの満足度が上がるよう、さらなる奮起を期待したいところです。

2016オリコン日本CS顧客満足度調査

「総合」、第7位
項目別「加入手続き」、第5位
項目別「商品の充実度」、第7位
項目別「保険料」、第4位
項目別「事故対応」、ベスト10圏外
項目別「調査・認定結果」、ベスト10圏外
項目別「受取額・支払いスピード」、第3位
項目別「サポートサービス」、ベスト10圏外

「再利用の意向がある」83.88%、第4位/17社中

年代別「10~20代」、ベスト5圏外
年代別「30代」、第4位
年代別「40代」、第10位
年代別「50代」、第4位

順位にばらつきがあり、特にオリコン日本CSの調査は、ダイレクト損保に比較的有利な結果が出ているので、順位は参考程度にとどめた方が良さそうです。

そうしたランキングサイトの特徴を踏まえた上で、事故対応にかかわる項目がベスト10圏外となっているため評価が総じて悪い印象です。しかし保険金支払いは第3位と以前同様に評価が高く、スムーズな保険金支払いは現実的に良い自動車保険と評価できるでしょう。

今回行われた「契約者の契約更新を希望するか否か?」についての調査では、三井ダイレクトが損保17社中第4位と高評価を集めました。

上位3社は、1位ソニー損保、2位イーデザイン損保、3位セゾン自動車火災保険に続く4位でした。トップのソニー損保は別格としても、2位3位の三井ダイレクトより売上下位になるダイレクト損保2社の後塵を拝したことが少し残念でした。

「再契約を希望するか?」の顧客意識調査の上位3社では、近年いずれも警備会社の緊急対処員による現場急行サービスを導入するなど、自動車保険が提供するサービスに新たなスタンダードが定着しつつあります。

三井ダイレクトの事故対応は、以前より高い評価を得ていますが、補償内容をはじめ、事故対応、ロードサービス、現場急行サービスなど、ライバル損保に劣らぬ内容に見直しも必要になるでしょう。顧客満足度の向上と共に力を入れて欲しいと思います。

年代別の評価では、決して他社に劣らない低価格の保険料と顧客サービスがあるにもかかわらず、順位に大きなバラつきが生じましたが、筆者は、30代、50代において第4位という評価が総合的に見ても妥当な順位ではないかと思います。

20歳以下の新規契約の引受が可能なダイレクトで保険料も安い三井ダイレクトがベスト5圏外、40代の第10位など、少し結果に偏りが生じていると考えざるを得ません。 「オリコン日本CS顧客満足度調査」の評価結果は参考程度とするようおすすめします。

価格.com 自動車保険満足度 2017

総合、第7位
項目別「保険料」、第6位
項目別「補償内容」、第7位
項目別「顧客対応」、ベスト10圏外
項目別「事故対応」、ベスト10圏外

価格.com CSの評価は、当サイトでも以前から指摘しているように偏りが大きく、外部機関による調査も今ひとつ信ぴょう性に乏しい結果です。

総合7位とありますが、顧客対応、事故対応が共にベスト10圏外となっています。

オリコン日本CS調査とは、正反対に「事故対応」では代理店型が高評価になり、J.D.パワーの調査では総合1位を獲得したチューリッヒが7位となっており、アンケート対象者に偏りがあると考えられます。

特に解せないのは、事故対応で高い代理店損保が、特約など豊富に取り揃え充実した補償であるにも関わらず、補償内容のランキングでは、8位の東京海上日動が代理店型損保の最上位ランクインということです。

このことからも価格.comのCS調査結果は、筆者の主観をまじえると意図的な何かを感じざるを得ず、参考にするのもどうかと考えます。

三井ダイレクトの事故対応評価を見て

三井ダイレクトの事故対応が業界標準レベルを下回るとは考えにくく、J.D.パワーの調査結果が妥当なところだと考えられます。

三井ダイレクトは、補償内容がダイレクトらしくシンプルな構成となっているため、今後の契約者が事故の際に、スリム化された補償内容によって、カバーされない補償に不満を感じるかもしれません。

しかし、ダイレクト損保で過度な補償を提供するようになれば、その分コストは上がり、損害率などの上昇も懸念され、保険料の安さが売りのダイレクト自動車保険本来の魅力が薄れてしまうでしょう。

変化の激しい自動車保険商品の中にあって三井ダイレクトは、シンプルでわかりやすい自動車保険の提供に努めているのでしょう。

ちなみに三井ダイレクトは、「事故対応力やロードサービスの内容が不足か?」というと、そんなことはありません。

一般的なドライバーであれば、必要にして十分な補償内容が得られます。そのような視点から見れば三井ダイレクトは、WEBページのわかりやすさ、どの年齢層でも平均的に安い保険料は、十分魅力のあるダイレクト損保といえるでしょう。

三井ダイレクト自社調査の結果

事故対応満足度92.3%(普通~満足の回答率)
保険金が支払われるまでの所要日数が平均34.9日(車両保険)と、自社顧客へのアンケート調査結果がWEBサイトで公表されています。

この数字が高いか低いかは、評価が別れるところですが、近年人気の高いダイレクト損保は、94%台になっているので、もう少しと言ったところでしょう。

アンケート調査結果の公表内容についてですが、損保の業界の王道を行く「東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)」で行われているアンケート結果の公表内容と比較してみましょう。

東京海上日動では、事故対応について「損害サービス全般に関する満足度」という表現で円グラフをまじえて詳細な結果を公表しています。 満足評価のカウントは、「大変満足~やや満足」までとし、普通と同じ「どちらとも言えない」の回答をカウントしていません。

ちなみに、東京海上日動は、約93%の顧客から「大変満足~やや満足」と評価を受け、約3.5%の不満足とする回答も公表しています。

三井ダイレクトのように「普通」の回答を「満足」に置き換えてカウントする傾向は、他のダイレクト損保でも散見しますが、そのような会社は、正直「自社に甘い社風だなぁ・・・」と感じます。

筆者の主観になりますが東京海上日動のように、顧客の「不満足」という結果も公表してこそ、自社アンケート募集と公表の意味があると思います。自社にとって都合の良い解釈と都合の良い部分だけを公表するだけなら、広告宣伝の一環であり消費者に対して有益な情報とは言えないでしょう。

三井ダイレクトは、見やすいWEBサイト作りにより「UCDA(※)のアワード」を獲得しているとのことですが、より見やすくわかりやすい正直な情報提供にも努めていただきたいと期待します。

※:一般社団法人 ユニバーサル コミュニケーション デザイン協会(UCDA)は、「情報のわかりやすさ」の基準を作っている第三者機関です。

ランキング総評

三井ダイレクトについては、意見わかれるところですが、横ばいだった業績が右肩上がりとなり、地道な顧客対応、事故対応が評価されていると筆者は読み取っています。

ネットにより様々な情報が氾濫する現在、損保の評価結果を決めるのは、契約する顧客でありその評価が契約(売上)という結果となって見えてくるものと思います。

CS調査では、パッとしない結果に見えますが、実態として契約者が継続契約しているからこそ、売上が伸びていると言っても良いでしょう。

今の時代、ダイレクトが安いのは当たり前ですから、三井ダイレクトの契約者はそれ以外のところもしっかり見て選んでいると考えられます。

国内大手損保系列のイーデザイン損保(東京海上日動)とセゾン自動車保険(そんぽジャパン)の勢いが増す中で、国内損保系ダイレクトの老舗「三井ダイレクト(三井住友海上)」には、さらなる奮起を期待してやみません。

三井ダイレクトの保険料見積もりはホントに安い?

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保険料については、安くて事故対応も良いと人気上昇中のイーデザイン損保と比較対決してみました。被保険者とクルマの諸条件は以下のとおりです。

初度登録:平成28年2月
トヨタ プリウス(ZVW52)
適用等級:20等級
運転免許証の色:ゴールド
35歳以上を補償(三井ダイレクト)、30歳以上を補償(イーデザイン損保)
日常・レジャー
走行距離3,000km~5000km
被保険者 本人に限定
被保険者本人 男性35歳
居住地 東京
※インターネット割引 早割 e証券 新車 可能な割引は全て算入

対人賠償 無制限
対物賠償 無制限
人身傷害 3000万円(搭乗中のみ)
搭乗者傷害 1000万円
車両 450万円(免責0-10万円)
特約:弁護士費用、対物超過修理費用

試算の結果は以下のとおりでした。

・三井ダイレクト損保
一般車両付き:38,640円
エコノミー車両付き:26,170円
車両保険無し:15,860円
・イーデザイン損保
一般車両付き:30,880円
エコノミー車両付き:22,110円
車両保険無し:15,330円

ざっくばらんなところ、補償内容で特記する内容がほとんど無い三井ダイレクトは、保険料でも負けていたら、選ばれる可能性が低くなってしまいます。

しかし、既契約者で事故対応をしてもらった経験がある人なら、わざわざ乗りかえるほどの金額差ではないかもしれません。

三井ダイレクトには、顧客サービスの拡大、補償の充実など、ライバル社に劣らない内容を期待しています。

走行距離区分有りになりメリットが失われた?三井ダイレクト

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2015年10月に改定が行われ、今までメリットとしてきた「距離区分なし」のセールスポイントが、距離区分有りに変更されてしまいました。

同様にライバル社のSBI損保も2016年より距離区分を設けるようになり、「距離区分なし」は、代理店型損保のセコム損保が取り扱う、ダイレクト型自動車保険のみとなっています。

セコム損保の保険商品は、ほぼ同水準ですが、走行距離区分がないのとSECOMの現場急行サービスが付いており、三井ダイレクトに商品としての魅力は薄くなります。

強いて言えば、国内3大メガ損保のひとつであるMS&ADの三井住友海上の信用度があることでしょうか? しかし事故対応について2社は、代理店型損保譲りの事故対応ノウハウと損害調査ネットワークを有しており、両社共に不足はないでしょう。

なお、三井ダイレクトでは、走行距離区分の設定により走行距離が短い契約については、以前より保険料水準が安くなっています。あまり走らない人は、以前と比べて保険料は安くなっており、そういった点は、メリットとして捉えられる人もいるはずです。

通販型自動車保険販売で長い実績を持つ、三井ダイレクト損保だからこそ、ダイレクト自動車保険を検討する顧客の気持ちを1番よく知っていると思います。無くしたサービスやメリットを余って補う「何か?」を考え提案供給してほしいと願います。

まとめ:三井ダイレクトの現状

三井ダイレクトに限らず、ダイレクト損保各社が放映する割引や保険料の安さを前面に押し出すCMに、顧客が飽きてきていることに気が付かないのでしょうか?

具体的な事故対応サービスや新たな現場急行サービスなど、ダイレクト損保のサービスも転換期に来ていると思います。

近年は、旧態然としたサービスしか提供できない保険会社が選ばれなくなってきています。アメリカンホームの撤退などもこうした背景によるものと思います。

価格以上に価値ある新サービスを打ち出し、魅力的なダイレクト損保に進化することを期待しています。


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