バスやタクシーの搭乗中にケガをした場合は誰の責任?
バスやタクシーなど公共の乗り物で事故に有った場合
友人のクルマの助手席などに搭乗しているときに起きた事故では、相手がなく運転者の過失による単独事故でも家族以外の他人の場合、対人賠償保険の支払い対象になります。
対人賠償保険は、基礎部分の自賠責保険にプラスして、任意保険をかけている人が多いので、搭乗者用の保険以外も適用範囲になってきます。
バスやタクシーなどの公共の乗り物の場合、運転者や運行供用者となる、バスやタクシーを所有し運行管理する会社の賠償義務が生じます。
バスやタクシーなどの旅客業務では、搭乗者の希望で乗車して希望の目的地へ運行を行います。
一般車両のドライバーによる運行では、このように搭乗者の希望や目的により運行した場合には、好意同乗などによる保険金(賠償金)の減額などが認められることもあります。
しかし、バスやタクシーは、旅客業務を生業としていますから、賠償金を減じられるようなことはありません。
もっとも、バスやタクシーの運転を妨げるような行為を搭乗者が行い、それによって事故が引き起こされたような場合、事故の原因を作った搭乗者にも刑事罰や賠償請求がなされることになります。
ツアーバスの単独事故による加害者はだれ?
バスやタクシーの起こした事故でもっとも痛ましい事故は、2012年の「関越自動車道高速バス居眠り運転事故」が、今でも記憶にとどまっている人も多いことでしょう。
高速バスによる事故は、その後も後を絶つことがなく、2015年7月にも高速バスが大型のダンプカーに追突しガードレースを突き破って、道路脇の茶畑に転落死横転する惨事が起きました。
不幸中の幸い、事故当時の死亡者はありませんでしたが、追突されたダンプカーの運転手も含む、乗客23人が傷害を負う大事故となりました。
事故の原因は、運転手の連続勤務による過労との疑いが濃厚ですが、この場合運行を管理するバス会社の責任はとても重く、今後運行管理に伴う法規制も更に厳しくなるものと予想されます。
2つの例で見るような、高速バスやツアーバスなどが原因する事故でケガをした場合、通常はバス会社による賠償責任がもっとも高くなります。
とくに、今回の例では、100%バスを運行する側の責任となりますので、ケガの大小にかかわらず、確実な補償を得られるように手続きすることが肝要です。
タクシーを乗車する際にドアに手を挟んでケガをした場合!
タクシーの乗車時には、一般的に左側の後部ドアから乗り込み、運転手の操作によるドアの自動開閉が行われます。
運転手も気をつけており、もちろん声もかけますが全く事故がないわけではありません。
このような、クルマの走行中以外の事故でもタクシーへ搭乗時のケガは、とうぜん業務に関わる事故なので過失責任が生じてきます。
一般的にタクシー会社では、こうした事故に備えた業務マニュアルもあるので、運転手にケガを申し出て、状態の確認と早期の治療診断を受ける必要があります。
タクシーには無線が搭載されているので、その場から会社へのタクシー会社への連絡もしてもらうことが必要です。
万一、運転手が搭乗事故の過失を認めないような場合、警察へ傷害事件として届けることも検討する必要があるでしょう。
このような事故を警察に届ける場合は、ドアの開閉などに伴う事故によるケガは、状況によって業務上過失傷害として取り扱われます。
中には、乗車トラブルのやりとりの際、車外におりた乗客の手をドアやウインドーで挟んだ状態のまま、クルマを発進した悪質なケースも有るので、状況によっては警察の介入も必要です。
もちろんタクシー会社は、そのような状況にならないよう運転手育成につとめていますが、後の補償問題もふまえ、万一のときは「警察への届け出も必要」と覚えておきましょう。
バスの車内で転んでケガをした場合!
バスの運行中に発進や停車に伴い、クルマが揺れるため車内で転んでしまう人もいます。
バスの運転手は、そのような車内事故が起きないように十分に気をつけて運行をするように義務付けられています。
しかし時として、車内事故がおきてしまうこともありますので、その様な場合は、感情的にならずにころんでケガをした旨を運転手に伝えて、対応をしてもらいましょう。
多くの場合は、かすり傷程度でしょうから、気にもとめずにいる人もいますが、お年寄りや子供などは、骨折や頭部を搭乗器具にぶつけてしまうこともあり、後々になって大きな問題になることもあります。
状況を踏まえて、必ず運転手に申し出るようにして下さい。
なお、乗降時のステップの踏み外しなどによる転倒事故も同様に申告して下さい。
転んだときは、周囲の人(第三者)に証言なども含め援助を求める方がより安全で適切な対処となるでしょう。
バス会社への通知や状況により警察への届け出も必要になりますが、面倒と考えずしっかりと対処しておきましょう。
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