車乗りかえ時の自動車保険の入れ替えとやってはイケナイ3つの間違い!
新車中古車を問わず新しい車に乗りかえるとき、忘れてはいけないのが自動車保険の入れ替え手続きです。
車の乗りかえに伴う自動車保険の入れ替え手続きを「車両入替」と呼び、保険契約期間中に変更連絡が必要な通知事項のひとつになっています。
この手続きを忘れたり、怠ったりすると保険が効かなくなり、新しい車で万一事故に遭った場合でも保険金が支払われなくなることにもつながります。
もしあなたが、新車ディーラーや中古車販売店から車を購入し、自動車保険もその販売店に委ねているなら、車両入替手続きは担当者が納車に合わせてやってくれるので、なにも難しいことはありません。
しかしダイレクト自動車保険や別の代理店にて契約している場合、車両入替手続きの手配を自分でやる必要があるので、少し面倒を感じることでしょう。
また、車を新しく買い替えたりしたとき、その多くは車両保険付保などの理由から、保険料が高くなることも少なくありません。
手続きは面倒、保険料も高くなるということから、手続きが遅れがちになる人もいるでしょう。
この記事では、「車両入替」を早く連絡した方が良い理由と手続きに必要な書類と流れ、車乗りかえ時に「車両入替でやってはいけない3つの間違い」について、その理由と対応方法を詳しく解説します。
また、車両入替に伴う保険料のアップや補償内容、契約条件の見直しなど有効な方法について、ご紹介して参ります。
車の買い替えや乗りかえの際、自動車保険の車両入替手続きが良くわからない場合にお役立て下さい。
目次
車乗りかえ時は自動車保険の入れ替え手続きが必要!
新車中古車問わず車を乗り替える際は、自動車保険で契約している被保険自動車の入れ替え手続きが必要です。
車を乗りかえたら「車両入替」をする
被保険自動車の入れ替えのことを保険会社では「異動承認請求の車両入替」と呼び、契約期間中に発生する変更の中でも連絡の重要度が高い通知事項のひとつとなっています。
車両入替とは、契約している自動車を保険期間の途中で別の車と入替えることをいいます。主に買い替えなどで車を乗りかえたとき、車両入替手続きの通知を保険会社にしないと、乗りかえ後の車は自動車保険の補償対象になりません。
車両入替手続きは、「自家用8車種」に限り相互間で入れ替えが可能となっています。車両入替をすると、契約車両が入れ替わり補償内容と共にノンフリート等級割引(無事故割引)が、新しい車に引き継がれます。
したがって車両入替手続きは、遅滞なく連絡することが重要です。通常、車の納車日や受領する日が決まったら、速やかに現在契約中の保険会社、または代理店に連絡しましょう。
車両入替が可能な自家用8車種とは?
相互間で車両入替ができる自家用8車種とナンバープレートの見分け方は次のとおりです。
② 自家用普通乗用車(白地/3ナンバー)
③ 自家用軽四輪乗用車(黄色地/5ナンバー)
④ 自家用小型貨物車(白地/4・6ナンバー)
⑤ 自家用軽四輪貨物車(黄色地/4・6ナンバー)
⑥ 自家用普通貨物車 最大積載量0.5t以下(白地/1ナンバー)
⑦ 自家用普通貨物車 最大積載量0.5t超2t以下(白地/1ナンバー)
⑧ 特殊用途自動車 キャンピング車のみ(白地/8ナンバー)
車両入替は次の対象者が新たに取得した車が対象
② 記名被保険者
③ 記名被保険者の配偶者
④ 記名被保険者、またはその配偶者の同居の親族(※1)
上記の対象者は相互間で車両入替が可能です。なお、いずれの場合も「車両入替」の通知前に起きた事故は担保されません。
例外として、契約中の被保険自動車を手放された事実(廃車・譲渡・返還)があった時点から、上記の車両入替対象者が所有する車が登録の日より30日間は自動補償の対象になります。
車両入替は書面による通知が必要
車両入替時には、書面による通知が必要です。
この書面を「異動承認請求書」と呼びますが、契約者が準備用意する必要はありません。車の乗りかえが決まったら、現在契約中の保険会社、または代理店に電話で連絡し、車両入替手続きを依頼すれば用意してもらえます。
その際、車の詳細や納車日などを聞かれるので、現在の契約内容(契約者番号、証券番号等)と共に、乗りかえる車の車両情報(自動車売買契約書等)を準備しておきましょう。
手続きはカンタン!まずは電話連絡から…
車両入替手続きは、保険会社、または代理店に電話連絡することから始めます。
ダイレクト自動車保険や一部の代理店型自動車保険では、インターネットホームページにある、契約者専用ページにログインして通知手続きを進める方法もあり、24時間365日受け付けているので時間を問わず手続きを進められる利便性の良い方法もあります。
しかし、必要事項を細かく入力していくのが苦手な人や、手っ取り早く進めたい人は、必要な資料を手元に揃えて電話連絡した方が間違いありません。
電話連絡の前に手元に揃えておく資料
②新しい車の型式、車体番号がわかる資料(新車:売買契約書、中古車:売買契約書/車検証の写しなど)
③手放す車と新しい車の積算走行距離(オドメーター)(保険会社によって要不要があります)
その他にも現契約の保険期間、補償内容などにいま一度目を通して理解しておきましょう。
それでは次に、連絡先別に車両入替手続き依頼の進め方を解説して参りましょう。
新しい車の購入先販売店が代理店の場合
現在契約中の自動車保険の契約先が、新しい車の購入店の場合、販売担当者が用意してくれる書類に署名捺印して、請求される保険料の追徴額を支払えば手続きは完了します。
同じ販売店で複数回代替えし、車を乗り継いでいるユーザーに多いパターンです。
つまり、車両入替手続きが契約者にとって一番面倒がないのは、手続きのすべて任せられる自動車販売店の代理店で加入している契約です。
面倒が少ない上に、車両入替日と納車日を確実にセットしてもらえるので間違いもほとんどなく、契約者にとってもっとも安心できるカタチともいえます。
しかし、利便性が高いゆえに保険料としてはもっとも高い国内大手損保の代理店型自動車保険ですから、車両入替時に限らずその後も高額な保険料を支払うことになるのが、最大のデメリットといえるでしょう。
イージーな分だけ高くつくといったところでしょうか…
手放す車の元購入先が代理店の場合
保険代理店の業務は、自動車の販売の有無に縛られること無く、契約者から車両入替の依頼を受ければ手続きを進めなければなりません。
販売担当者がしっかりしており、契約者と良い人間関係を築けていれば電話1本で手続きを開始してくれることでしょう。
しかしユーザー側としては、「他社に代替えするのでなんとも気まずい…」という人もいるかもしれません。そんな時は、契約している保険会社のコールセンターに直接連絡して「車両入替」の手続きを依頼しましょう。
重要なポイントは、車両入替日を納車日に合わせてもらうことです。したがって納車日が確定してから手続きを進める方が確実です。追徴保険料の試算と支払いも含めて手続きを進めましょう。
一般的には、ユーザーが保険会社に直接手続きを希望すれば、その依頼に合わせて手続きしてくれます。
しかし稀なケースですが、かたくなに代理店との連絡と手続きを勧める保険会社もあります。契約者からすれば不要になる人間関係だから、面倒が無いように直接電話しているのですが、理解してもらえないこともあるようでおせっかいな話です。
保険会社や代理店の事情をさっするところもありますが、まずはユーザーありきで対応してもらいたいものです。
このような面倒がある場合は、納車日に合わせて契約保険会社、代理店を乗りかえる方法もありますので、後の項でご紹介します。
専業のプロ代理店で保険契約している場合
プロ代理店で契約している自動車保険の場合、代理店の担当者に連絡を入れれば、必要な手続きについて説明が受けられ、契約者の希望に訪問、または郵送で車両入替の承認請求書の手続きから、集金(振込もあり)などもしてもらえます。
また、新しい車の資料や車検証の写しの請求など、納車日前に必要な手続きについても適切なアドバイスをしてもらえるので、ほとんど不便や不満はないでしょう。
残念なのは、代理店型自動車保険ゆえにダイレクト型と比べて追徴保険料が高くなるところでしょう。
ダイレクト自動車保険で契約している場合
現在の契約がダイレクト自動車保険の場合、手続きはコールセンターへの連絡、またはインターネットホームページの契約者専用ページにて、新しい車の型式や車体番号などを入力して通知する方法があります。
手続きに必要な資料を揃えたり、車両入替の依頼をしたり、手続きのタイミングも含めてすべて自分で行う必要があり少し面倒でもあります。
しかし、段階を踏まえて手続きをすすめれば難しい点は一切ありません。また、車両入替を依頼する際に必要な資料は、基本的に代理店に依頼するときと同じですから「至れり尽せり」を求めなければ、特に不満はないだろうと思います。
もちろんコールセンターの顧客対応は、ダイレクト系損保の窓口であり顔ですから、とても親切に接してもらえます。手続きで分かりにくいところがあればここで質問しておくと良いでしょう。
何より保険料が低価格に抑えられているので、追徴金から翌年以降の保険料まで、代理店に依頼するより安く済むことも魅力です。
オークションやフリマの個人間で売買した車の手続きは?
基本的には、自動車販売店の納車日に相当するのが、車を譲り受け支払する日となります。
個人間譲渡の際は、車両入替手続きを前もって確実に済ませておくことが大切です。
車両入替と譲渡契約を確実なものとするために、金額が少なくても「個人間の自動車売買契約書」の取り交わしや、契約時に購入車の車検証の写し(名義変更前で可)をもらっておく必要があります。
車両入替に必要な資料が揃っていれば、代理店型、ダイレクト型に限らず、手続きは上記記載にあるとおり進めておきましょう。
必要書類と車両入替手続きの流れ
車両入替の際は、提出が必要な書類と手続きの流れがあります。
必要書類
自動車検査証(車検証)の写し
・中古車の場合、新たに取得した車の名義変更後の車検証の写し(中古車販売店購入、個人間譲渡)
新車中古車いずれの場合も、手続きの開始時には手元にないと考えられますが、車両入替手続きの依頼時に車両個体の特定は「車体番号」で、追徴返還保険料の計算は「車の型式」により算出が可能になるので、手続きを進めることができます。
名義変更後、または、新しいナンバーを取得後、速やかに変更の手続きを行いましょう。
車両入替の流れ
② 車両入替に必要な資料を揃える
③ 納車日(車両入替日)が決まったらすぐに電話で手続きを依頼
④ 車両入替の異動承認請求書を保険会社に返送
⑤ 車検証の写しを販売店から入手しだい保険会社に送付【新車中古車を販売店から購入の場合】
⑥ 納車(車両入替)
⑦ 名義変更、ナンバー変更登録後、車検証の写しを保険会社に送付【個人間で譲り受けた場合】
現契約の被保険自動車を買取や個人間売買する場合
手放す車を新車中古車の販売店に下取りに出す場合は、契約車両の譲渡と新たな車の納車が同時に行われるため、被保険者が実態上の所有者として2台保有することはありませんので保険の対象車両も明確です。
しかし、買取店に出す場合や個人間売買で譲渡する場合、「譲渡日」にズレが生じ一時的に2台保有という状況になってしまうことがあります。
このようなときは、次の項で解説する自動補償が効きませんので、新しい車の使用を開始する時点で車両入替になるよう、予め手続きを進めておく方が安全です。
まとめると、予め日時を指定し車両入替手続きをしておけば、同一名義の2台を一時的に保有していても車両入替日時からは、乗りかえた車が被保険自動車になります。
しかし、車両入替手続きを乗りかえ後にしようと後回しにしていた場合、手放す車の譲渡が完了していないため、自動補償が効かず「乗りかえた車は無保険」の状態となってしまいます。
車両入替手続きは、基本的に前もって納車日を指定して完了しておくことをおすすめします。
また、車買取や個人間譲渡をするなら、契約書を確実に作成し、譲渡を新しい車の納車日前に完了しておくことが肝要です。
個人間売買による譲り受けの際の注意点
乗りかえる車を個人間売買で手に入れた場合、納車日に相当する「譲り受ける日」を車両入替日に指定し手続きを進めておきましょう。
個人間で車の売買を行う際は、車の譲渡証など名義変更のための書類のほか、個人間売買の契約書、売買金額の支払いに対する領収書(できれば振込が良い)など、取引の事実が明確になるよう手続きしておくことをおすすめします。
なお、譲り受けた自動車は、速やかに名義変更と管轄変更(ナンバー変更)の手続きを行い、登録後は速やかに自動車検査証(車検証)の写しを保険会社に提出しましょう。
入れ替る自動車は自動補償[被保険自動車入替の自動担保特約]
被保険自動車(手放す車)から、新たに取得する車に車両入替を行う場合、 新たな車を取得してから30日以内に、契約内容の変更手続き(車両入替の異動承認手続き)を行えば、新たな車を被保険自動車とみなし、特約により補償が自動担保されます。
なお、手放した車に車両保険が付いていれば、新たな車には、市場販売価格相当額(時価額)にて自動補償されます。
この特約により、うっかり手続きを忘れても補償されるので安心です。しかしこの特約は、自動車販売店で新車中古車を購入し、手放す車もその購入店にて下取りしてもらう場合なら、何も考えずに納車後に車両入替手続きをしても問題は発生しません。
しかし、手放す車の譲渡と新しい車の納車タイミングにズレが生じると少々やっかいなことになるかもしれませんので、次の内容に注意して下さい。
この特約は、新たな車の取得と手放した車の譲渡により自動担保されるため、被保険自動車が変わったのち手放した車で生じた事故は、いかなる場合でも損害に対して保険金は支払われません。
この特約における「新しい車の取得日」は、自動車検査登録日となります。また手放す車は、廃車・譲渡(商法上の売買の受け渡し)されたことが前提となっています。
つまり、新しい車を受け取っても、手放す車を手元に所有している状態では、車両入替は自動担保されませんので、「被保険自動車」も入れ替わりません。
被保険自動車(手放す車)の譲渡が何らかの理由により遅れるなら、新たな車の納車日をずらすか、予め車両入替手続きを指定日時で済ませておく必要があります。
自動補償が有効なケースは?
先のとおり、販売店からの購入と下取りで新旧車両の交換を店頭や自宅などで行う場合、その場で被保険自動車の入れ替えが自動的に担保されます。
このケースでは、日時の指定をしていないことで日時のずれなどにフレキシブルに対応するため、車両入替を自動補償に任せて、納車後手続きのほうが良いこともあります。
筆者の自動車販売経験の中でも納車日変更がありました。いくつかの事例をあげておきますので、同じようなことが想定される場合は、自動補償の活用をおすすめします。
お客様のご都合による納車日時の変更は、意外にも多くあります。当日、または、前日夜に発生したケースでどなたにでも想定できる状況をピックアップしてみました。
② お客様の多忙により納車日を後日に変更
③ お客様ご家庭の都合により急遽下取り予定の車で出かけてしまい、納車日を後日に変更
④ お客様ご家族のご病気により納車日を変更
⑤ 納車日前日に納車の準備完了と明日の予定を確認したところその日の夜納車に変更
納車日時が突然変更になる理由は様々ですが、家族の病気や天候などは緊急性も高いため、あってしかりと考えています。もちろん、お客様と販売店という間柄ですから、極力お客様の都合に合わせるということは当たり前のサービスです。
新車なら「準備ができたらすぐに乗りたい!」という方も当然の希望だと思います。
そうすると、新旧自動車の入れ替えについて、旧車両の廃車・譲渡などの条件を整えておけば、車両入替の自動補償と納車後手続きも便利な方法として押さえておくと良いでしょう。
【必見】保険入れ替えでやってはいけない3つの間違い!
車乗りかえにおいて、自動車保険入れ替え手続きの中で気をつけたい事柄や、やや誤解されている手続きについて少し掘り下げてみます。
とくに今回あげた3つ間違い(勘違い)の一部は、無保険状態にもなりかねない危険をはらんでいるため取り上げてみました。また、無駄に手続きを増やす面倒なアドバイスを鵜呑みにしないよう気をつけて下さい。
乗りかえ後の車は名義変更しなければ入れ替えできない!?
新しい車をオークションやフリマなど個人間売買で手に入れたり、親せきや友人・知人から手に入れた場合は、車を譲り受けた後で名義変更することが一般的です。
中古車販売店で購入すれば名義変更後に納車されることが当たり前ですが、車の個人間売買においてその常識は通じません。
このような場合、既に元の被保険自動車を手放した後(譲渡後)でも、新しい車の名義変更登録が終わっていないため、入替自動車に対する自動補償も効きません。
名義は他人の車でも所有の実態が、記名被保険者となる自分の車の場合、1日自動車保険の活用も微妙です。
それでは、名義変更が済むまで「無保険」で乗らなければいけないのでしょうか?
答えは「いいえ」です。
このような場合は、名義変更・管轄変更(ナンバー変更)前でも、通常の車両入替手続きを保険会社・代理店に依頼し、現状の車検証に記載のある登録内容でとりあえず車両入替を行います。
既に売買契約が取り交わされ、金品の支払いが済み、譲り受けた車の処分の権限を単独で有する状態ならば、新たな車の実態上の所有者と認められます。
名義変更後に改めて車検証の写しの提出、変更後のナンバーを保険会社に連絡しましょう。
車両入替の連絡は30日間の猶予がある!?
車両入替の自動補償は、うっかり忘れによる事故などで補償が受けられなくなることを防ぐための自動担保特約です。
したがって、車両入替手続きの遅延に猶予を持たせるためのルールではないことを理解して下さい。
手続に不慣れな自家用車の所有者(一般の人)に、車の買い替えに伴い直ぐに承認請求を行うことを、理解し要求するのは少し厳しすぎると考えられます。
そこで自動車保険約款の特約条項において、自家用車を新たに取得した日の翌日起算とし、30日以内に車両入替の異動承認請求を行えば、被保険自動車を手放した車から新たに取得した車に、登録日まで遡って契約の補償内容と共に適用するとしています。
とはいえ甘えは禁物、判例では、30日条項の猶予を超えた車両入替に対しては容赦なく、保険適用外であると判決が下りています。
自動補償でも納車されたら速やかに車両入替手続きをして下さい。
車の入れ替えと保険会社の乗りかえは同時にできない!?
新しい車の購入に合わせて、「車の入れ替えと同時に保険会社を乗りかえたい」という人もいるでしょう。
そのご希望は、もちろん可能です!
ところがネット上には「入れ替えと乗りかえは同時にできない!」という意見も見られますが、それは自動車保険の実務に携わったことの無い人の虚言なので惑わされないようにして下さい。
この手続きは一般に「中途更改」と呼んでおり、昭和の時代から自動車販売代理店、専業プロ代理店など、代理店がライバル代理店から契約を奪取するために用いてきた、代理店での営業経験がある人ならだれでも知っている当たり前の方法です。
具体的には、手放す車の旧契約を解約し、解約と同日付(ココが肝心)で新たな車の契約を希望の自動車保険で加入しましょう。
この方法なら、今までのノンフリート等級割引の継承も行えます。
しかし、この方法のデメリットは、保険期間の途中で解約することで返戻金が少なくなります。また、解約前の現契約の保険始期日と契約日の時期により、ノンフリート等級の進みが遅れます。
したがって「支払い済み保険料の解約返戻金が少ない」、「等級の進みが新たに1年後となる」この2つのデメリットを考慮して、新たに加入を検討するの自動車保険見積もりを対比して、手続きを行うかどうかを決めて下さい。
新たに安い自動車保険を探すなら一括見積もりを利用すれば、どの自動車保険が車両保険付きでも安いのか一目でわかるでしょう。
現在の契約が代理店型自動車保険であり、新しい保険をダイレクト自動車保険で検討するなら、保険料のロスはある程度解消の可能性があり、今後の保険料やサービスを考えれば賢明な選択になるでしょう。
保険期間中における、車両入替と自動車保険の乗りかえが可能な中途更改について詳しくは、次の記事も参考にして下さい。
この方法の手続きはシンプルですが、特に解約手続きに注意し、新たな契約の保険始期日を解約日と同日とすることに細心の注意をはらって下さい。
この手続きは、他人任せにせず自分で確認しながら手続きを進めことが何よりも肝心です。新たな自動車保険を選ぶ際は、価格だけに偏らず次のようなランキング比較も見ることをおすすめします。
乗りかえ時は車両保険の付保と契約条件を確認しよう
車の買い替えや乗りかえを行う際は、車両保険をはじめとする補償内容の確認や見直し、そして契約条件についても再確認するチャンスです。
補償内容の見直しポイント
当サイトで皆さんにおすすめしている基本的な補償内容は、次のとおりです。
対物賠償保険:無制限
人身傷害補償:3000~5000万円
搭乗者傷害補償:0~1000万円
車両保険:車両価格+消費税+オプション価格(価格協定価額の範囲内で設定)
一般的に車の違いで補償内容に差が生じる必要があるのは車両保険金額だけです。
それ以外の補償内容について基本的に差をつける必要はありませんが、搭乗者の補償について人身傷害補償の金額をアップしたり、保険金定額払いの搭乗者傷害保険、車外の自動車事故も補償(被保険者の家族が対象)するなど家族の構成によってアレンジを検討しましょう。
特に記名被保険者が世帯主で、子供や家族などの補償も希望されるのなら、自転車搭乗中の傷害保険や個人賠償責任保険の特約付帯も考慮すると良いでしょう。
対人対物賠償
対人賠償保険は、運転者の過失による事故でケガをした人、車や自転車、家屋、路側の施設や建造物など他人の財物を損壊、破損させた際、相手への補償となる保険なので不足が無いように「無制限」とするのが一般的です。
現在の個人向け自動車保険の多くは、対人賠償無制限となっており、対物賠償も無制限を自動セット(任意選択も可)としているところが増えました。
搭乗者補償
搭乗者への補償は、人身傷害補償をメインに不足を搭乗者傷害補償で補うようにしましょう。通常は、人身傷害補償のみで十分と考えられますが、死亡時の逸失利益などが低く見積もられてしまう、高齢者や無職の人が運転したり、乗せる機会が多い場合、搭乗者傷害の定額補償を追加することをおすすめします。
車両保険
車両保険の保険金額は、購入価格を元にWEB見積もりシミュレーターに提示される標準価額の範囲内で設定します。
車両保険金額は、「車両本体価格+消費税+オプション品価格」の総合計で、できるだけ新車時からフルカバーで付けることをおすすめします。
車両保険金額の設定は、過剰に設定すれば無駄な保険料を払うことになります。また、全損時の保険金支払いの際に「実態と異なる」ことから保険会社が支払いに難色を示すこともあります(車両保険金額は実損害のてん補が基本)
また、その逆に保険金額が足りない場合、保険金が不足となり損害をカバーできないことが考えられます。見積もり時の保険金額の過不足は、シミュレーター上で任意入力し調整しましょう。
自分でダイレクト自動車保険に加入する際は、保険金額の設定に注意して下さい。
また自動車ローンを利用している人は、支払い中は車両保険を付けておく方が無難です。できればフルカバータイプの一般車両保険に加入しましょう。
もう当たり前になったハイブリッド車、昨今人気の輸入車、国産のプレミアムカー、先進安全技術満載の最新軽自動車の場合、修理見積もりが高騰しています。
つまり事故時の修理費用が想像以上に高いので、車両保険は必須と考えましょう。
その他の特約
弁護士費用特約
もらい事故などにより被害者となった場合、賠償請求や相手との交渉を弁護士に依頼するための費用を、最大300万円まで補償する特約です。
新価特約
新車登録から一定期間付帯可能な特約です。大きな事故により修理見積もりが車両保険金額の50%を超える場合、新たな車の買替費用として、全損と同じように保険金額を上限に保険金が支払われる特約です。
新車を大破した場合でも「新価特約」を付けておけば、修理費が保険金額の50%以上かかる場合、買い替えの費用保険金として支払われるので安心です。
通常、修理費が車両金額の50%を超えるような事故の場合、車体の骨格部にまで事故の影響が及ぶので、見た目は完全に修理をしてもその車は「修復歴あり」と見なされ、その後の価値を著しく損なうことにもなります。
またそのような車に乗り続けることも苦痛ですから、車両保険に新価特約が付帯できる間は付けておくとより安心です。
契約条件の見直しポイント
契約条件は、限定条件の付け方により大幅な割引が期待できます。
主に運転する人、たまに運転する人、家族以外の人の運転についてと、家族の運転者の最低年齢について確認しましょう。
運転者家族限定は、現在1%の割引となので「限定なし」と比べて良い割引ではありません。特に子供が車を使う場合、なんどき友人に運転を依頼するかもわかりません。
そのようなときに事故があれば、「家族限定」だから保険が出ないでは済みません。最悪の場合、子供や車の所有者たる親が運行供用者責任を問われ、損害賠償責任を負う可能性も否定できません。
子供が車を使うなら運転者限定は「限定なし」で契約しましょう。
自動車保険の多くの年齢条件は、家族の年齢について対象としています。したがって運転者限定なしとしておけば、21歳以上を補償する契約において子供の友人(20歳)の運転も補償の対象になります。
詳しくは加入している保険会社に年齢条件の補償範囲を確認しておきましょう。
その他の条件では、記名被保険者の免許証カラー、車の使用目的、走行距離、について今一度見直して再検討します。
長い間自動車保険の契約条件について見直しをしていない人は、車両入替をきっかけに車の年間走行距離と使用目的について再確認して下さい。
走行距離の区分は、保険会社によって細分化のポイントが異なっており年間の走行距離によっては、保険会社の乗りかえを検討した方が良いこともあります。
特に外資系ダイレクト自動車保険は、走行距離にシビアなので、手放す車のオドメーター確認と共に新たな車のオドメーターもチェックして、適正な走行距離で契約するようにしましょう。
年間走行距離区分については、詳しい特集記事も参考にご覧下さい。
新しい車は保険料が高くなる?入れ替え前3つの保険料対策
新車や高年式の中古車では、購入価格も高く事故時の修理費用もかさむことから、車両保険の付帯は必須と考えられます。
そのため、新しい車に車両入替すると保険料の追徴もかなり高額になることもあります。
今まで車両保険を付けていなかった場合、現契約に新たな車両保険を追加付保することも可能ですが、差額の一括追徴となり、思わぬ出費となるケースもあります。
この項では、車両入替前の保険料対策について、考察、紹介して参ります。
① 運転者加入条件の見直し
記名被保険者しか運転しない車で、他人が運転する機会もないのに「運転者限定」を付けていない人は少なくありません。
運転者本人限定特約により、8%もの割引があるのに知らない人、知っているが万一他人が運転した時のためにと、予定のないリスクを案じて高額な保険料を払っている人は、この機会に保険のスリム化に努めましょう。
他人が運転するかもしれないリスクは、現在「1日自動車保険」の活用でほとんど解消することができます。
緊急時には、対人対物賠償保険+搭乗者傷害保険の基本補償で、1日あたりワンコインの500円で加入できます。車両補償が必要な場合、運転する人は8日前までに事前登録することが必須となります。
知人友人とのレジャーや会社の同僚と出かける機会に、他人の運転が想定されるときだけ「1日自動車保険」を利用してリスク軽減をはかってみてはいかがでしょうか?
もちろん、追徴保険料などがわずかなら、その時点で「運転者限定なし」に条件変更手続きをすることも可能です。
② 車両保険の免責金額の見直しとエコノミー車両保険の検討
新しい車に車両保険を付けるとき、なんとも悩ましいのが車両保険付帯によりアップする保険料です。
ノンフリート等級割引が進んでいる人なら、あまり感じにくいところですが、まだ割引が十分に進んでいない人の場合、車両保険加入だけで保険料が倍に膨れ上がることもよくある話です。
そのような等級割引が進んでいない人の場合、実際に車両保険を使うケースは、大きな事故により大損害が生じたときだけで、小さな修理費用の小損害時は保険を使うことをちゅうちょするでしょう。
実際、現在のノンフリート等級別割引では、1事故3等級ダウンの他に3年間の事故有等級による実質的なペナルティも課せられるので、等級が進んでいない人は、小損害で安易に車両保険を使わない方が得策です。
それでは、使うことの少ない小損害の部分を免責を付けて補償を削ってしまうとどうなるでしょうか?
人気の「日産ノート eーPower(HE12):車両255万円」の見積もり例で比較してみましょう。
【免責一律 10万円の保険料:54,090円】
以上の内容は、免責0円と10万円の違いですが保険料に約2万円の大きな差が生じました。
ノンフリート等級別割引があまり進んでいない6等級~15等級くらいまでの人で若い人は、特に車両免責金額を設定し保険料を抑え安全運転に努めましょう。
ちなみに相手のある過失割合の生じる事故においては、相手の過失分は免責金額から相殺されます。単独事故の小損害は、自身の未熟と反省し自己負担で修理することで、事故の少ない優良ドライバーになることでしょう。
免責金額の違いによる保険料比較/被保険者と補償条件の基本設定
見積もり試算日:2018年9月1日
保険期間:2018年10月10日から1年間
損害保険会社:イーデザイン損保
被保険車両:日産ノート
車種:e-Powerメダリスト
型式:HE12
初度登録年月:2018年(平成30年)8月
年齢:26歳
居住地(登録地):東京都
適用ノンフリート等級:8等級
前年事故の件数:0件
前年事故あり係数:0年
年齢条件:26歳以上を補償
運転者限定:被保険者本人のみ
運転免許証カラー:ブルー
使用目的:日常生活・レジャー
年間走行距離区分:~5,000km
対人賠償(基本補償):無制限
対物賠償(基本補償):無制限
人身傷害(基本補償):3000万円(契約車両に搭乗中のみ補償)
車両保険価額:255万円(免責:各項目ごとに設定)
特約:対物超過修理費用補償特約、他車運転危険補償特約、弁護士費用等補償特約、他
サービス:示談代行、ロードサービス、提携修理工場紹介
割引:インターネット、早期契約、証券不発行、新車、ゴールド免許(該当条件のみ)、ASV
保険料試算に際し、設定条件や補償内容の諸条件を可能な限り同じにしておりますが、保険会社によって補償や限定範囲の違いなどがあります。若干の差異については予めご了承下さい。
エコノミー車両保険の加入を検討する
新しい車に乗りかえたら車両保険への加入は必須なのですが、等級が進んでいない人や年齢の若い人はとにかく保険料が高くつきます。
そのような場合でも車両保険加入をあきらめず一考して欲しいのが「エコノミー車両保険」です。
エコノミー車両保険では、一般車両保険に比べて補償範囲は狭くなりますが、保険料は約2分の1になりとても割安に入ることができます。
しかし安いことにより、補償不足では意味がありません。そこでエコノミー車両保険にできることとできないことについて、シンプルに考察してみます。
エコノミー車両保険で補償されない事故
・自損事故
・相手のわからない当て逃げ事故
大別すると以上3つの事故の損害は、車両保険金が支払われません。
そこで1つずつ考察してみましょう。
まず、「地震・噴火・津波を起因とする災害」は、オールリスクカバーの一般車両保険でも追加特約でしかも一時金50万円までしか補償されません。なお満額補償が可能なのは一部の小規模代理店型損保のみの取り扱いです。
つまり、「地震・噴火・津波を起因とする災害」については、一般車両保険とエコノミー車両保険に差は無い、と考えることができます。
次に「自損事故」ですが、これはいわゆる「自爆」と呼ばれる相手のいない単独事故であり、交通ルールを守り無理のないよう注意して運転していれば避けられる事故といえるでしょう。
恥ずかしながら筆者自身の経験をお話しすると、20歳までの3年間で1等級に至るまで1回の大事故を含む、数回事故を起こしましたが、21歳以降、自動車販売の仕事についてからは、相当に注意して運転したこともあり、その後の事故は皆無です。
私のお客様を見たところ若い人の事故は多いのですが、それでも21歳以降は格段に発生確率は下がります。21歳を超えると事故を起こしても本当に小さなものがほとんどです。
私の実体験やお客様の事故からの推察ですが、ディーラーの顧客から代理店経営時の顧客、そして他の代理店さんの話でも同様です。
もちろん、歳を重ねても相変わらず不注意な人もいらっしゃいますが、そうした人はまれなケースであり自覚もあることから、車両保険を容易に使いませんし高額な新車に乗ることも避けているようです。
すべての契約者にあてはまるわけではありませんが、概ね注意して運転すれば自損事故は避けられます。また起こしたとしても小損害に抑えられる、と考えて良いでしょう。
最後に「相手のわからない当て逃げ」による損害ですが、これは「運が悪い」というだけではなく、公共の駐車場で止める場所や周りの車に注意することで、かなりの事故を防ぐことができます。
たとえば、スーパーなど公共の駐車場では、人や車の往来が多い出入り口付近の駐車を避ける。
頭から突っ込んで駐車している車や曲がった状態で駐車している車、ステアリングホイールをきったまま駐車している車の隣に駐車しない。
運転がおぼつかないドライバーを見かけたら、その車が走るであろう出口までの通路付近には駐車しないなど、ちょっとだけ気を配るだけで、あて逃げリスクを軽減できます。
それでも「エコノミー車両保険だと当て逃げが心配…」という人は、業界唯一「当て逃げ担保のエコノミー車両保険」を販売する「日新火災」の自動車保険を他社の見積もりと比べて検討してみてはいかがでしょうか?
③ 自動車保険の見積もりを比べてみる
保険料を抑える対策として最も有効な方法は、あなたにとって1番安い自動車保険を見つけることです。
安い保険料を見つける手段は2つ。
ひとつは、ダイレクト自動車保険のホームページにある「見積もりシミュレーション」を使って、1社ごとに同じ補償条件、契約者条件で見積もりを集めて比べて見ることです。
メリットは、確実に自動車保険に詳しくなれます。デメリットは多くに時間を費やすことです。
比較対象を保険料の安いダイレクト自動車保険9社に絞り、入力ミスがないように気をつけて進めても、各社の特約から契約条件を把握しながら進めると丸1日は費やす必要があるでしょう。
もうひとつは、おなじみの「自動車保険一括見積もり比較」を利用して、ダイレクト型・代理店型自動車保険と合わせて、一気に見積もり集めを依頼することです。
やってみるとわかるのですが、見積もりのための入力作業はとても面倒です。
これを一度の入力だけで、あとはメールと郵送で届いた見積もりを選ぶだけです。もちろん、比較だけでもうるさい勧誘が続くようなことはありませんから気軽に利用できます。
私自身、自動車保険を長く販売してきており、色々な方法で保険料を抑えることを知っていますが、1社2社の代理店型自動車保険商品では、既に限界です。
今一番安くて補償やサービスの充実も図りたいのなら、迷わず「自動車保険一括見積もり」を使って、ダイレクト型自動車保険を中心に検討してみましょう。
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